2 / 6
第2話 勇者候補生の少年と魔法剣ヘルズフレイム
しおりを挟む
――転生してから10年の月日が経った。
そりゃ色々な事がありましたが……びっくりしたのが、何故か僕の作る武器や防具『喋る』んです。もっと正確に言うのならば宿っているんです。神だろうが悪魔だろうが僕の作成する物体には何かが宿る。
あとこの異世界サイラーンへ来てから変わったのが、僕女の子になっていました。金髪はストレートのロングヘアになり、声も完全に女の子の様になり男の象徴であるあれはなくなり、代わりとばかりに大きめの胸が生えています。最初は死ぬほど困惑しましたが、今ではもう気にもとめていません。慣れって恐ろしいですね。
今はクレイシア王国にお店を開きました。レイスの武具工房という武具店の主人をやっています。
今は朝の時間帯なのでお客は来ません。暇なのでカウンターにある回転式の椅子に座って暇を潰しています。
『なぁ、おいレイス』
「暇ですねぇ」
『朝だからな!』
「誰かお客さん来ないかなぁ」
『椅子の回転を止めろ! 無視すんな!』
「何ですか? スサノオさん? さっき刀身研いであげたでしょ?」
『ボケ爺扱いすんな!』
今喋っているのはカウンター左端に飾ってある黒刃のダガーナイフに宿っているスサノオというお爺さんだ。彼は長い白髪の仙人の様な出で立ちをしている。どうみてもお爺さんなのだが、彼は年寄り扱いされるのがすこぶる嫌らしい。
転生前に習得した筈の異能は全てなくなっており、今覚えているのは神憑《かみがか》りというへんちくりんな異能のみ。どうやら僕の異能は知らない内にこの異能に統合されてしまったらしいのです。
毎日とっても騒がしいです。まぁ、誰かが喋りだすと他の武具達は黙ってくれるのでそこは有り難いですけどね。
『レイス客が来るぜ? あの魔力だとガキだな。大方、勇者候補生の生徒だろうぜ』
「お客さん!? キタキタキター!」
店の木製のドアが開き、紫色の髪をした少年が入ってきました。上下紺色の服に剣の形をしたアクセサリーを左胸につけています。あれは王都にある勇者を養成する学校の生徒さんの証です。
何でも4年前魔王が復活しかけたとかで大騒ぎになり、対策の為に作ったのが勇者養成学校で、その生徒達が勇者候補生です。今現在も突如としてモンスターが各地で現れたりして大変らしいですよ。
「あの~、すいません。武器が欲しいのですが」
「あ、いや、すいません。ぼーっとしちゃって! どの様な武器がお好みでしょうか?」
「初心者向きの武器をお願いします」
「――初心者向きですか? ブロードソードなんか良いと思いますよ。まずはこれからって位にはスタンダードな武器です。ご予算はどの程度でしょうか?」
「5000アイゼル位です」
「なるほどなるほど、少々お待ち下さい」
僕は店に飾ってある武器の中から紅い鞘《さや》に金色の柄《つか》のブロードソードを持つとカウンターの前へと持っていく。
「こちらなどいかがでしょう? 4000アイゼルでお譲り致しますよ!」
「あ、あの! 噂を聞いたんです! 初代勇者に伝説の聖剣を作った鍛冶師がこの王都に居るって! それってお姉さんの事なんですよね!?」
「さぁ? 僕はしがない武具店の主人ですよー。それ以上でもそれ以下でもありません。どうしますか? 炎の精霊イフリートが宿った魔法剣ヘルズフレイムをお買上げになられますか?」
「魔法剣!? じゃ、じゃあやっぱり貴女が!?」
「何の事だかわかりませんねー」
「買います! 買わせてください!」
「まいどありー」
銀貨4枚を受け取り、少年に剣を手渡す。
「ありがとうございます! 聖剣の鍛冶師さん! 僕頑張ります!」
僕は少年に対し手を振ると彼はヘルズフレイムを抱えるようにして外へ出ていった。
『今まで世話になったな姉御』
「姉御って呼ばれるの未だに慣れませんね。彼をサポートして上げてくださいね。イフリート」
人間の形を模した火の塊が僕の前に現れ、一言言うと煙とともに姿がかき消えた。
そりゃ色々な事がありましたが……びっくりしたのが、何故か僕の作る武器や防具『喋る』んです。もっと正確に言うのならば宿っているんです。神だろうが悪魔だろうが僕の作成する物体には何かが宿る。
あとこの異世界サイラーンへ来てから変わったのが、僕女の子になっていました。金髪はストレートのロングヘアになり、声も完全に女の子の様になり男の象徴であるあれはなくなり、代わりとばかりに大きめの胸が生えています。最初は死ぬほど困惑しましたが、今ではもう気にもとめていません。慣れって恐ろしいですね。
今はクレイシア王国にお店を開きました。レイスの武具工房という武具店の主人をやっています。
今は朝の時間帯なのでお客は来ません。暇なのでカウンターにある回転式の椅子に座って暇を潰しています。
『なぁ、おいレイス』
「暇ですねぇ」
『朝だからな!』
「誰かお客さん来ないかなぁ」
『椅子の回転を止めろ! 無視すんな!』
「何ですか? スサノオさん? さっき刀身研いであげたでしょ?」
『ボケ爺扱いすんな!』
今喋っているのはカウンター左端に飾ってある黒刃のダガーナイフに宿っているスサノオというお爺さんだ。彼は長い白髪の仙人の様な出で立ちをしている。どうみてもお爺さんなのだが、彼は年寄り扱いされるのがすこぶる嫌らしい。
転生前に習得した筈の異能は全てなくなっており、今覚えているのは神憑《かみがか》りというへんちくりんな異能のみ。どうやら僕の異能は知らない内にこの異能に統合されてしまったらしいのです。
毎日とっても騒がしいです。まぁ、誰かが喋りだすと他の武具達は黙ってくれるのでそこは有り難いですけどね。
『レイス客が来るぜ? あの魔力だとガキだな。大方、勇者候補生の生徒だろうぜ』
「お客さん!? キタキタキター!」
店の木製のドアが開き、紫色の髪をした少年が入ってきました。上下紺色の服に剣の形をしたアクセサリーを左胸につけています。あれは王都にある勇者を養成する学校の生徒さんの証です。
何でも4年前魔王が復活しかけたとかで大騒ぎになり、対策の為に作ったのが勇者養成学校で、その生徒達が勇者候補生です。今現在も突如としてモンスターが各地で現れたりして大変らしいですよ。
「あの~、すいません。武器が欲しいのですが」
「あ、いや、すいません。ぼーっとしちゃって! どの様な武器がお好みでしょうか?」
「初心者向きの武器をお願いします」
「――初心者向きですか? ブロードソードなんか良いと思いますよ。まずはこれからって位にはスタンダードな武器です。ご予算はどの程度でしょうか?」
「5000アイゼル位です」
「なるほどなるほど、少々お待ち下さい」
僕は店に飾ってある武器の中から紅い鞘《さや》に金色の柄《つか》のブロードソードを持つとカウンターの前へと持っていく。
「こちらなどいかがでしょう? 4000アイゼルでお譲り致しますよ!」
「あ、あの! 噂を聞いたんです! 初代勇者に伝説の聖剣を作った鍛冶師がこの王都に居るって! それってお姉さんの事なんですよね!?」
「さぁ? 僕はしがない武具店の主人ですよー。それ以上でもそれ以下でもありません。どうしますか? 炎の精霊イフリートが宿った魔法剣ヘルズフレイムをお買上げになられますか?」
「魔法剣!? じゃ、じゃあやっぱり貴女が!?」
「何の事だかわかりませんねー」
「買います! 買わせてください!」
「まいどありー」
銀貨4枚を受け取り、少年に剣を手渡す。
「ありがとうございます! 聖剣の鍛冶師さん! 僕頑張ります!」
僕は少年に対し手を振ると彼はヘルズフレイムを抱えるようにして外へ出ていった。
『今まで世話になったな姉御』
「姉御って呼ばれるの未だに慣れませんね。彼をサポートして上げてくださいね。イフリート」
人間の形を模した火の塊が僕の前に現れ、一言言うと煙とともに姿がかき消えた。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる