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「……解せません」
ある日の朝食時。
ルアーノは眉間に深い皺を寄せ、手元のスプーンを睨みつけていた。
「どうした、ルアーノ。スープが気に入らないか?」
向かいに座るギルバートが、心配そうに声をかける。
彼は最近、ルアーノの顔色が少しでも曇ると、即座に「魔獣の襲撃か?」「王都からの刺客か?」と過剰反応する傾向にあった。
「いいえ、味は完璧です。問題なのは、私の身体機能(スペック)です」
ルアーノは溜息をついた。
「ここ数日、朝起きると軽い目眩がし、食欲係数が通常の0.7倍に低下しています。さらに、特定の匂い(特にアレクセイ殿下が送ってきた泥付き野菜)を嗅ぐと、嘔吐中枢が刺激されるのです」
「……なんだと?」
ギルバートの顔色が変わる。
バリン! と音を立てて、彼の手元のグラスが凍りついた。
「まさか、毒か? 何者かが食事に毒を盛ったのか!?」
「落ち着いてください。毒検知の魔導具は反応していません。……私の計算が正しければ、これは病気ではなく……」
ルアーノは自身の腹部に手を当てた。
「『新たな命の生産ライン』が稼働し始めた可能性があります」
「……は?」
「つまり、妊娠の兆候です」
時が止まった。
ギルバートは凍りついたグラスを持ったまま、彫像のように固まった。
「……に、妊娠?」
「はい。心当たりは……ええと、過去3ヶ月の『夜の営み』の回数と確率を計算すると、98%の確率でヒットしています」
「心当たりしかないが……いや、そうじゃなくて!」
ガタッ!
ギルバートは椅子を蹴倒して立ち上がり、ルアーノのそばに瞬間移動した。
そして、恐る恐る彼女のお腹に手を伸ばす。
「こ、ここに……俺と君の子が?」
「まだ豆粒サイズでしょうけど。……ギルバート様、手が震えていますよ。照準が定まっていません」
「当たり前だ! 未知の事態だぞ! 魔獣の群れと戦うより緊張する!」
最強の魔術師が、冷や汗をダラダラ流している。
その様子を見て、ルアーノはようやく小さく笑った。
「……ふふっ。貴方でも取り乱すことがあるんですね」
「笑い事じゃない。……ありがとう、ルアーノ」
ギルバートは膝をつき、ルアーノのお腹に愛おしそうに頬を寄せた。
「君と、この子を、命に代えても守る。……ああ、どうしよう。嬉しくて魔力が暴走しそうだ」
「しないでください。家が凍ります」
***
その日の午後。
医師の診察により、妊娠3ヶ月であることが確定した。
そこから、ヴァレンティ商会(というよりギルバート)の暴走が始まった。
「ルアーノ! 歩くな! 絨毯の段差で転ぶ可能性がある!」
「……2ミリの段差ですよ?」
「念のためだ。『浮遊魔法(レビテーション)』!」
「きゃあっ!? 浮かせないでください! 仕事になりません!」
ギルバートは過保護の極みだった。
ルアーノがペン一本持とうとするだけで、「重い物は俺が持つ!」と飛んでくる。
執務室の温度は常に「妊婦に最適」とされる22度に固定され、少しでも風が吹けば窓を氷で塞ごうとする。
「……ギルバート様。業務効率が著しく低下しています」
執務室で宙に浮いたまま(ギルバートの魔法で)、ルアーノが抗議する。
「安静が第一だ。仕事など俺がやる。君はそこで呼吸だけしていればいい」
「呼吸だけで黒字は出せません! いいですか、妊娠・出産も一つの『プロジェクト』です。適切な管理(マネジメント)を行えば、通常業務との両立は可能です!」
ルアーノは空中でファイルを取り出した。
『出産プロジェクト計画書』
・妊婦健診スケジュール
・栄養管理マニュアル(ミーナ監修)
・産休中の業務引き継ぎフロー
・ベビー用品の予算案
「見てください。全て計算済みです。……特にここ」
ルアーノが指差したのは『ベビー用品』の項目だ。
「ベビーベッド、服、おもちゃ……既製品を買うと高くつきます。よって、自社開発します」
「……また商売か?」
「当然です! 私が使って良かったものを『公爵令嬢の育児ブランド』として売り出せば、開発費を回収できるどころか、莫大な利益が見込めます!」
ルアーノの瞳がドルマークに輝く。
母になっても、その商魂は揺るがない。
「……たくましいな、君は」
ギルバートは呆れつつも、安堵したように笑った。
いつものルアーノだ。
守られるだけの弱い存在ではない。
「分かった。ただし、無理はしないという『契約』を追加で結んでもらうぞ」
「……善処します」
***
季節は巡り、いよいよ出産予定日。
ヴァレンティ商会の全従業員が、そわそわと落ち着かない日を過ごしていた。
「あだだだだだ……ッ!」
寝室。
ルアーノは陣痛の痛みに顔を歪めていた。
計算高い彼女でも、この痛みだけは「想定外の変数」だったらしい。
「痛い……! これは非効率です……! なぜ人間は卵生じゃないのですか……!」
「ル、ルアーノ! 頑張れ! 俺がついている!」
ギルバートが手を握るが、彼の方が顔面蒼白だ。
魔力の影響で、部屋のカーテンがカチカチに凍りついている。
「旦那様! 部屋を冷やさないでください! 産まれる赤ちゃんが風邪ひいちゃいます!」
助産師(ミーナが王都から拉致してきた名医)が怒鳴る。
「す、すまん! だが、ルアーノが苦しそうで……代われるものなら代わってやりたい!」
「無理な相談です! ギルバート様、邪魔なら外へ……!」
「いやだ! 立ち会うという契約だ!」
大騒ぎである。
ルアーノは痛みの合間に、深呼吸をして叫んだ。
「……ギルバート様! 私の手を握る握力が強すぎます! 骨折のリスクがあります!」
「ご、ごめん!」
「それと、助産師さん! 現在の進行状況(ステータス)は!? あと何分で『納品(出産)』完了予定ですか!?」
「の、納品!? ええと、あと30分くらいかと!」
「了解しました! ……ふぅーっ、ふぅーっ! 時間厳守(オンタイム)でお願いしますよ!」
分娩台の上でも、彼女は司令塔だった。
痛みに負けず、的確に指示を出し、夫の暴走を止め、現場をコントロールする。
そして。
「オギャァァァァァァ!!」
元気な産声が、屋敷中に響き渡った。
「う、生まれた……!」
ギルバートがへなへなと座り込む。
助産師が抱き上げたのは、元気な男の子だ。
「おめでとうございます! 旦那様似の、イケメン君ですよ!」
「……見せて」
ルアーノが手を伸ばす。
胸の上に置かれた小さな命。
壊れそうで、温かくて、重い。
「……初めまして、レオン」
ルアーノはそっと息子の頬に触れた。
その瞬間、彼女の頭の中から「損得」や「計算」が吹き飛んだ。
(……ああ。これはダメね)
ルアーノは涙ぐんだ。
(どんな宝石よりも、どんな権利書よりも……価値があるわ)
この子の笑顔一つで、全財産を投げ出してもいいと思える。
それはルアーノにとって、人生最大の「計算違い(嬉しい誤算)」だった。
「ルアーノ……よく頑張ったな。ありがとう」
ギルバートが涙目で二人を抱きしめる。
最強の魔術師が、ボロボロ泣いている。
「……泣きすぎですよ、ギルバート様。水分が失われます」
「うるさい。……愛してる。二人とも、世界一愛してる」
窓の外では、雪が降っていた。
しかし、部屋の中は春のように温かかった。
***
数日後。
執務室に復帰したルアーノ(早すぎる)は、ベビーベッドの横で電卓を叩いていた。
「……よし。おむつの交換サイクル、授乳間隔、全てデータ化完了です」
「……まだやってるのか」
ギルバートが呆れる。
「当然です。レオンは将来、この商会を継ぐのですから、今から帝王学を……」
「あー、はいはい」
ギルバートはルアーノから電卓を取り上げ、代わりにレオンを抱かせた。
「今は『ママ』の仕事に専念しろ。経営は俺が代行する」
「……頼もしいですね。では、任せましょうか」
ルアーノは腕の中の息子に微笑みかけた。
「聞きましたか、レオン? パパが稼いでくれるそうですよ。……今のうちに、おねだりの練習をしておきましょうね」
「キャッキャッ!」
レオンが笑う。
その笑顔は、将来の「大物」を予感させるものだった。
氷の魔術師と、計算高い悪役令嬢。
二人の遺伝子を受け継いだ最強の赤ちゃんの誕生により、ヴァレンティ家の騒がしくも幸せな日々は、ますます加速していくのだった。
ある日の朝食時。
ルアーノは眉間に深い皺を寄せ、手元のスプーンを睨みつけていた。
「どうした、ルアーノ。スープが気に入らないか?」
向かいに座るギルバートが、心配そうに声をかける。
彼は最近、ルアーノの顔色が少しでも曇ると、即座に「魔獣の襲撃か?」「王都からの刺客か?」と過剰反応する傾向にあった。
「いいえ、味は完璧です。問題なのは、私の身体機能(スペック)です」
ルアーノは溜息をついた。
「ここ数日、朝起きると軽い目眩がし、食欲係数が通常の0.7倍に低下しています。さらに、特定の匂い(特にアレクセイ殿下が送ってきた泥付き野菜)を嗅ぐと、嘔吐中枢が刺激されるのです」
「……なんだと?」
ギルバートの顔色が変わる。
バリン! と音を立てて、彼の手元のグラスが凍りついた。
「まさか、毒か? 何者かが食事に毒を盛ったのか!?」
「落ち着いてください。毒検知の魔導具は反応していません。……私の計算が正しければ、これは病気ではなく……」
ルアーノは自身の腹部に手を当てた。
「『新たな命の生産ライン』が稼働し始めた可能性があります」
「……は?」
「つまり、妊娠の兆候です」
時が止まった。
ギルバートは凍りついたグラスを持ったまま、彫像のように固まった。
「……に、妊娠?」
「はい。心当たりは……ええと、過去3ヶ月の『夜の営み』の回数と確率を計算すると、98%の確率でヒットしています」
「心当たりしかないが……いや、そうじゃなくて!」
ガタッ!
ギルバートは椅子を蹴倒して立ち上がり、ルアーノのそばに瞬間移動した。
そして、恐る恐る彼女のお腹に手を伸ばす。
「こ、ここに……俺と君の子が?」
「まだ豆粒サイズでしょうけど。……ギルバート様、手が震えていますよ。照準が定まっていません」
「当たり前だ! 未知の事態だぞ! 魔獣の群れと戦うより緊張する!」
最強の魔術師が、冷や汗をダラダラ流している。
その様子を見て、ルアーノはようやく小さく笑った。
「……ふふっ。貴方でも取り乱すことがあるんですね」
「笑い事じゃない。……ありがとう、ルアーノ」
ギルバートは膝をつき、ルアーノのお腹に愛おしそうに頬を寄せた。
「君と、この子を、命に代えても守る。……ああ、どうしよう。嬉しくて魔力が暴走しそうだ」
「しないでください。家が凍ります」
***
その日の午後。
医師の診察により、妊娠3ヶ月であることが確定した。
そこから、ヴァレンティ商会(というよりギルバート)の暴走が始まった。
「ルアーノ! 歩くな! 絨毯の段差で転ぶ可能性がある!」
「……2ミリの段差ですよ?」
「念のためだ。『浮遊魔法(レビテーション)』!」
「きゃあっ!? 浮かせないでください! 仕事になりません!」
ギルバートは過保護の極みだった。
ルアーノがペン一本持とうとするだけで、「重い物は俺が持つ!」と飛んでくる。
執務室の温度は常に「妊婦に最適」とされる22度に固定され、少しでも風が吹けば窓を氷で塞ごうとする。
「……ギルバート様。業務効率が著しく低下しています」
執務室で宙に浮いたまま(ギルバートの魔法で)、ルアーノが抗議する。
「安静が第一だ。仕事など俺がやる。君はそこで呼吸だけしていればいい」
「呼吸だけで黒字は出せません! いいですか、妊娠・出産も一つの『プロジェクト』です。適切な管理(マネジメント)を行えば、通常業務との両立は可能です!」
ルアーノは空中でファイルを取り出した。
『出産プロジェクト計画書』
・妊婦健診スケジュール
・栄養管理マニュアル(ミーナ監修)
・産休中の業務引き継ぎフロー
・ベビー用品の予算案
「見てください。全て計算済みです。……特にここ」
ルアーノが指差したのは『ベビー用品』の項目だ。
「ベビーベッド、服、おもちゃ……既製品を買うと高くつきます。よって、自社開発します」
「……また商売か?」
「当然です! 私が使って良かったものを『公爵令嬢の育児ブランド』として売り出せば、開発費を回収できるどころか、莫大な利益が見込めます!」
ルアーノの瞳がドルマークに輝く。
母になっても、その商魂は揺るがない。
「……たくましいな、君は」
ギルバートは呆れつつも、安堵したように笑った。
いつものルアーノだ。
守られるだけの弱い存在ではない。
「分かった。ただし、無理はしないという『契約』を追加で結んでもらうぞ」
「……善処します」
***
季節は巡り、いよいよ出産予定日。
ヴァレンティ商会の全従業員が、そわそわと落ち着かない日を過ごしていた。
「あだだだだだ……ッ!」
寝室。
ルアーノは陣痛の痛みに顔を歪めていた。
計算高い彼女でも、この痛みだけは「想定外の変数」だったらしい。
「痛い……! これは非効率です……! なぜ人間は卵生じゃないのですか……!」
「ル、ルアーノ! 頑張れ! 俺がついている!」
ギルバートが手を握るが、彼の方が顔面蒼白だ。
魔力の影響で、部屋のカーテンがカチカチに凍りついている。
「旦那様! 部屋を冷やさないでください! 産まれる赤ちゃんが風邪ひいちゃいます!」
助産師(ミーナが王都から拉致してきた名医)が怒鳴る。
「す、すまん! だが、ルアーノが苦しそうで……代われるものなら代わってやりたい!」
「無理な相談です! ギルバート様、邪魔なら外へ……!」
「いやだ! 立ち会うという契約だ!」
大騒ぎである。
ルアーノは痛みの合間に、深呼吸をして叫んだ。
「……ギルバート様! 私の手を握る握力が強すぎます! 骨折のリスクがあります!」
「ご、ごめん!」
「それと、助産師さん! 現在の進行状況(ステータス)は!? あと何分で『納品(出産)』完了予定ですか!?」
「の、納品!? ええと、あと30分くらいかと!」
「了解しました! ……ふぅーっ、ふぅーっ! 時間厳守(オンタイム)でお願いしますよ!」
分娩台の上でも、彼女は司令塔だった。
痛みに負けず、的確に指示を出し、夫の暴走を止め、現場をコントロールする。
そして。
「オギャァァァァァァ!!」
元気な産声が、屋敷中に響き渡った。
「う、生まれた……!」
ギルバートがへなへなと座り込む。
助産師が抱き上げたのは、元気な男の子だ。
「おめでとうございます! 旦那様似の、イケメン君ですよ!」
「……見せて」
ルアーノが手を伸ばす。
胸の上に置かれた小さな命。
壊れそうで、温かくて、重い。
「……初めまして、レオン」
ルアーノはそっと息子の頬に触れた。
その瞬間、彼女の頭の中から「損得」や「計算」が吹き飛んだ。
(……ああ。これはダメね)
ルアーノは涙ぐんだ。
(どんな宝石よりも、どんな権利書よりも……価値があるわ)
この子の笑顔一つで、全財産を投げ出してもいいと思える。
それはルアーノにとって、人生最大の「計算違い(嬉しい誤算)」だった。
「ルアーノ……よく頑張ったな。ありがとう」
ギルバートが涙目で二人を抱きしめる。
最強の魔術師が、ボロボロ泣いている。
「……泣きすぎですよ、ギルバート様。水分が失われます」
「うるさい。……愛してる。二人とも、世界一愛してる」
窓の外では、雪が降っていた。
しかし、部屋の中は春のように温かかった。
***
数日後。
執務室に復帰したルアーノ(早すぎる)は、ベビーベッドの横で電卓を叩いていた。
「……よし。おむつの交換サイクル、授乳間隔、全てデータ化完了です」
「……まだやってるのか」
ギルバートが呆れる。
「当然です。レオンは将来、この商会を継ぐのですから、今から帝王学を……」
「あー、はいはい」
ギルバートはルアーノから電卓を取り上げ、代わりにレオンを抱かせた。
「今は『ママ』の仕事に専念しろ。経営は俺が代行する」
「……頼もしいですね。では、任せましょうか」
ルアーノは腕の中の息子に微笑みかけた。
「聞きましたか、レオン? パパが稼いでくれるそうですよ。……今のうちに、おねだりの練習をしておきましょうね」
「キャッキャッ!」
レオンが笑う。
その笑顔は、将来の「大物」を予感させるものだった。
氷の魔術師と、計算高い悪役令嬢。
二人の遺伝子を受け継いだ最強の赤ちゃんの誕生により、ヴァレンティ家の騒がしくも幸せな日々は、ますます加速していくのだった。
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