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「いらっしゃいませぇッ! 2番テーブル、マッチョ・オムライス一丁ォッ!!」
「イエッサー!!」
『カフェ・マッスル・パラダイス』のランチタイムは、戦場のような活気に包まれていた。
開店当初の閑古鳥が嘘のようだ。
今や店内は、貴族の奥様から下町の主婦、そして少し変わった趣味を持つ令嬢たちで満席である。
私はカウンターの中で、次々と入るオーダーを捌きながら、ほくそ笑んでいた。
(順調……あまりにも順調だわ)
レジの金庫は重くなり、スタッフの筋肉も労働によってパンプアップされ、まさに好循環(スパイラル)。
だが、そんな平和な午後、事件は起きた。
「……あのぅ」
入り口のドアベルが鳴り、一人の小柄な客が入ってきた。
深いフードを目深に被り、コソコソと周囲を警戒している。
(また『お忍び』のお客様かしら?)
レオナルド様の一件以来、変装して来店する客には慣れっこだ。
私は愛想よく声をかけた。
「いらっしゃいませ! お一人様ですか?」
「は、はい……」
その声に、私はピクリと眉を動かした。
聞き覚えがある。
か細くて、守ってあげたくなるような、鈴を転がすような声。
客はカウンターの端の席に座ると、恐る恐るフードを外した。
現れたのは、フワフワのピンクブロンドに、大きな垂れ目。
小動物のような愛くるしさ。
「……リリィ様?」
私は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
そう、そこにいたのは、私の元婚約者セドリック殿下の新しいお相手、男爵令嬢リリィ様だったのだ。
「あ、あうっ……! バ、バレてしまいましたか……!?」
リリィ様はビクッとして、慌てて手で顔を隠した。
「バレるも何も、その特徴的な髪色は王都で貴女様くらいですわ」
私は冷静に指摘する。
店内がざわついた。
「あれ、今話題のリリィ様じゃない?」
「えっ、あの『悲劇のヒロイン』の?」
「どうして悪役令嬢(ここ)の店に……?」
不穏な空気が流れる。
当然だ。
世間的には、私は彼女をいじめた「悪女」であり、彼女は私から王子を奪った「聖女」ということになっている(実際は私が捨てたのだが)。
まさに一触即発の場面。
ガロンさんが慌てて飛んできた。
「姐さん! どうする!? つまみ出すか!? 塩を撒くか!?」
「待ちなさい。お客様よ」
私はガロンさんを制し、リリィ様の前に水を置いた。
「ようこそお越しくださいました、未来の王子妃殿下。……まさか、私の店に『視察(カチコミ)』にいらっしゃるとは」
私は皮肉たっぷりに微笑んだ。
「嫌がらせのネタでも探しに来ましたか? それとも、私がまだ王子に未練があるとでも?」
「ち、違いますぅ!」
リリィ様は涙目で首を振った。
「そ、そんなんじゃないんです! 私……私……」
「私?」
彼女はゴクリと唾を飲み込み、意を決したように叫んだ。
「お肉が食べたくて来たんですッ!!」
「……は?」
店内が静まり返った。
私も耳を疑った。
「お肉……?」
「はい! 噂で聞いたんです! この店には『マッスル・ローストビーフタワー』という、夢のようなメニューがあると!」
リリィ様の瞳が、獲物を狙う猛獣のようにギラギラと輝いている。
そこに、可憐なヒロインの面影はなかった。
「……ええ、ございますけれど」
「それをください! 一番大きいのを! あと、ライスは大盛りで!」
「……かしこまりました」
私は狐につままれたような気分で厨房へオーダーを通した。
数分後。
ガロンさんが、皿から溢れんばかりのローストビーフの山(高さ30センチ)を運んできた。
「お待たせしやした、マッスル・ローストビーフタワー(総重量1kg)です……って、本当にお嬢ちゃんが食うのか?」
「わぁぁぁぁ……✨」
リリィ様が歓声を上げた。
その顔は、王子と一緒にいる時よりも遥かに幸せそうだ。
「いただきますッ!」
彼女はフォークとナイフを構えると、凄まじいスピードで肉の山に挑みかかった。
パクッ、モグモグ、ゴックン!
早い。
吸引力が違う。
「う、うまぁぁぁい……! お肉が柔らかいぃぃ……!」
涙を流しながら肉を頬張るリリィ様。
私とガロンさんは、顔を見合わせて呆然とした。
「……すげぇな。あの細い体のどこに入ってんだ?」
「未知の収納魔法(ブラックホール)かもしれませんわ」
十分もしないうちに、肉の山は更地になった。
リリィ様は「ふぅーっ」と満足げに息を吐き、空になった皿を愛おしそうに撫でた。
「ごちそうさまでした……。はぁ、生き返りました」
「お粗末様でした。……それで?」
私はカウンター越しに彼女に尋ねた。
「王宮の食事では満足できないのですか? 王宮のシェフは超一流のはずですが」
すると、リリィ様の表情が曇った。
「……味はいいんです。味は」
「では、量が?」
「いいえ。……環境が、最悪なんです」
彼女は恨めしそうに呟いた。
「あのですね、ミーナ様。……セドリック様との食事って、地獄なんです」
「地獄?」
「はい。食事中、ずーーっと喋ってるんです、あの方」
リリィ様は、王子(彼氏)の愚痴を語り始めた。
「『今日のリリィも可愛いね、まるで咲き誇る薔薇のようだ』とか、『僕の瞳に映る君を見てごらん』とか……。スプーンを見るたびに自分の顔を確認したり、窓ガラスに映る自分にウィンクしたり……」
「ああ……」
私は深く頷いた。
目に浮かぶようだ。
「スープが来ても、『このスープの黄金色は君の髪には及ばないが』とかポエムを詠み始めて、飲む頃にはすっかり冷めてるんです!」
「なんと」
「お肉料理なんて最悪です! ナイフを入れる前に『命の輝きがどうこう』って演説が始まって、脂が固まっちゃうんです!」
リリィ様はテーブルをバンッ! と叩いた。
「私はッ! 温かいご飯を! 温かいうちに食べたいんですッ!!」
悲痛な叫びだった。
食い物の恨みは恐ろしいというが、これは相当溜まっている。
「……今まで、よく我慢しましたね」
私は同情せざるを得なかった。
「私なんて、彼のポエムを聞き流しながら『今日の夕飯はステーキにしよう』とか考えていましたけれど」
「私もそうしたいんですけど……『ちゃんと聞いてる?』って毎回確認してくるんですぅ……」
リリィ様がテーブルに突っ伏した。
「もう限界です……。お腹が空いて、夜中に枕を噛んでるんです……」
「可哀想に……」
ガロンさんが涙ぐんで、そっとティッシュを差し出した。
私はリリィ様を見た。
今まで、彼女のことを「計算高い小悪魔」だと思っていた。
王子に取り入って、私を追い落とした敵だと。
だが、どうやら違ったらしい。
彼女もまた、あの「ナルシスト王子」の被害者なのだ。
そして何より、この見事な食いっぷり。
(食を愛する者に、悪い人間はいない……たぶん)
私はニヤリと笑った。
「リリィ様。デザートはいかがですか?」
「えっ? でも、もうお腹いっぱいで……」
「当店のデザートは別腹仕様です。それに、愚痴を吐き出すには糖分が必要でしょう?」
私は『特製プロテイン・ティラミス』を差し出した。
「サービスです。……同志(被害者友の会)として」
「ミーナ様……!」
リリィ様は目を輝かせ、ティラミスにスプーンを突き刺した。
「おいしぃぃぃ! 甘さが染みるぅぅ!」
「存分にお食べなさい。王子の話がつまらなくなったら、いつでも逃げてきなさい。ここは『シェルター』も兼ねていますから」
「はいッ! 通います! 毎日来ます!」
こうして、私は意外な味方(?)を手に入れた。
元婚約者の今カノ。
普通ならドロドロの修羅場になるところだが、『食欲』と『アンチ王子』という共通項が、私たちを奇妙な友情で結びつけたのだ。
「あ、そういえばミーナ様」
ティラミスを完食したリリィ様が、口の周りにココアパウダーをつけたまま言った。
「最近、王子がすごい怒ってるんです」
「あら、なぜ?」
「騎士団長のレオナルド様が、王子の命令を無視して、どこかへ入り浸ってるらしくて……。『あいつ、女でもできたんじゃないか?』って」
「……」
私は思わず視線を逸らした。
レオナルド様が入り浸っているのは、ここだ。
「それで王子、『俺が直々に尻尾を掴んでやる』って張り切ってました。近いうちに、街へ視察に出るみたいですよ」
「……へぇ」
嫌な予感がする。
非常に嫌な予感がする。
あの王子が動いて、ロクなことになった試しがない。
「情報提供、感謝します。お礼に、次回はお肉を20%増量しますわ」
「本当ですか!? 王子を売ってよかったぁ!」
リリィ様は満面の笑みで帰っていった。
嵐のような少女だった。
「……姐さん、大丈夫か? 王子が来るってよ」
ガロンさんが不安げに言う。
「大丈夫よ。あの方がここに来たところで、何ができるというの?」
私は強がって見せた。
だが、私は忘れていた。
馬鹿と天才は紙一重。
そして、ナルシストの行動力は、時に常人の想像を遥かに超える破壊力を持つということを。
次回、ついに元婚約者が店にカチ込んでくる。
しかも、とんでもなく迷惑な方法で。
「イエッサー!!」
『カフェ・マッスル・パラダイス』のランチタイムは、戦場のような活気に包まれていた。
開店当初の閑古鳥が嘘のようだ。
今や店内は、貴族の奥様から下町の主婦、そして少し変わった趣味を持つ令嬢たちで満席である。
私はカウンターの中で、次々と入るオーダーを捌きながら、ほくそ笑んでいた。
(順調……あまりにも順調だわ)
レジの金庫は重くなり、スタッフの筋肉も労働によってパンプアップされ、まさに好循環(スパイラル)。
だが、そんな平和な午後、事件は起きた。
「……あのぅ」
入り口のドアベルが鳴り、一人の小柄な客が入ってきた。
深いフードを目深に被り、コソコソと周囲を警戒している。
(また『お忍び』のお客様かしら?)
レオナルド様の一件以来、変装して来店する客には慣れっこだ。
私は愛想よく声をかけた。
「いらっしゃいませ! お一人様ですか?」
「は、はい……」
その声に、私はピクリと眉を動かした。
聞き覚えがある。
か細くて、守ってあげたくなるような、鈴を転がすような声。
客はカウンターの端の席に座ると、恐る恐るフードを外した。
現れたのは、フワフワのピンクブロンドに、大きな垂れ目。
小動物のような愛くるしさ。
「……リリィ様?」
私は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
そう、そこにいたのは、私の元婚約者セドリック殿下の新しいお相手、男爵令嬢リリィ様だったのだ。
「あ、あうっ……! バ、バレてしまいましたか……!?」
リリィ様はビクッとして、慌てて手で顔を隠した。
「バレるも何も、その特徴的な髪色は王都で貴女様くらいですわ」
私は冷静に指摘する。
店内がざわついた。
「あれ、今話題のリリィ様じゃない?」
「えっ、あの『悲劇のヒロイン』の?」
「どうして悪役令嬢(ここ)の店に……?」
不穏な空気が流れる。
当然だ。
世間的には、私は彼女をいじめた「悪女」であり、彼女は私から王子を奪った「聖女」ということになっている(実際は私が捨てたのだが)。
まさに一触即発の場面。
ガロンさんが慌てて飛んできた。
「姐さん! どうする!? つまみ出すか!? 塩を撒くか!?」
「待ちなさい。お客様よ」
私はガロンさんを制し、リリィ様の前に水を置いた。
「ようこそお越しくださいました、未来の王子妃殿下。……まさか、私の店に『視察(カチコミ)』にいらっしゃるとは」
私は皮肉たっぷりに微笑んだ。
「嫌がらせのネタでも探しに来ましたか? それとも、私がまだ王子に未練があるとでも?」
「ち、違いますぅ!」
リリィ様は涙目で首を振った。
「そ、そんなんじゃないんです! 私……私……」
「私?」
彼女はゴクリと唾を飲み込み、意を決したように叫んだ。
「お肉が食べたくて来たんですッ!!」
「……は?」
店内が静まり返った。
私も耳を疑った。
「お肉……?」
「はい! 噂で聞いたんです! この店には『マッスル・ローストビーフタワー』という、夢のようなメニューがあると!」
リリィ様の瞳が、獲物を狙う猛獣のようにギラギラと輝いている。
そこに、可憐なヒロインの面影はなかった。
「……ええ、ございますけれど」
「それをください! 一番大きいのを! あと、ライスは大盛りで!」
「……かしこまりました」
私は狐につままれたような気分で厨房へオーダーを通した。
数分後。
ガロンさんが、皿から溢れんばかりのローストビーフの山(高さ30センチ)を運んできた。
「お待たせしやした、マッスル・ローストビーフタワー(総重量1kg)です……って、本当にお嬢ちゃんが食うのか?」
「わぁぁぁぁ……✨」
リリィ様が歓声を上げた。
その顔は、王子と一緒にいる時よりも遥かに幸せそうだ。
「いただきますッ!」
彼女はフォークとナイフを構えると、凄まじいスピードで肉の山に挑みかかった。
パクッ、モグモグ、ゴックン!
早い。
吸引力が違う。
「う、うまぁぁぁい……! お肉が柔らかいぃぃ……!」
涙を流しながら肉を頬張るリリィ様。
私とガロンさんは、顔を見合わせて呆然とした。
「……すげぇな。あの細い体のどこに入ってんだ?」
「未知の収納魔法(ブラックホール)かもしれませんわ」
十分もしないうちに、肉の山は更地になった。
リリィ様は「ふぅーっ」と満足げに息を吐き、空になった皿を愛おしそうに撫でた。
「ごちそうさまでした……。はぁ、生き返りました」
「お粗末様でした。……それで?」
私はカウンター越しに彼女に尋ねた。
「王宮の食事では満足できないのですか? 王宮のシェフは超一流のはずですが」
すると、リリィ様の表情が曇った。
「……味はいいんです。味は」
「では、量が?」
「いいえ。……環境が、最悪なんです」
彼女は恨めしそうに呟いた。
「あのですね、ミーナ様。……セドリック様との食事って、地獄なんです」
「地獄?」
「はい。食事中、ずーーっと喋ってるんです、あの方」
リリィ様は、王子(彼氏)の愚痴を語り始めた。
「『今日のリリィも可愛いね、まるで咲き誇る薔薇のようだ』とか、『僕の瞳に映る君を見てごらん』とか……。スプーンを見るたびに自分の顔を確認したり、窓ガラスに映る自分にウィンクしたり……」
「ああ……」
私は深く頷いた。
目に浮かぶようだ。
「スープが来ても、『このスープの黄金色は君の髪には及ばないが』とかポエムを詠み始めて、飲む頃にはすっかり冷めてるんです!」
「なんと」
「お肉料理なんて最悪です! ナイフを入れる前に『命の輝きがどうこう』って演説が始まって、脂が固まっちゃうんです!」
リリィ様はテーブルをバンッ! と叩いた。
「私はッ! 温かいご飯を! 温かいうちに食べたいんですッ!!」
悲痛な叫びだった。
食い物の恨みは恐ろしいというが、これは相当溜まっている。
「……今まで、よく我慢しましたね」
私は同情せざるを得なかった。
「私なんて、彼のポエムを聞き流しながら『今日の夕飯はステーキにしよう』とか考えていましたけれど」
「私もそうしたいんですけど……『ちゃんと聞いてる?』って毎回確認してくるんですぅ……」
リリィ様がテーブルに突っ伏した。
「もう限界です……。お腹が空いて、夜中に枕を噛んでるんです……」
「可哀想に……」
ガロンさんが涙ぐんで、そっとティッシュを差し出した。
私はリリィ様を見た。
今まで、彼女のことを「計算高い小悪魔」だと思っていた。
王子に取り入って、私を追い落とした敵だと。
だが、どうやら違ったらしい。
彼女もまた、あの「ナルシスト王子」の被害者なのだ。
そして何より、この見事な食いっぷり。
(食を愛する者に、悪い人間はいない……たぶん)
私はニヤリと笑った。
「リリィ様。デザートはいかがですか?」
「えっ? でも、もうお腹いっぱいで……」
「当店のデザートは別腹仕様です。それに、愚痴を吐き出すには糖分が必要でしょう?」
私は『特製プロテイン・ティラミス』を差し出した。
「サービスです。……同志(被害者友の会)として」
「ミーナ様……!」
リリィ様は目を輝かせ、ティラミスにスプーンを突き刺した。
「おいしぃぃぃ! 甘さが染みるぅぅ!」
「存分にお食べなさい。王子の話がつまらなくなったら、いつでも逃げてきなさい。ここは『シェルター』も兼ねていますから」
「はいッ! 通います! 毎日来ます!」
こうして、私は意外な味方(?)を手に入れた。
元婚約者の今カノ。
普通ならドロドロの修羅場になるところだが、『食欲』と『アンチ王子』という共通項が、私たちを奇妙な友情で結びつけたのだ。
「あ、そういえばミーナ様」
ティラミスを完食したリリィ様が、口の周りにココアパウダーをつけたまま言った。
「最近、王子がすごい怒ってるんです」
「あら、なぜ?」
「騎士団長のレオナルド様が、王子の命令を無視して、どこかへ入り浸ってるらしくて……。『あいつ、女でもできたんじゃないか?』って」
「……」
私は思わず視線を逸らした。
レオナルド様が入り浸っているのは、ここだ。
「それで王子、『俺が直々に尻尾を掴んでやる』って張り切ってました。近いうちに、街へ視察に出るみたいですよ」
「……へぇ」
嫌な予感がする。
非常に嫌な予感がする。
あの王子が動いて、ロクなことになった試しがない。
「情報提供、感謝します。お礼に、次回はお肉を20%増量しますわ」
「本当ですか!? 王子を売ってよかったぁ!」
リリィ様は満面の笑みで帰っていった。
嵐のような少女だった。
「……姐さん、大丈夫か? 王子が来るってよ」
ガロンさんが不安げに言う。
「大丈夫よ。あの方がここに来たところで、何ができるというの?」
私は強がって見せた。
だが、私は忘れていた。
馬鹿と天才は紙一重。
そして、ナルシストの行動力は、時に常人の想像を遥かに超える破壊力を持つということを。
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