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「――さて、ウィルヘルミナ嬢。そなたも心を落ち着けただろうか」
王宮の奥にある応接室。
重苦しい空気の中、国王陛下の低い声が響いた。
革張りのソファには、不機嫌そうな国王陛下と王妃殿下。
その隣には、まだ興奮冷めやらぬ様子のセドリック殿下と、オドオドと身を縮こませているリリィ様が座っている。
対面のソファに座るのは、私、ウィルヘルミナ一人だ。
「はい、陛下。大変落ち着いております。プロテインをシェイカーで振った後の泡立ちが収まるのを待つ時のように、静謐な心持ちですわ」
「ぷ……ぷろていん?」
「失礼、独り言です」
私は優雅に紅茶を啜った。
先ほどの大広間での婚約破棄騒動から一時間。
場所を変えての「話し合い」というわけだ。
通常なら、ここで婚約破棄された令嬢は泣いて縋るか、あるいは絶望して気を失うのが相場らしい。
けれど、私は違う。
私の頭の中は今、これから始まる新生活の『収支計画』で埋め尽くされているのだから。
「父上! こんな冷酷な女と話すことなどありません! さっさと国外追放なりなんなり命じてください!」
セドリック殿下が叫ぶ。
「黙らぬか、セドリック。公爵家との縁談を一方的に破棄したのだ。そう簡単にいくわけがなかろう」
国王陛下は頭痛を堪えるようにこめかみを押さえた。
そして、私に向き直る。
「ウィルヘルミナ嬢よ。息子の不始末、詫びよう。……だが、そなたにも非があったという話も聞く」
「はい、おっしゃる通りですわ」
私は即答した。
「え?」
「先ほども申し上げました通り、私は嫉妬深く、性格も歪んでおります。リリィ様の教科書を破いたのも、ドレスを汚したのも、すべて私の『悪役としてのあざとい演出』……いえ、不徳の致すところでございます」
本当はやっていない。
教科書が破れたのはリリィ様が居眠りしてよだれでふやかしたせいだし、ドレスの汚れは彼女がミートソースパスタを豪快にすする時に跳ねたものだ。
だが、ここで無実を証明して「じゃあ婚約継続で」なんて言われたら、私の人生(筋肉パラダイス計画)が終わってしまう。
ここは泥でも汚水でも被ってやる覚悟だ。
「そ、そうか……。認めるのだな」
陛下も拍子抜けした顔をしている。
「はい。つきましては、こちらの書類をご確認いただけますでしょうか」
私は懐から、先ほどの『婚約破棄同意書』とは別の、分厚い封筒を取り出した。
「なんだそれは」
「私の10年間に及ぶ、王子妃教育ならびに婚約者としての業務に対する『請求書』でございます」
「せ、請求書だと……?」
私は封筒から書類の束を取り出し、テーブルの上にドンッ! と置いた。
その厚さ、辞書並みである。
「ご覧ください。まず1ページ目。私が10年間で費やしたドレス代、化粧品代、及び宝石代。これらはすべて『王子の隣に立つため』に強要された出費ですので、全額請求させていただきます」
「なっ、貴族の娘なら着飾るのは当然だろう!」
殿下が噛み付いてくるが、私は冷ややかな視線で黙らせる。
「殿下。私は本来、動きやすいジャージ……いえ、簡素な衣服を好む女です。コルセットで内臓を圧迫されながら笑顔を振りまく苦痛、殿下にわかりますか? 腹筋運動の妨げになるんですよ?」
「ふ、ふっきん……?」
「次、5ページ目をご覧ください。『精神的苦痛に対する慰謝料』の内訳です」
私は指差し棒を取り出し(これも持参していた)、書類の一行を叩いた。
「項目A:セドリック殿下の自作の詩を聞かされる時間。週に3回、各2時間。計3000時間以上。時給換算で金貨500枚」
「ぶふっ!」
お茶を飲んでいた国王陛下が吹き出した。
「な、なんだと!? 僕の詩は素晴らしいと褒めていたじゃないか!」
殿下が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ええ、褒めましたわ。『業務』として。あの自己陶酔に満ちたポエムを笑顔で聞き続けるのが、どれほどの重労働か。ドラゴンと素手で戦う方がまだ楽ですわ」
「き、貴様ぁ……!」
「項目B:殿下の『俺って罪な男だよな』という勘違い発言に対する、相槌およびヨイショ料。こちらは精神的摩耗が激しいため、特別手当を加算しております」
「ぶふふっ!」
今度は王妃殿下が吹き出し、あわてて扇子で口元を隠した。
肩が震えている。
「項目C:リリィ様への『いじめ』の濡れ衣を甘んじて受け入れ、お二人の『悲劇の恋』を盛り上げた演出料」
そこまで言うと、リリィ様がおずおずと口を開いた。
「あ、あのぅ……ミーナ様……」
「なんでしょう、リリィ様」
「その……ごめんなさい。私、お肉料理が美味しいお店を知りたくて、王子に近づいただけなんです……」
「リ、リリィ!?」
殿下が驚愕の表情でリリィ様を見る。
「王宮のシェフのローストビーフが絶品だと聞いて……。でも、王子のお話が長くて、お肉が冷めちゃうのが悲しくて……」
リリィ様は涙目で訴えた。
なんてことだ。
この子も『食』に対する情熱を持つ同志だったとは。
「安心なさい、リリィ様。その件については、後ほど私の店でゆっくり語り合いましょう」
「えっ、お店……?」
「コホン!」
陛下が大きな咳払いをして、場の空気を戻した。
書類に目を通していた陛下の顔色は、ページをめくるごとに青ざめていく。
「……ウィルヘルミナ嬢よ。この請求額……本気か?」
「大真面目でございます。端数まで計算し尽くしております」
「国家予算のちょっとした事業費並みだぞ……」
「あら、10年間、未来の国母となるべく尽くした私の人生の対価です。これでも値引きしたつもりですが?」
私はニッコリと微笑む。
「もしお支払いいただけない場合……そうですね、この請求書の内訳を『セドリック殿下の恥ずかしい語録集』として新聞社にリークすることになりますが」
「は、払う!! 払うからそれだけは止めてくれ!!」
殿下が悲鳴を上げた。
「おい待てセドリック、王家の財布はお前の財布ではないぞ!」
「父上! 僕の『君の瞳はマボガニー色の沼だね』発言が世に出たら、僕はもう生きていけません!」
「……お前、そんなこと言ったのか」
陛下がドン引きしている。
私は畳み掛けるように言った。
「支払いは即金、一括でお願いいたします。小切手でも構いませんが、不渡りを出したら王城の門の前でスクワット1万回の刑に処します」
「わ、わかった。財務大臣を呼べ! すぐに用意させる!」
陛下が降参した。
勝利だ。
私の心の中で、ファンファーレが鳴り響く。
(勝った……! これで物件購入費、改装費、そして当面の牛肉代とプロテイン代が確保できたわ!)
数十分後。
重たい革袋と、王家のサイン入りの小切手を手にした私は、再び廊下を歩いていた。
足取りは羽のように軽い。
「さて、これで資金の不安はなくなった」
懐の重みが愛おしい。
これは単なる金ではない。
未来のマッチョたちを養うための『筋肉維持費』なのだ。
「待ってろよ、私の楽園!」
私は王宮の出口に向かって走り出した。
背後から、「待ってミーナ様! ローストビーフの話を詳しく!」というリリィ様の声が聞こえた気がしたが、今は振り返らない。
善は急げ。
筋肉は待ってくれないのだから。
こうして私は、莫大な手切れ金を元手に、実家である公爵家にも戻らず、そのまま下町へと直行したのである。
目指すは、目星をつけていた元冒険者ギルドの居抜き物件。
あそこなら、床が補強されているから、どれだけ重いバーベルを置いても大丈夫なはずだ。
私の第二の人生が、今、パンプアップと共に始まろうとしていた。
王宮の奥にある応接室。
重苦しい空気の中、国王陛下の低い声が響いた。
革張りのソファには、不機嫌そうな国王陛下と王妃殿下。
その隣には、まだ興奮冷めやらぬ様子のセドリック殿下と、オドオドと身を縮こませているリリィ様が座っている。
対面のソファに座るのは、私、ウィルヘルミナ一人だ。
「はい、陛下。大変落ち着いております。プロテインをシェイカーで振った後の泡立ちが収まるのを待つ時のように、静謐な心持ちですわ」
「ぷ……ぷろていん?」
「失礼、独り言です」
私は優雅に紅茶を啜った。
先ほどの大広間での婚約破棄騒動から一時間。
場所を変えての「話し合い」というわけだ。
通常なら、ここで婚約破棄された令嬢は泣いて縋るか、あるいは絶望して気を失うのが相場らしい。
けれど、私は違う。
私の頭の中は今、これから始まる新生活の『収支計画』で埋め尽くされているのだから。
「父上! こんな冷酷な女と話すことなどありません! さっさと国外追放なりなんなり命じてください!」
セドリック殿下が叫ぶ。
「黙らぬか、セドリック。公爵家との縁談を一方的に破棄したのだ。そう簡単にいくわけがなかろう」
国王陛下は頭痛を堪えるようにこめかみを押さえた。
そして、私に向き直る。
「ウィルヘルミナ嬢よ。息子の不始末、詫びよう。……だが、そなたにも非があったという話も聞く」
「はい、おっしゃる通りですわ」
私は即答した。
「え?」
「先ほども申し上げました通り、私は嫉妬深く、性格も歪んでおります。リリィ様の教科書を破いたのも、ドレスを汚したのも、すべて私の『悪役としてのあざとい演出』……いえ、不徳の致すところでございます」
本当はやっていない。
教科書が破れたのはリリィ様が居眠りしてよだれでふやかしたせいだし、ドレスの汚れは彼女がミートソースパスタを豪快にすする時に跳ねたものだ。
だが、ここで無実を証明して「じゃあ婚約継続で」なんて言われたら、私の人生(筋肉パラダイス計画)が終わってしまう。
ここは泥でも汚水でも被ってやる覚悟だ。
「そ、そうか……。認めるのだな」
陛下も拍子抜けした顔をしている。
「はい。つきましては、こちらの書類をご確認いただけますでしょうか」
私は懐から、先ほどの『婚約破棄同意書』とは別の、分厚い封筒を取り出した。
「なんだそれは」
「私の10年間に及ぶ、王子妃教育ならびに婚約者としての業務に対する『請求書』でございます」
「せ、請求書だと……?」
私は封筒から書類の束を取り出し、テーブルの上にドンッ! と置いた。
その厚さ、辞書並みである。
「ご覧ください。まず1ページ目。私が10年間で費やしたドレス代、化粧品代、及び宝石代。これらはすべて『王子の隣に立つため』に強要された出費ですので、全額請求させていただきます」
「なっ、貴族の娘なら着飾るのは当然だろう!」
殿下が噛み付いてくるが、私は冷ややかな視線で黙らせる。
「殿下。私は本来、動きやすいジャージ……いえ、簡素な衣服を好む女です。コルセットで内臓を圧迫されながら笑顔を振りまく苦痛、殿下にわかりますか? 腹筋運動の妨げになるんですよ?」
「ふ、ふっきん……?」
「次、5ページ目をご覧ください。『精神的苦痛に対する慰謝料』の内訳です」
私は指差し棒を取り出し(これも持参していた)、書類の一行を叩いた。
「項目A:セドリック殿下の自作の詩を聞かされる時間。週に3回、各2時間。計3000時間以上。時給換算で金貨500枚」
「ぶふっ!」
お茶を飲んでいた国王陛下が吹き出した。
「な、なんだと!? 僕の詩は素晴らしいと褒めていたじゃないか!」
殿下が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ええ、褒めましたわ。『業務』として。あの自己陶酔に満ちたポエムを笑顔で聞き続けるのが、どれほどの重労働か。ドラゴンと素手で戦う方がまだ楽ですわ」
「き、貴様ぁ……!」
「項目B:殿下の『俺って罪な男だよな』という勘違い発言に対する、相槌およびヨイショ料。こちらは精神的摩耗が激しいため、特別手当を加算しております」
「ぶふふっ!」
今度は王妃殿下が吹き出し、あわてて扇子で口元を隠した。
肩が震えている。
「項目C:リリィ様への『いじめ』の濡れ衣を甘んじて受け入れ、お二人の『悲劇の恋』を盛り上げた演出料」
そこまで言うと、リリィ様がおずおずと口を開いた。
「あ、あのぅ……ミーナ様……」
「なんでしょう、リリィ様」
「その……ごめんなさい。私、お肉料理が美味しいお店を知りたくて、王子に近づいただけなんです……」
「リ、リリィ!?」
殿下が驚愕の表情でリリィ様を見る。
「王宮のシェフのローストビーフが絶品だと聞いて……。でも、王子のお話が長くて、お肉が冷めちゃうのが悲しくて……」
リリィ様は涙目で訴えた。
なんてことだ。
この子も『食』に対する情熱を持つ同志だったとは。
「安心なさい、リリィ様。その件については、後ほど私の店でゆっくり語り合いましょう」
「えっ、お店……?」
「コホン!」
陛下が大きな咳払いをして、場の空気を戻した。
書類に目を通していた陛下の顔色は、ページをめくるごとに青ざめていく。
「……ウィルヘルミナ嬢よ。この請求額……本気か?」
「大真面目でございます。端数まで計算し尽くしております」
「国家予算のちょっとした事業費並みだぞ……」
「あら、10年間、未来の国母となるべく尽くした私の人生の対価です。これでも値引きしたつもりですが?」
私はニッコリと微笑む。
「もしお支払いいただけない場合……そうですね、この請求書の内訳を『セドリック殿下の恥ずかしい語録集』として新聞社にリークすることになりますが」
「は、払う!! 払うからそれだけは止めてくれ!!」
殿下が悲鳴を上げた。
「おい待てセドリック、王家の財布はお前の財布ではないぞ!」
「父上! 僕の『君の瞳はマボガニー色の沼だね』発言が世に出たら、僕はもう生きていけません!」
「……お前、そんなこと言ったのか」
陛下がドン引きしている。
私は畳み掛けるように言った。
「支払いは即金、一括でお願いいたします。小切手でも構いませんが、不渡りを出したら王城の門の前でスクワット1万回の刑に処します」
「わ、わかった。財務大臣を呼べ! すぐに用意させる!」
陛下が降参した。
勝利だ。
私の心の中で、ファンファーレが鳴り響く。
(勝った……! これで物件購入費、改装費、そして当面の牛肉代とプロテイン代が確保できたわ!)
数十分後。
重たい革袋と、王家のサイン入りの小切手を手にした私は、再び廊下を歩いていた。
足取りは羽のように軽い。
「さて、これで資金の不安はなくなった」
懐の重みが愛おしい。
これは単なる金ではない。
未来のマッチョたちを養うための『筋肉維持費』なのだ。
「待ってろよ、私の楽園!」
私は王宮の出口に向かって走り出した。
背後から、「待ってミーナ様! ローストビーフの話を詳しく!」というリリィ様の声が聞こえた気がしたが、今は振り返らない。
善は急げ。
筋肉は待ってくれないのだから。
こうして私は、莫大な手切れ金を元手に、実家である公爵家にも戻らず、そのまま下町へと直行したのである。
目指すは、目星をつけていた元冒険者ギルドの居抜き物件。
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