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ある日のこと、教室に入ると何やら騒がしい様子だった。

「何があったんだ?」

俺は近くにいた女子生徒に話しかけた。

「もうすぐ学園武道会が開催されるんだって! それで盛り上がってるのよ」

彼女は目を輝かせながら言った。学園武道会とは、年に一度行われる競技大会であり、学生たちが日頃の成果を発揮する場となっている。

「へぇ、面白そうだね!」

「毎年多くの学生が参加するのよ! 優勝すれば賞金が貰えるし、自分の力を試すこともできるからみんな張り切ってるの!」

彼女は興奮気味で話すと、さらに続ける。

「デウスくんも出場する予定なの? もし優勝できたら凄いね!」

彼女の言葉に俺は苦笑いした。自分が武道に向いているとは到底思えなかったからだ。しかし、せっかくの機会なので参加してみようと思った。

「うん、とりあえず頑張ってみるよ!」

俺の言葉に彼女は微笑んだ。そして手を振りながら去っていった。
放課後、俺は大会に備えてトレーニングを始めた。最初は基礎体力をつけるためにランニングから始めた。それから徐々に難易度を上げていくと、徐々に実力がついてきたように感じた。俺は嬉しくなってさらに練習に励んだ。
大会当日が近づいてきたある日のこと、俺は図書館で魔法の練習をしていた。これまで使ってきた魔法を復習し、新たな呪文を身につけるためだ。様々な本を読み漁り、自分に合った魔法を見つけていった。

「《超炎熱地獄》!!」

呪文を唱えると、地面から炎が噴き出した!成功だ。俺は喜びの声を上げると、次なる目標に向けて魔法を磨いていくのだった……。
数日後、ついに大会当日がやってきた。会場にはたくさんの学生たちが集まっていた。皆闘志を燃やしているようで、既に火花が飛び散っているようだった。俺は自分の順番が来るまで控室で待機していた……しばらくしてアナウンスが流れてきた。

「エントリーナンバー11番デウスくん、舞台へ上がってください」

いよいよ出番がやって来た。俺は深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、力強く足を踏み出して舞台に向かった。会場の盛り上がりは最高潮で、歓声や拍手が巻き起こった! そしてついに闘技台の上に立つと、対戦相手が待っていた。彼は既に戦闘態勢に入っている……お互い真剣な目が交錯し合い、緊張感が高まったところで試合開始の合図が鳴った!

「行くぞっ!」

俺は勢いよく走り出し、相手に攻撃を仕掛けた。しかし彼も負けじと応戦してきた。激しい攻防が繰り広げられ、会場のボルテージが上がっていく!

「《闇影剣》!!」

俺は魔法を唱えた。すると相手の周りに漆黒の影が生まれ、彼を包み込んだ。そして彼の動きを封じると、一気に攻撃を仕掛けた!

「デウス選手、素晴らしい動きです! このまま押し切れるか!?」

実況が興奮気味に叫ぶと、会場はさらに盛り上がった!

「くっ……《超炎熱地獄」!!」

相手は苦し紛れに魔法を唱えたが……しかし、それは失敗だった。俺の魔法によって彼の体は炎に包まれ、そのまま倒れ込んでしまった。審判の判定は即座に下された。

「勝者デウスくん!」

その瞬間、会場から大きな拍手が巻き起こった!俺は喜びを感じながら舞台を降りると、笑顔で仲間達とハイタッチを交わした。
学園武道会は大盛況の中幕を閉じた。俺は優勝者として表彰され、賞金を貰った。そして多くの人に感謝されながら、この経験を胸に強く生きていこうと決意したのだった……

「お疲れ様! 優勝おめでとう!」

教室に戻るとエレナが出迎えてくれた。彼女の笑顔を見て俺も思わず笑顔になる。こうして俺の学園生活は充実したものになっていくのであった……。
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