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蓮side/so far
ショートケーキ/蓮side.2
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「省吾、昨日会った並木中の女の子覚えてる?」
「あー、あの読モの子?」
「その隣に居た子」
「えぇ?なんか小っちゃい子が居た気がするけど、顔とかよく覚えてないな」
「調べといて」
「……蓮、たまに味変したい気持ちは解るけど、あの子はそういうタイプの子じゃないと思うよ?大人しそうな雰囲気だったよね?」
「セフレじゃ…ない」
「は?なに…どういう意味?」
「なんか…気になる…から」
「はぁ?!なに、なに、なんで!?」
「ウルサイ。いーだろ、別に」
「うわっ…一目惚れってやつ?ヤバッ、ついに蓮が恋に落ちた…。よし!解った。並木中の知り合いに頼んで調べてみるよ」
「…頼んだ」
「ってかさ、蓮がその気になれば自分で調べられるでしょ?1時間もあれば個人情報なんて楽勝なのに、何で調べないの?」
「なんとなく…。とにかく頼んだからな。今夜迄に情報揃えて」
「鬼っ!鬼がいるっ!クソ~いつも人使い荒いんだからっ!」
ギャーギャー文句を言いながらも、省吾ならきっちり希望に応えてくれる事を知っている。
勿論自分で調べたらもっと早い。
そこそこのセキュリティなら簡単にハッキングできる。ただ、名前やプロフィール、写真等々、情報を知りすぎてしまうのが厄介だ。
特に彼氏が居るかどうか…まだ知りたくなかった。
はぁ…昨日の夜からずっとこんな感じだ。
なぜか美優の顔が頭から離れない。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・
夜、約束通り省吾から連絡が来た。
『おつー。調べ終わったよー』
「サンキュ。」
『甘音美優ちゃん、並木中の2年で同い年。彼氏は居ないって。詳しくはメールで情報送ったから見といて』
「わかった。助かるよ」
『美優ちゃんさー…』
「名前、呼ばないで」
『は?…なに、もしかして嫉妬?!』
「いいから。名字な」
『はいはい。甘音ちゃんさー、ちょっと手強いかもよ?』
「何で?」
『ちょっ…苛々するのやめてよ。電話越しにその声マジで怖い』
「理由、早く」
『あーもう…。甘音ちゃんモテるのに今まで誰とも付き合った事ないの』
「美優の周りにロクな男が居なかっただけだろ?」
『あ…自分は名前呼びなんだ』
「は?」
『はは、冗談だって~。で、話を戻すけどさ、甘音ちゃんの周りのガードが固いみたいで、誰も告白できないみたいよ?』
「周りのガードってあの読モの子?」
『そうそう読モの子と、あとは従兄と弟の3人が…』
「従兄と弟?」
『だから、いちいちキレた声出すのやめてくれる?!』
「でも、ある意味感謝かな。美優がまだ誰とも付き合った事無いって…嬉しいかも」
『ツンとデレが激しいな…』
「は?」
『いや、マジですみません』
「とにかく、調べてくれてサンキューな。あとは自分でも調べてみる」
『全然いーよ。じゃ、また明日学校で』
電話を切り、早速メールを確認する。
省吾からの情報は解りやすく資料に纏められていた。
名前は甘音美優か。名前の漢字可愛いな。甘くてフワフワした雰囲気があの子に似合ってる。
住所は並木区か、俺は送られてきた住所をPCに入力して地図を確認する。
あー、なるほど。美優は久遠グループのお嬢さんだったんだ。名字が違うから直ぐ気付かなかった。
久遠グループは大手美容クリニックだ。開業からはまだ2代目程で若いクリニックだけれど急成長して全国展開している。
美優の母親が創業者の娘で、省吾が言ってた従兄ってのが創業者の息子の子供か。
久遠大智。従兄で美優の1つ年上。美優を虫から守ってくれてるのは有難いけど、従兄は法律上婚姻が可能だ。そんな奴が美優の周りにいるのはかなりムカつく。
こいつは要注意だな。カタカタとPCの要注意リストに入力していていく。
弟は甘音伊織。美優の1つ年下。一つ屋根の下に男が居るとか…やっぱ弟でもムカつくな。美優を虫からガードしてるってのは、家族としてなのか女性としてなのか…もしかしたら一番厄介なのはこいつかもしれない。
伊村由妃。昨日美優と一緒にいた読モの子だ。顔やスタイルは確かに良いと思うけど特段惹かれなかった。それより美優と手を繋いで歩いていた事に引っ掛かる。やけに距離感が近い雰囲気だったな。
その他、省吾の送ってくれた情報を元に自分で調べながら美優の個人情報を完璧に仕上げていく。
ふと生年月日が目にとまった。
1月22日、俺の誕生日と近いな。何気なくカレンダーを見ると1週間違いだった。星座を調べようと誕生日を入力した所、検索上位に記念日が表示された。
「ショートケーキの日…」
1月15日 苺の日。俺の誕生日。
1月22日 ショートケーキの日。美優の誕生日。
昨日みた美優のパンツを思い出す。
色白の太股と、真っ白なレースのパンツの中央に赤いリボンがちょこんと付いていた。なんだかそれがショートケーキみたいで印象的だった。
女の子のパンツなんて何回も見ているのに、ガキみたいに目が釘付けになってドキドキしてしまった。
普段セフレが身に付けている赤や黒の大人っぽい下着と違うからドキドキしたのかと思って、昨日セフレに白い下着を着てもらったけれど全然興奮しなかった。
誕生日までショートケーキだなんて…。
運命とか今までクソみたいだと思ってたけど、これは紛れもなく‘運命’だ。
俺のショートケーキちゃん。
「あー、あの読モの子?」
「その隣に居た子」
「えぇ?なんか小っちゃい子が居た気がするけど、顔とかよく覚えてないな」
「調べといて」
「……蓮、たまに味変したい気持ちは解るけど、あの子はそういうタイプの子じゃないと思うよ?大人しそうな雰囲気だったよね?」
「セフレじゃ…ない」
「は?なに…どういう意味?」
「なんか…気になる…から」
「はぁ?!なに、なに、なんで!?」
「ウルサイ。いーだろ、別に」
「うわっ…一目惚れってやつ?ヤバッ、ついに蓮が恋に落ちた…。よし!解った。並木中の知り合いに頼んで調べてみるよ」
「…頼んだ」
「ってかさ、蓮がその気になれば自分で調べられるでしょ?1時間もあれば個人情報なんて楽勝なのに、何で調べないの?」
「なんとなく…。とにかく頼んだからな。今夜迄に情報揃えて」
「鬼っ!鬼がいるっ!クソ~いつも人使い荒いんだからっ!」
ギャーギャー文句を言いながらも、省吾ならきっちり希望に応えてくれる事を知っている。
勿論自分で調べたらもっと早い。
そこそこのセキュリティなら簡単にハッキングできる。ただ、名前やプロフィール、写真等々、情報を知りすぎてしまうのが厄介だ。
特に彼氏が居るかどうか…まだ知りたくなかった。
はぁ…昨日の夜からずっとこんな感じだ。
なぜか美優の顔が頭から離れない。
ーーーーーーーーーーーーーー・・・
夜、約束通り省吾から連絡が来た。
『おつー。調べ終わったよー』
「サンキュ。」
『甘音美優ちゃん、並木中の2年で同い年。彼氏は居ないって。詳しくはメールで情報送ったから見といて』
「わかった。助かるよ」
『美優ちゃんさー…』
「名前、呼ばないで」
『は?…なに、もしかして嫉妬?!』
「いいから。名字な」
『はいはい。甘音ちゃんさー、ちょっと手強いかもよ?』
「何で?」
『ちょっ…苛々するのやめてよ。電話越しにその声マジで怖い』
「理由、早く」
『あーもう…。甘音ちゃんモテるのに今まで誰とも付き合った事ないの』
「美優の周りにロクな男が居なかっただけだろ?」
『あ…自分は名前呼びなんだ』
「は?」
『はは、冗談だって~。で、話を戻すけどさ、甘音ちゃんの周りのガードが固いみたいで、誰も告白できないみたいよ?』
「周りのガードってあの読モの子?」
『そうそう読モの子と、あとは従兄と弟の3人が…』
「従兄と弟?」
『だから、いちいちキレた声出すのやめてくれる?!』
「でも、ある意味感謝かな。美優がまだ誰とも付き合った事無いって…嬉しいかも」
『ツンとデレが激しいな…』
「は?」
『いや、マジですみません』
「とにかく、調べてくれてサンキューな。あとは自分でも調べてみる」
『全然いーよ。じゃ、また明日学校で』
電話を切り、早速メールを確認する。
省吾からの情報は解りやすく資料に纏められていた。
名前は甘音美優か。名前の漢字可愛いな。甘くてフワフワした雰囲気があの子に似合ってる。
住所は並木区か、俺は送られてきた住所をPCに入力して地図を確認する。
あー、なるほど。美優は久遠グループのお嬢さんだったんだ。名字が違うから直ぐ気付かなかった。
久遠グループは大手美容クリニックだ。開業からはまだ2代目程で若いクリニックだけれど急成長して全国展開している。
美優の母親が創業者の娘で、省吾が言ってた従兄ってのが創業者の息子の子供か。
久遠大智。従兄で美優の1つ年上。美優を虫から守ってくれてるのは有難いけど、従兄は法律上婚姻が可能だ。そんな奴が美優の周りにいるのはかなりムカつく。
こいつは要注意だな。カタカタとPCの要注意リストに入力していていく。
弟は甘音伊織。美優の1つ年下。一つ屋根の下に男が居るとか…やっぱ弟でもムカつくな。美優を虫からガードしてるってのは、家族としてなのか女性としてなのか…もしかしたら一番厄介なのはこいつかもしれない。
伊村由妃。昨日美優と一緒にいた読モの子だ。顔やスタイルは確かに良いと思うけど特段惹かれなかった。それより美優と手を繋いで歩いていた事に引っ掛かる。やけに距離感が近い雰囲気だったな。
その他、省吾の送ってくれた情報を元に自分で調べながら美優の個人情報を完璧に仕上げていく。
ふと生年月日が目にとまった。
1月22日、俺の誕生日と近いな。何気なくカレンダーを見ると1週間違いだった。星座を調べようと誕生日を入力した所、検索上位に記念日が表示された。
「ショートケーキの日…」
1月15日 苺の日。俺の誕生日。
1月22日 ショートケーキの日。美優の誕生日。
昨日みた美優のパンツを思い出す。
色白の太股と、真っ白なレースのパンツの中央に赤いリボンがちょこんと付いていた。なんだかそれがショートケーキみたいで印象的だった。
女の子のパンツなんて何回も見ているのに、ガキみたいに目が釘付けになってドキドキしてしまった。
普段セフレが身に付けている赤や黒の大人っぽい下着と違うからドキドキしたのかと思って、昨日セフレに白い下着を着てもらったけれど全然興奮しなかった。
誕生日までショートケーキだなんて…。
運命とか今までクソみたいだと思ってたけど、これは紛れもなく‘運命’だ。
俺のショートケーキちゃん。
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