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本編
きっかけは…
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な…何が?!
そういえば初めて出会った時の印象もショートケーキって言ってたけど…。
「美優、もしかして俺の為にこの下着で来てくれたの…?あの日と同じパンツで?」
「はぁ!?っな…何言ってるの?!」
「美優と初めて出会った日、このパンツ穿いてたよね。美優のスベスベふわふわな太股はスポンジケーキみたいで、真っ白なパンツが生クリーム、真っ赤なリボンが苺みたいだなって思ったんだ」
な、な、な、何言ってるの?!この人!
『ショートケーキみたい』ってパンツの事?
パンツを見たのが好きになったきっかけってこと?!ファミレスで親切にしたのがきっかけじゃないの?!
っていうか、一年前と同じパンツだねって指摘されるの恥ずかし過ぎるっ!!物持ちが良くてごめんなさいね。でも、言い訳させて欲しい。このパンツはブランド物で特別な日に穿く勝負パンツみたいな存在なの!
って頭の中で言い訳しても意味ないんだけど…。
「最低っ!やっぱり別れるっ!!」
「まっ、待って美優!確かにきっかけはパンチラだけど…それからずっと美優を見てきて、美優の全てが好きになったんだ!」
腕の中から逃れようとする私を、相澤君はぎゅうぎゅう抱き締めて逃がさない。
「大体、ずっと見てたってなんなのよ?!」
「本当だよ、あの日から毎日美優の事見てた。毎日登下校を見守ってたんだよ」
「それストーカーだよね?!」
「愛だよ!!」
ダメだ。この人に何を言っても伝わらない。
『今日は爽やかで紳士的』なんて思った私が間違ってた。
「とにかく…離してっ!私帰るっ!」
「だっ…ダメっ!お願いっ!美優…帰らないで…俺、何だってするから…」
「じゃあ別れて!」
「別れるの以外で!お願い…お願い美優…」
ポロポロと相澤君はまた泣き出してしまう。
悲痛な表情は、まるで私が苛めているみたいで困る。
「もぅ…何で泣くのよぉ…ズルい」
「だって美優が…」
相澤君はぎゅうぎゅうと私を抱き締めながら、私の肩に顔を埋めて泣きじゃくる。
吐息が首筋に当たり、涙が肩を濡らす。
「私のどこがそんなに気に入ってくれたの?相澤君の周りにはもっと可愛い女の子いっぱいいるでしょう?」
「…美優が初めてなんだ…」
「え?」
「人を好きになったの…美優が初めてなんだ。」
「だって元カノさんは…?」
「また軽蔑されちゃうかもしれないけど…あれは遊び友達っていうか…付き合ってはいない。」
「でも身体の関係はあるんだよね?」
肩口でコクリと相澤君が頷いた。
「好きでもない人とエッチできるの?」
「…っ…あの頃は…してた。けど!美優を好きになってからセフレも女友達も全部切ったよ!今は美優しか抱きたくない…」
「………」
「この一年間、美優を見てきて毎日毎日どんどん好きになった。美優は誰にでも優しくて、いつも笑顔で…美優を見てると俺も幸せな気持ちになった。でも、その内美優が人に親切にしたり優しくするのを見て…俺だけにその笑顔を向けて欲しいって、独り占めしたいって…毎日苦しくなった。今も苦しい…大好きな美優に嫌われたら…生きていけない」
「相澤君……」
項垂れていた相澤君が不意にパッと顔を上げて、至近距離で見つめられる。
「甘音美優さん、好きです。大好きです。俺はもう美優がいなきゃ…ダメです。本当に、本当に愛してる。俺の全てを美優にあげる。だから、受け取って欲しい」
「ぁ…えっ…」
「本当は美優の全部が欲しい。独り占めしたい。でも…今はまだ美優の気持ちが俺に無いってわかってる…。ちょっとでもいいから…俺を見て欲しい。それで、できれば俺を好きになってくれたら…嬉しい」
「…っ…」
「美優、愛してる」
ボッ!という音が聞こえてしまいそうなくらい、私の顔が赤くなるのが解る。
間近で絡み合う視線。
キスしてしまいそうなくらい近づいた唇に、息をするのも忘れてしまう。
「わた…わたし……あの…」
「美優、お願い…(仮)でいいから…。美優の側に居させて?」
「……ぁ…」
ダメっ、頷いちゃダメよ美優!
騙されないで?!相手は変態ストーカーなんだからっ!恋愛初心者のあなたが敵う相手じゃないわっ!
頭の中でもう一人の私が必死に警笛を鳴らす。
目の前には涙目でウルウル見つめてくるイケメンわんこ。
くっ…悔しいけど格好いいし可愛い。
あぁぁ~……っもう!
ダメ、ダメ、ダメ……負けちゃダメよ!!
ぁー…
脳内会議虚しく…
私はコクリと頷いていた。
そういえば初めて出会った時の印象もショートケーキって言ってたけど…。
「美優、もしかして俺の為にこの下着で来てくれたの…?あの日と同じパンツで?」
「はぁ!?っな…何言ってるの?!」
「美優と初めて出会った日、このパンツ穿いてたよね。美優のスベスベふわふわな太股はスポンジケーキみたいで、真っ白なパンツが生クリーム、真っ赤なリボンが苺みたいだなって思ったんだ」
な、な、な、何言ってるの?!この人!
『ショートケーキみたい』ってパンツの事?
パンツを見たのが好きになったきっかけってこと?!ファミレスで親切にしたのがきっかけじゃないの?!
っていうか、一年前と同じパンツだねって指摘されるの恥ずかし過ぎるっ!!物持ちが良くてごめんなさいね。でも、言い訳させて欲しい。このパンツはブランド物で特別な日に穿く勝負パンツみたいな存在なの!
って頭の中で言い訳しても意味ないんだけど…。
「最低っ!やっぱり別れるっ!!」
「まっ、待って美優!確かにきっかけはパンチラだけど…それからずっと美優を見てきて、美優の全てが好きになったんだ!」
腕の中から逃れようとする私を、相澤君はぎゅうぎゅう抱き締めて逃がさない。
「大体、ずっと見てたってなんなのよ?!」
「本当だよ、あの日から毎日美優の事見てた。毎日登下校を見守ってたんだよ」
「それストーカーだよね?!」
「愛だよ!!」
ダメだ。この人に何を言っても伝わらない。
『今日は爽やかで紳士的』なんて思った私が間違ってた。
「とにかく…離してっ!私帰るっ!」
「だっ…ダメっ!お願いっ!美優…帰らないで…俺、何だってするから…」
「じゃあ別れて!」
「別れるの以外で!お願い…お願い美優…」
ポロポロと相澤君はまた泣き出してしまう。
悲痛な表情は、まるで私が苛めているみたいで困る。
「もぅ…何で泣くのよぉ…ズルい」
「だって美優が…」
相澤君はぎゅうぎゅうと私を抱き締めながら、私の肩に顔を埋めて泣きじゃくる。
吐息が首筋に当たり、涙が肩を濡らす。
「私のどこがそんなに気に入ってくれたの?相澤君の周りにはもっと可愛い女の子いっぱいいるでしょう?」
「…美優が初めてなんだ…」
「え?」
「人を好きになったの…美優が初めてなんだ。」
「だって元カノさんは…?」
「また軽蔑されちゃうかもしれないけど…あれは遊び友達っていうか…付き合ってはいない。」
「でも身体の関係はあるんだよね?」
肩口でコクリと相澤君が頷いた。
「好きでもない人とエッチできるの?」
「…っ…あの頃は…してた。けど!美優を好きになってからセフレも女友達も全部切ったよ!今は美優しか抱きたくない…」
「………」
「この一年間、美優を見てきて毎日毎日どんどん好きになった。美優は誰にでも優しくて、いつも笑顔で…美優を見てると俺も幸せな気持ちになった。でも、その内美優が人に親切にしたり優しくするのを見て…俺だけにその笑顔を向けて欲しいって、独り占めしたいって…毎日苦しくなった。今も苦しい…大好きな美優に嫌われたら…生きていけない」
「相澤君……」
項垂れていた相澤君が不意にパッと顔を上げて、至近距離で見つめられる。
「甘音美優さん、好きです。大好きです。俺はもう美優がいなきゃ…ダメです。本当に、本当に愛してる。俺の全てを美優にあげる。だから、受け取って欲しい」
「ぁ…えっ…」
「本当は美優の全部が欲しい。独り占めしたい。でも…今はまだ美優の気持ちが俺に無いってわかってる…。ちょっとでもいいから…俺を見て欲しい。それで、できれば俺を好きになってくれたら…嬉しい」
「…っ…」
「美優、愛してる」
ボッ!という音が聞こえてしまいそうなくらい、私の顔が赤くなるのが解る。
間近で絡み合う視線。
キスしてしまいそうなくらい近づいた唇に、息をするのも忘れてしまう。
「わた…わたし……あの…」
「美優、お願い…(仮)でいいから…。美優の側に居させて?」
「……ぁ…」
ダメっ、頷いちゃダメよ美優!
騙されないで?!相手は変態ストーカーなんだからっ!恋愛初心者のあなたが敵う相手じゃないわっ!
頭の中でもう一人の私が必死に警笛を鳴らす。
目の前には涙目でウルウル見つめてくるイケメンわんこ。
くっ…悔しいけど格好いいし可愛い。
あぁぁ~……っもう!
ダメ、ダメ、ダメ……負けちゃダメよ!!
ぁー…
脳内会議虚しく…
私はコクリと頷いていた。
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