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翌日、俺はアーガスの新たな名産品を考えていた。
「うーん……どうしようかな……」
俺が悩んでいると、アリスがお茶を淹れてくれた。そのお茶を飲みながら俺は考える。
(せっかくだからアーガスならではの名産品が欲しいんだよなぁ)
俺が悩んでいると、アリスが声をかけてきた。
「何かお悩み事ですか?」
「ああ、実は新しい名産品を作ろうと思っていてな……」
俺が相談すると、彼女は少し考えた後口を開いた。
「でしたら、ハーブなどはいかがでしょうか?」
「ハーブか。しかし、ろくに作物が育たないこの土地じゃ満足できるハーブは入手できないぞ?」
「実はアーガスの北にある雪山に幻のハーブと呼ばれるスノーハーブが自生しています。それなら名産品になるでしょう」
「そんなものがあるならどうして誰も取りに行かないんだ?」
「それが……雪山の魔物は強力な上に数も多いんです……」
「じゃあ、自力で行くしかないか……」
というわけで俺とアリスは雪山に向かうことになった。
「寒いな……」
俺たちは今スノーハーブの生息地に来ていた。辺り一面真っ白でいかにも寒そうな感じがする場所だ。しばらく歩いていると、目の前に洞窟のようなものが見えてきた。恐らくあそこが目的地だろう。
(よし……行くぞ)
俺は意を決して中に入ることにした。中は思ったよりも寒くはないようだ。しかし油断はできないので慎重に進んでいくことにしよう。そして数分歩いたところで目的の場所に辿り着いたようだ。そこには青白く輝く花が咲いていた。
「これがスノーハーブか……」
俺はその美しい花に見惚れながらも、採取するために手を伸ばした。だがその瞬間、洞窟の奥から何かが飛び出してきた。それは巨大な蛇のような魔物だった。どうやらこの洞窟の主らしい。
「邪魔をするというのなら容赦はしないぞ」
俺は剣を構えながらそう言った。すると蛇は雄叫びを上げながら襲いかかってきた。
「フレイム!」
俺が放った炎の一撃が巨大蛇の体を焼き尽くすと、奴は断末魔の叫びを上げながら倒れた。
「終わったか……」
俺は安堵のため息をつくと、スノーハーブを採取した。
「これでよしっと」
俺はカバンの中にスノーハーブを詰め込むと、その場を後にしたのであった。
◇
スノーハーブを使ったハーブティーは飛ぶように売れた。アーガスの特産品として人気になったようだ。
『30年くらい若返った気分だわ!』
『このハーブティーを飲んだら、にきびが奇麗さっぱり消えたわ!』
『肌の艶が戻ってきたし、体重も減ったのよ!』
館には世界中の奥様から感謝の手紙が山のように送られてくる。
「まさかこんなに売れるとはなぁ……」
「スノーハーブには美容効果があると言われていますから。女性の皆さんにとっては嬉しいものなのでしょう」
まあ確かに女性にとっては嬉しいものだろう。
「しかし、これでようやくアーガスも街らしくなってきたな」
「ええ、そうですね」
俺たちは笑い合った後、今後のことについて話し合うことにした。
「うーん……どうしようかな……」
俺が悩んでいると、アリスがお茶を淹れてくれた。そのお茶を飲みながら俺は考える。
(せっかくだからアーガスならではの名産品が欲しいんだよなぁ)
俺が悩んでいると、アリスが声をかけてきた。
「何かお悩み事ですか?」
「ああ、実は新しい名産品を作ろうと思っていてな……」
俺が相談すると、彼女は少し考えた後口を開いた。
「でしたら、ハーブなどはいかがでしょうか?」
「ハーブか。しかし、ろくに作物が育たないこの土地じゃ満足できるハーブは入手できないぞ?」
「実はアーガスの北にある雪山に幻のハーブと呼ばれるスノーハーブが自生しています。それなら名産品になるでしょう」
「そんなものがあるならどうして誰も取りに行かないんだ?」
「それが……雪山の魔物は強力な上に数も多いんです……」
「じゃあ、自力で行くしかないか……」
というわけで俺とアリスは雪山に向かうことになった。
「寒いな……」
俺たちは今スノーハーブの生息地に来ていた。辺り一面真っ白でいかにも寒そうな感じがする場所だ。しばらく歩いていると、目の前に洞窟のようなものが見えてきた。恐らくあそこが目的地だろう。
(よし……行くぞ)
俺は意を決して中に入ることにした。中は思ったよりも寒くはないようだ。しかし油断はできないので慎重に進んでいくことにしよう。そして数分歩いたところで目的の場所に辿り着いたようだ。そこには青白く輝く花が咲いていた。
「これがスノーハーブか……」
俺はその美しい花に見惚れながらも、採取するために手を伸ばした。だがその瞬間、洞窟の奥から何かが飛び出してきた。それは巨大な蛇のような魔物だった。どうやらこの洞窟の主らしい。
「邪魔をするというのなら容赦はしないぞ」
俺は剣を構えながらそう言った。すると蛇は雄叫びを上げながら襲いかかってきた。
「フレイム!」
俺が放った炎の一撃が巨大蛇の体を焼き尽くすと、奴は断末魔の叫びを上げながら倒れた。
「終わったか……」
俺は安堵のため息をつくと、スノーハーブを採取した。
「これでよしっと」
俺はカバンの中にスノーハーブを詰め込むと、その場を後にしたのであった。
◇
スノーハーブを使ったハーブティーは飛ぶように売れた。アーガスの特産品として人気になったようだ。
『30年くらい若返った気分だわ!』
『このハーブティーを飲んだら、にきびが奇麗さっぱり消えたわ!』
『肌の艶が戻ってきたし、体重も減ったのよ!』
館には世界中の奥様から感謝の手紙が山のように送られてくる。
「まさかこんなに売れるとはなぁ……」
「スノーハーブには美容効果があると言われていますから。女性の皆さんにとっては嬉しいものなのでしょう」
まあ確かに女性にとっては嬉しいものだろう。
「しかし、これでようやくアーガスも街らしくなってきたな」
「ええ、そうですね」
俺たちは笑い合った後、今後のことについて話し合うことにした。
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