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迷子になりました
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しおりを挟む今日も見知らぬ見慣れてきつつある天井を睨み目を覚ます。
突然この世界に来て5日が過ぎだ。
普通に働いて普通に過ごして1日が終わり朝になる。
住込みだから行動範囲が店の表と裏庭だけだから自分の置かれた状況がよく理解できてない気もする。
散歩していいか聞いてみようかな?仕事に慣れて休憩時間も余裕ができてるしそれにその方がジェリーのお昼寝の寝付きも良さそうだしビートに案内してもらえば色々聞きやすい。
今日の目標を決めたところで着替えのためにシャツのボタンに手をかける。
そう、あれから少しだけ装備が増えて俺はパジャマを手に入れていた。
一昨日の夜にベットに入ってすぐクラウスが部屋にやって来て黒のTシャツを2枚買ってきてくれた。
下着1枚だったから服を着るのに少しだけ待たせてしまったのでつい
「寝る時に使います」と言ったら「昼にシャツの下に着ろ。寝間着がいるならまた買ってくる」と何故か着る場面を指定された。しかもパジャマをさらに新しく買うと言われ申し訳なくて「じゃあクラウスさんの着ない服を1枚下さい」と強請ってみた。
クラウスは少し考えてから自分の部屋に招き入れるとベットの上に何枚かシャツを出してくれ「この中に着れるのがあるか」と聞いてくれたのだけどなんだかつやつやしてて肌触りが良くて高そうなものばかりだった。しかも中には豪華なフリルの付いたのもある。
「着ないものはないのでしょうか」
「どれも殆ど着ないやつだから全部でもいい」
全部もらっても大きすぎて普段使いにできなさそうなので1番シンプルな物を1枚貰う事にした。
それがこのパジャマだ。
肌触りも抜群でおかげで裸で眠らずにすんでいる。しかもなんとこの1枚で膝まで隠れてしまうすぐれものだ。チクショウ!まだ18だ!まだ伸び代があるはずなんだ!
クラウスの分厚い胸板を思い出し1人悔しがりながら着替えをすませ階下に向かった。
「おはようございます」
「おはようトーヤ」
赤い箱の中の札を確認する。今日は8枚。書いてある文字で分ける
「4-2-1-1。カウンターに2席ですか?」
「いや、カウンターは1つでいい……って読めるのか?」
マートが驚いて近づいてきた。
「同じもので分けただけですよ。合ってますか?」
「おお、完璧だ。」
マートが頭をガシガシ撫でてくれる。嬉しいけど髪がぐちゃぐちゃになる。札読みが合っていたのと褒められたので気分が上がるチョロい俺。
テーブルをセッティングして珈琲と紅茶と果実水を準備していると今日の一番乗りはジルベルト達だった。
「おはようございます。」
俺が挨拶をするとみんなも返してくれるのだけど
「おはようトーヤ。今日も可愛いね。」
「わっ!」
オレンジ頭のロウにまた今日もハグチューされた。せっかく上がった気分が下がる。
「ほらほらトーヤも」と自分の頬を指差してくる。
「僕は挨拶でそんな事する習慣はありません」
にっこり笑ってきっぱりお断りだ!何を好き好んで自分よりでかいしかも男にしなきゃいけないんだ。俺は日本人だから挨拶は会釈だけで充分だ。
「え~ジェリーにはしてるじゃん!ずるい~~俺にもして!」
ロウが腰にスルリと手を回してくる。
「ジェリーくらい小さく可愛くなったらしてあげますよ」
ほらほら邪魔しないで下さい。とロウの手から逃げてカウンターにお皿を取りに言った。
「毎朝めげないな」
と栗毛のレオン
「だって俺らが戻る頃にはもうねちゃってるから朝しか会えないんだもん。は~付き合ってくれないかなぁ」
「すっぱりさっぱり袖にされてるのに?」
「そうは言ってもアプローチしなきゃなんも始まらないし~~シリルもそう思わない?」
「『とまりぎ』を追い出されるような真似はやめてくれ。俺はここが気に入っている」
「え~~そんなぁ」
なんだか賑やかなテーブルに朝食を運ぶ。
残りの宿泊客が同時に降りてきて少しバタバタするけれどこういう時はカウンターのクラウスを後回しにしていいとマートさんに言われている。
お客さんに朝食を運び終えるとクラウスのコップが空だったのでほったらかしのお詫びにいつも飲む珈琲を注いだ。
「ああ、悪いな」
「いいえこちらこそ」
すると後から腰をホールドされた。ロウだ。
「トーヤ、クラウスさんにだけ珈琲ずるい。俺にも注いで」
4人の中では1番身長は低いけどそれでもやっぱり190センチ以上あるので顔を見上げると首が痛い。
「危ないですよ、離してください。離してくれたら淹れてあげますよ。」
だってこのポット保温が効いてていつまでも淹れたてのような熱さが保たれているのだ。
そう言うと素直に離れてくれたのでロウにも珈琲を注ぐついでにおかわりのいる他のお客さんにもついで回った。
ポットをカウンターに戻してなんとなくクラウスの隣に立つ。すると
「お前あーいうの嫌なら嫌ってちゃんと言え」
とクラウスに言われた。
「あーいうのってロウさんですか?ちょっとスキンシップが多いですけど大丈夫ですよ?それより……」
「それより?」
「いえ、何でもありません」
にっこり笑ってごまかした。うん、大した事じゃない。俺の思い込みかも知れないし。
みんなが食事を終える頃ジェリーとビートが食堂に入ってくる。
「トーヤおはよう」
「おはようビート、ジェリー」
「にーちゃおはよ~」
迷わずのハグチューだ。もちろんビートにも。ふふっ真っ赤になって可愛い。あれ?これロウと一緒?
「ビート、僕ビートにセクハラしてる?」
「なんだよセクハラって」
「ハグチュー嫌なら言って……」
俺が悲しそうに言うとほっぺを擦りながら
「ハグはいいけどチューはやめろ」
と言われた。やっぱり嫌だったんだ!俺とんだセクハラ野郎だった。
「子供扱いしてごめんね。明日からはがまんする」
代わりにジェリーにいっぱいハグチューした。
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