1 / 1
精霊に愛された冷酷王子、心は私にデレデレでした?!
しおりを挟む私ことアレクシア、絶賛困惑中。私の王子が尊すぎるんだけど!
ことの始まりは舞踏会で天才冷酷王子と名高いシトラスと踊りの練習をするところからだった。
彼は美しい絹のような金の髪に、蒼く輝くラピスラズリのような瞳で私を見つめている…目筋の通った顔立ちにたくましい筋肉…百人みたら百二十人振り返る容姿だ。
それに対して私は黒目黒髪。私の長く伸ばした黒髪にはいつも艶が乗るように気を付けてはいるのだけど、彼と並んでしまうとどうしても見劣りしてしまうことは間違いない。
彼が来る前に。教師から以前に教わった振付を頭の中でもう一度再現していると
?!
突然。これも奇跡としか言いようのないのだけれど、突然部屋の周りにふわふわと飛び回るかわいい小さな生き物が見えてしまった。
心のなかで「何が起きてるの!私の頭大丈夫かしら??まって振付全部忘れちゃうわよ!」と叫びながら、あたふたしていると
美しく宝石があしらわれた洋服をまとったシトラスがやってきて
「準備はできているよな?練習をさっさと済ますぞ。これもお前が下手なせいで長引いてるんだからな」
と言ってきたので、とりあえず
「分かりました、そうですね。集中します。」
といつもどおりうなずく。
視界のすみっこに変な光がたくさん見えても集中できると思っていたのだけれど…
?!?!
彼とステップの練習をしてるときに今度は変な子が窓から入ってきたのよ!
(変な光り輝く生き物)
「ああ~今日も疲れた、王子成分補充しなくちゃ」
?!
「どうした?しっかり集中しろ」
シトラスがまたいぶかし気に尋ねてきちゃうからもやめて!なんなの?!
集中できないよ!!
そうしたら、変な光り輝くちんちくりんが「え、君僕のこと見えるようになっちゃったの?ほぉ~これなら彼にも最適な相手だ」
とかなんとかいいながら、こっちに近づいてくるじゃありませんか!恐ろしい!
平静を繕いながらもこの場の混沌とした状況に耐えきれず、「申し訳ありません!シトラス様!少しお腹が痛くて…」と会場から逃げ出してしまった!
「おい!」っとシトラスが背後で呼びかける声が聞こえたのだけど、もう自分が見ているもので精一杯だった。
部屋に戻り
ふぅ~
と一息つくと…「大変…!私、シトラス様をおきざりにしちゃった?!どうしよう…」と頭の中は自分の失態でいっぱいに…
でもまって、どうしてあんな変なまるまるしたひかってる生き物を見れたのかしら…
私は魔法は使えないはずよね。
うむむむむ…
振り返れば私は、魔法なんて全然使えない勉強ばかりの女だった。
だから貴族としては例外的な扱いだったのだけれど、自分が侯爵令嬢で身分がある程度釣りあったからか、急にシトラス王子から求婚が来てしまったのだ。
シトラス様とは子供の頃によく一緒に遊んでいたという記憶で、人懐っこくてかわいい弟だったなぁ~という印象しかなかった。
あのときの私は勇気があったわね。王子様と手を繋いでわしゃわしゃ遊んでいたのだから。
でもそんなことは置いといて…
今は今の状況よっ!とほっぺを叩いてどうするべきか考えることにした。
あの変なのがまた見えちゃう可能性もあるし…でも、だからといってこんな話誰かにしたら今度こそやばい女確定だし…
うむむ、と唸っているとその時…
?!
またもあの光ってる変なのが窓から突撃して来てるんですけど!!
「あーー!!ついに発見!めっちゃ探したんだぞ~」
となんか私と同じ言語を喋ってくる変な物体…
変なのは言葉も喋れるのか…と謎に感心してしまう私。
「というか、あなたは何なのよー!!」
と先程の鬱憤を晴らしちゃいました。
「なんだなんだ、そんなに怒りなさるなって~ぼくは運命を司るキューピットだぞっ!シリウスと呼んでくれたまえ~」と高めの声で変な可愛いポーズをしながら言ってくる。ちょっと可愛いと思ってしまったのが悔しいっ。
「どういうことよ!でも、ちょっとかわいいわね。話を聞く前にまず来なさい。」
そういいながら私は、変な生物シリウスを膝に乗せわしゃわしゃしちゃうのだった。
ふむ。かわいい。
「やめろーーーぼくは人形じゃにゃいぞ~」
「おとなしく撫でられなさい、それで私に何が起こったっていうの?」
彼?彼女?は私の膝の上に座りなおしながら、ふん!と言いながら話し始める。
「簡単にいうとね、きみはぼくたちせいれいを見えるようになったのさぁ!」
「え?精霊!?あの教科書に出てくる?」
と私は彼が何を言っているのか一瞬理解できず困惑してしまった。
「そうだよ、その精霊。っで、王子様は精霊王だって知ってるでしょ?だからぼくはシトラス君を守ってるってわけ!ね、かんたんでしょ?」
とか軽い調子で言うもんだから、情報量も多すぎて頭を抱えてしまった。
一旦頭を整理しなおして聞き直す。
「じゃあ。私は何かの拍子に精霊が見えるようになっちゃったってことなの?というかシトラス様が精霊王なんて誰からも聞いたことがないけれど?」
「あー人間の世界ではあんまりゆうめいじゃないのかもね~彼の魔力量はとってつもないんだよ!しかもとってもおいしいんだ!」
とかいうもんだからまたも困惑。魔力のおいしいかおいしくないかなんて初めて聞いた…
もういいわ!私には知らなかった世界が広がっていたのね!パンっとほっぺをたたきなおして、シリウスを膝に乗せなおす。
「まあわかったわ。それじゃあ私はどうすればいいのこれから?」
「うん?いままでどおりでいいんじゃなーい?でも、ぼくが君の恋を手助けしてあげよう!!」
??私の恋。確かに私はシトラス様と婚約してはいるけど…彼は私のことをあまり思ってくれていない気がする。
「ほ~らなんかすれちがっちゃってるじゃないか~…ぼくは精霊王の人間の心が手に取るようにわかっちゃうからねー」
人の心が読める?!
「ど、どういうことよ!私が考えてることもわかってて今まで話していたわけ?!というすれ違っちゃってるってなにを言ってるの?」
「ええっとねえー、まあすぐにわかるよ。明日は絶対ちゃんとダンスの練習しにシトラス君のとこ来てね~? じゃバイバイ~」
ちょっと??どうしてよ!なんていう前に彼は今度は壁をすり抜けて部屋の外へと消えてしまった…
ねえ私はどうすればいいのよ!
朝。私は自慢の黒髪を椿油で綺麗に整えた後、メイドのカミラに話す。
「今日はしっかりダンスの練習に行くわ!」
「それは素晴らしいことでございます。シトラス様も必ず喜ばれるでしょう。」
笑顔の美しい少し白が混じり始めた髪をきっちりと整えた彼女はそう微笑みながら答えた。
彼女はいつもシトラス様が私と会うことを楽しみにしているっていうのだけれど、不思議だ。
「じゃあいってくるわね!いつもありがとう!カミラ」
と言いながら家を出ると、彼女は再び微笑み返してくれた。
王宮につくと、彼はすでに待っていて誰もが彼を王子と見間違うことのない美しい横顔で、私を見つめていた。
「アレクシア、昨日は急に帰ったが、お前の練習だったんだぞ?俺は忙しいのに(アレクシア、昨日すっごく心配したんだよ。本当に大丈夫?今日は静かに紅茶でも飲もうか?)」
ん?んんんん?!?!?!
ど、どういうこと…?!!
え私何か言わなきゃ!
「ええ、昨日は少しめまいがしたので休ませてもらいました。急に出て行って申し訳ありません。」
するとシトラス様がわたしの顔を覗き込んで、
「本当なんだろうな?また走って逃げるなんて許さないからな?(ほんとうなのかな…もっとアレクシアの見ないと判断できないよ…今日はもっと一緒にいたいけど、辛そうだったら休ませよう。綺麗だよアレクシア。)」
と心地よいテノールの声で話してくる。
ちかいちかい!!まってカッコよすぎる!
実際に言ってることと考えてることの差、よ!!
もしかしてこれがシリウスの言っていた”手助け”?!!
シトラス様の本音が丸聞こえじゃない!!
うぅ…
も、う…今のちょっとの会話だけで、シリウスのやさしさに心が溶かされそうなんですけど!!
というかっ!綺麗って!そんなこといつも言わないじゃないシトラス様!うぅぅ…
「だ、だいじょうぶです…治りましたよ!」
とすこし彼から目をそむけながらいうと、
「ふん。それなら許してやる。お前にまた逃げられると困るからこっちにこい(それならよかった…ダンスの練習これからするんだし、昨日のを口実にもっとアレクシアを感じてもいいよね。)」
っと言いながら、私の腰に手を回して一気に彼の体に密着させたのだ。
?!?!
っちょっと?!えっ!?
まって彼の金木製のような爽やかな香りがが鼻孔をくすぐってもっとかぎたくなってしまうわ…
ちょっと、なんでこんなにかっこいいのよシトラス様?!
ーーーー
お読みいただきありがとうございます。お気に入り登録、感想等よろしくお願いします。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新 完結済
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
うわーっいい(*´꒳`*)可愛いですとても。
お似合いで微笑ましいっ!