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精霊に愛された冷酷王子、心は私にデレデレでした?!
しおりを挟む私ことアレクシア、絶賛困惑中。私の王子が尊すぎるんだけど!
ことの始まりは舞踏会で天才冷酷王子と名高いシトラスと踊りの練習をするところからだった。
彼は美しい絹のような金の髪に、蒼く輝くラピスラズリのような瞳で私を見つめている…目筋の通った顔立ちにたくましい筋肉…百人みたら百二十人振り返る容姿だ。
それに対して私は黒目黒髪。私の長く伸ばした黒髪にはいつも艶が乗るように気を付けてはいるのだけど、彼と並んでしまうとどうしても見劣りしてしまうことは間違いない。
彼が来る前に。教師から以前に教わった振付を頭の中でもう一度再現していると
?!
突然。これも奇跡としか言いようのないのだけれど、突然部屋の周りにふわふわと飛び回るかわいい小さな生き物が見えてしまった。
心のなかで「何が起きてるの!私の頭大丈夫かしら??まって振付全部忘れちゃうわよ!」と叫びながら、あたふたしていると
美しく宝石があしらわれた洋服をまとったシトラスがやってきて
「準備はできているよな?練習をさっさと済ますぞ。これもお前が下手なせいで長引いてるんだからな」
と言ってきたので、とりあえず
「分かりました、そうですね。集中します。」
といつもどおりうなずく。
視界のすみっこに変な光がたくさん見えても集中できると思っていたのだけれど…
?!?!
彼とステップの練習をしてるときに今度は変な子が窓から入ってきたのよ!
(変な光り輝く生き物)
「ああ~今日も疲れた、王子成分補充しなくちゃ」
?!
「どうした?しっかり集中しろ」
シトラスがまたいぶかし気に尋ねてきちゃうからもやめて!なんなの?!
集中できないよ!!
そうしたら、変な光り輝くちんちくりんが「え、君僕のこと見えるようになっちゃったの?ほぉ~これなら彼にも最適な相手だ」
とかなんとかいいながら、こっちに近づいてくるじゃありませんか!恐ろしい!
平静を繕いながらもこの場の混沌とした状況に耐えきれず、「申し訳ありません!シトラス様!少しお腹が痛くて…」と会場から逃げ出してしまった!
「おい!」っとシトラスが背後で呼びかける声が聞こえたのだけど、もう自分が見ているもので精一杯だった。
部屋に戻り
ふぅ~
と一息つくと…「大変…!私、シトラス様をおきざりにしちゃった?!どうしよう…」と頭の中は自分の失態でいっぱいに…
でもまって、どうしてあんな変なまるまるしたひかってる生き物を見れたのかしら…
私は魔法は使えないはずよね。
うむむむむ…
振り返れば私は、魔法なんて全然使えない勉強ばかりの女だった。
だから貴族としては例外的な扱いだったのだけれど、自分が侯爵令嬢で身分がある程度釣りあったからか、急にシトラス王子から求婚が来てしまったのだ。
シトラス様とは子供の頃によく一緒に遊んでいたという記憶で、人懐っこくてかわいい弟だったなぁ~という印象しかなかった。
あのときの私は勇気があったわね。王子様と手を繋いでわしゃわしゃ遊んでいたのだから。
でもそんなことは置いといて…
今は今の状況よっ!とほっぺを叩いてどうするべきか考えることにした。
あの変なのがまた見えちゃう可能性もあるし…でも、だからといってこんな話誰かにしたら今度こそやばい女確定だし…
うむむ、と唸っているとその時…
?!
またもあの光ってる変なのが窓から突撃して来てるんですけど!!
「あーー!!ついに発見!めっちゃ探したんだぞ~」
となんか私と同じ言語を喋ってくる変な物体…
変なのは言葉も喋れるのか…と謎に感心してしまう私。
「というか、あなたは何なのよー!!」
と先程の鬱憤を晴らしちゃいました。
「なんだなんだ、そんなに怒りなさるなって~ぼくは運命を司るキューピットだぞっ!シリウスと呼んでくれたまえ~」と高めの声で変な可愛いポーズをしながら言ってくる。ちょっと可愛いと思ってしまったのが悔しいっ。
「どういうことよ!でも、ちょっとかわいいわね。話を聞く前にまず来なさい。」
そういいながら私は、変な生物シリウスを膝に乗せわしゃわしゃしちゃうのだった。
ふむ。かわいい。
「やめろーーーぼくは人形じゃにゃいぞ~」
「おとなしく撫でられなさい、それで私に何が起こったっていうの?」
彼?彼女?は私の膝の上に座りなおしながら、ふん!と言いながら話し始める。
「簡単にいうとね、きみはぼくたちせいれいを見えるようになったのさぁ!」
「え?精霊!?あの教科書に出てくる?」
と私は彼が何を言っているのか一瞬理解できず困惑してしまった。
「そうだよ、その精霊。っで、王子様は精霊王だって知ってるでしょ?だからぼくはシトラス君を守ってるってわけ!ね、かんたんでしょ?」
とか軽い調子で言うもんだから、情報量も多すぎて頭を抱えてしまった。
一旦頭を整理しなおして聞き直す。
「じゃあ。私は何かの拍子に精霊が見えるようになっちゃったってことなの?というかシトラス様が精霊王なんて誰からも聞いたことがないけれど?」
「あー人間の世界ではあんまりゆうめいじゃないのかもね~彼の魔力量はとってつもないんだよ!しかもとってもおいしいんだ!」
とかいうもんだからまたも困惑。魔力のおいしいかおいしくないかなんて初めて聞いた…
もういいわ!私には知らなかった世界が広がっていたのね!パンっとほっぺをたたきなおして、シリウスを膝に乗せなおす。
「まあわかったわ。それじゃあ私はどうすればいいのこれから?」
「うん?いままでどおりでいいんじゃなーい?でも、ぼくが君の恋を手助けしてあげよう!!」
??私の恋。確かに私はシトラス様と婚約してはいるけど…彼は私のことをあまり思ってくれていない気がする。
「ほ~らなんかすれちがっちゃってるじゃないか~…ぼくは精霊王の人間の心が手に取るようにわかっちゃうからねー」
人の心が読める?!
「ど、どういうことよ!私が考えてることもわかってて今まで話していたわけ?!というすれ違っちゃってるってなにを言ってるの?」
「ええっとねえー、まあすぐにわかるよ。明日は絶対ちゃんとダンスの練習しにシトラス君のとこ来てね~? じゃバイバイ~」
ちょっと??どうしてよ!なんていう前に彼は今度は壁をすり抜けて部屋の外へと消えてしまった…
ねえ私はどうすればいいのよ!
朝。私は自慢の黒髪を椿油で綺麗に整えた後、メイドのカミラに話す。
「今日はしっかりダンスの練習に行くわ!」
「それは素晴らしいことでございます。シトラス様も必ず喜ばれるでしょう。」
笑顔の美しい少し白が混じり始めた髪をきっちりと整えた彼女はそう微笑みながら答えた。
彼女はいつもシトラス様が私と会うことを楽しみにしているっていうのだけれど、不思議だ。
「じゃあいってくるわね!いつもありがとう!カミラ」
と言いながら家を出ると、彼女は再び微笑み返してくれた。
王宮につくと、彼はすでに待っていて誰もが彼を王子と見間違うことのない美しい横顔で、私を見つめていた。
「アレクシア、昨日は急に帰ったが、お前の練習だったんだぞ?俺は忙しいのに(アレクシア、昨日すっごく心配したんだよ。本当に大丈夫?今日は静かに紅茶でも飲もうか?)」
ん?んんんん?!?!?!
ど、どういうこと…?!!
え私何か言わなきゃ!
「ええ、昨日は少しめまいがしたので休ませてもらいました。急に出て行って申し訳ありません。」
するとシトラス様がわたしの顔を覗き込んで、
「本当なんだろうな?また走って逃げるなんて許さないからな?(ほんとうなのかな…もっとアレクシアの見ないと判断できないよ…今日はもっと一緒にいたいけど、辛そうだったら休ませよう。綺麗だよアレクシア。)」
と心地よいテノールの声で話してくる。
ちかいちかい!!まってカッコよすぎる!
実際に言ってることと考えてることの差、よ!!
もしかしてこれがシリウスの言っていた”手助け”?!!
シトラス様の本音が丸聞こえじゃない!!
うぅ…
も、う…今のちょっとの会話だけで、シリウスのやさしさに心が溶かされそうなんですけど!!
というかっ!綺麗って!そんなこといつも言わないじゃないシトラス様!うぅぅ…
「だ、だいじょうぶです…治りましたよ!」
とすこし彼から目をそむけながらいうと、
「ふん。それなら許してやる。お前にまた逃げられると困るからこっちにこい(それならよかった…ダンスの練習これからするんだし、昨日のを口実にもっとアレクシアを感じてもいいよね。)」
っと言いながら、私の腰に手を回して一気に彼の体に密着させたのだ。
?!?!
っちょっと?!えっ!?
まって彼の金木製のような爽やかな香りがが鼻孔をくすぐってもっとかぎたくなってしまうわ…
ちょっと、なんでこんなにかっこいいのよシトラス様?!
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