9 / 64
天を仰ぐ
しおりを挟むぴくぴくとイキ過ぎて腹が痙攣しているシズカ。やり過ぎた、自覚は…ある。
「…りお、」
「ん、水飲めるか?」
変態と可愛く罵りながらも、どこもかしこも敏感で肌に触れる度にびくりと体を跳ねさせて喘いでいたシズカも悪い。俺が全面的に悪いけど、シズカも、少しだけ悪い。
ぴったりと閉じた後ろも解す事が出来た。
初めてはどうしても辛いだろうから。ゆっくりと時間をかけて解していくしかないな、と自分の性器を見つめた。
もう少し小さくても、いや、細くても良かったかもしれない。そうしたらシズカに入れるまでの時間が短くなったかもしれないのに。そんな馬鹿みたいな事まで考えてしまう。
くたりとしているシズカを支えて口移しで水を飲ませる。
「ん、んぅッ」
はぁ、可愛い。
まだ羞恥心が強いのか、服を着ていない裸体を隠すように横向きに丸まるその姿は後ろから見れば無防備で、解すのに使った香油が腿まで垂れて誘っている。
「シズカ、ちょっと待ってて。」
とりあえずシーツをかけてその場を離れようとすれば待ったがかかる。
「りお?どこかいっちゃうの?」
「行かないけど、抜いてくる。シズカの濡れた体、見るだけで勃つ。」
これ見て平常心でいられたら、男じゃねぇ。
本人はもう眠そうにうとうとと微睡んでいるのがまた可愛い。
「、やあ」
「少しだけ待ってな?終わったらいっしょに風呂入ろ。」
「やぁ、置いていかないで…」
「置いてくわけねぇだろ?」
はぁ、可愛い過ぎて心臓止まりそう。
眠りとの狭間で幼くなっているのか、普段聞き分けが良いというか、置いてかないでなんて言わないが我慢しているのか。
伸ばされた腕を取ってシーツごと抱き締める。
「シズカ、ちょっとだけ。たぶん、直ぐだから。」
流石にというか何というか目の前で擦るのは憚れる。
「おいてっちゃ、いや」
「置いてくわけがない。」
少しでもシズカが不安になるならやめよう。
シズカの可愛さには誰も勝てない。
そう言えば驚くほどにきつく抱きついてくる。
いつもシズカは口ではぎゅ、と言うけど手はほぼ添えるだけだ。そんなシズカが放すまいと言うように俺の背に腕を回してぎゅうぎゅう締め付けるから。それが嬉しすぎてシズカの頬に吸い付いた。
引っ付いてると自然に気づいてしまうそこの膨らみ。シズカも例外になく、俺のそこをとろりとした顔で擦ってくる。
「こらこらこら。」
「、だめ?」
「駄目なわけがない。」
この小悪魔め。これは、意識がハッキリとしたら羞恥で落ち込むかもなぁ。止めといた方がいいだろう。だが、こんな小悪魔なシズカを前にして引き下がれない。
ふふっと笑いながらシーツごと倒れ込んであろうことか俺の腰に掴まって…
スヤスヤと寝息を立てるシズカに本気で天を仰いだ。
「小悪魔め…次は覚えてろよ?」
長い前髪を手櫛でといて、頬を指で突く。
浄化の魔法で綺麗にしてから、目に毒なシズカの裸体にもう一度シーツを巻き直して、大切に抱き締めて一緒に眠ることにした。眠れるかは解らねぇけど。
「はよ。夜だけど。」
パチリとその瞳を開いてこちらを凝視。スッと視線を外して、僅かに下へ下がってシーツへ潜り、また戻って此方を伺い見る。自分が裸な事にも気がついたのか、ぽぽぽっと音がするかのように赤面しする。
「あぁ、可愛い。」
額に口づけをして、上へ引き上げる。
「おはよう、ございます…」
「ふは!何で敬語?」
「リオ怒ってない…?」
「あんなんで怒らない。ってか、俺が怒られるべき。がっつき過ぎた俺が全面的に悪い。」
…シズカが可愛いってのにも責任はあるけど。
「寝ちゃってごめんね?」
「ちゅーしてぎゅーしてくれたら許す。」
「…ぎゅ。…ちゅうは、して?」
「鼻血でそ。」
昼過ぎから触れあって、今は夜。微妙な時間になってしまった。
綺麗にはなっていたが、気持ち的に風呂へ入った。もちろん今度は性的には触らずに。
夕食は時間停止かけていたものを一緒に摘まんで、昼寝をしたシズカは眠くないからと肩にいるメルロを時折撫でながらこの国の歴史書を読んでいる。あの聖女は積極的に文字の勉強をしていると噂されていたが…シズカは初日から文字が読める。今は昼間に書き取りも練習していると話しており、真面目で良い子で見ていて心配になる。
読書が終わったのか、日課になったメルロの事が書いてある本。解明されていない事も多くファンタジー仕様ではあるが、シズカはメルロを知ろうと必死なのだ。
「メルさん、メルさんはこの月見草を食べると知恵が上がるって書いてありますけど…」
『ムイッ』
「やっぱりもうかなり頭良さそうだし、沢山食べたんですか?」
『ムムイッ』
「美味しいんですか?月見草…この本には月明かりを留めて光る別名夜光草って書いてありますけど…」
夜光草…緑っぽく光る雑草か。
「眠くないなら見に行くか?」
「え?」
「夜のピクニック、行かねぇ?」
「わぁ…リオは、眠れた?眠くない?」
行きたそうなのに気遣う辺りが素直に凄いと思う。そもそもそんなに寝なくても問題はない種族だが、寝ずに寝顔を眺めてたと伝えたらまた変態呼ばわりされるだろうか。
「ん。大丈夫。夜食に何か作って行くか。」
「わぁ。夜のピクニックなんて初めて。温かい飲み物も入れるね?…メルさん、夜光草あると良いですね?」
『ムイムイッ!』
応援ありがとうございます!
23
お気に入りに追加
3,321
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる