集まれ!密室

１章 目覚め

３話 恐怖の密室

いったい何なのだ。

気がつくと見知らぬ空間、いきなり銃声らしき発砲音…と同時に倒れる女性。

「これは夢だろう」

空間の満たす非日常の空気がそう思考させているのだろうか。不都合な夢は覚めろ、オイシイ夢は続きを。こうして文章にすると何だか自分勝手なように思えますが…。

「そんなことはどうでもいいのよ」

読者の大多数からこんな声がしそうですね。すみません、どうかこれは夢であってほしい。


さて、密室と思われるこの空間の雰囲気は薄暗い会議室。パイプ椅子やテーブルがそれを連想させている。


想像していただきたい。


倒れた女性のそばに寄り、本当に撃たれたのか確認しよう。今ならこのように冷静な判断ができる。ですがこの先冷静でいられるのかはわからない。よって今確認しなければならない。と、よくわからない使命感に動かされ行動をする。これが多いんだわ、本当に多いよねえ。
その使命感はどこからくるの？極秘任務でも受けたのかい。そしてその使命感を押しつけないでおくれ～。
とはいえ、どこかの緊急事態とは違うが発砲があったとなると十分緊急事態であり、使命感どうのではなく、少しでも情報を得なくてはいけない。大切なのは状況に応じて的確な行動ができるのかということである。これは発言したり文章にすると簡単なのですが、いざ、実際に行動するとなると難しい場合があることと思います。状況が切迫していたりすると、負荷等により判断を見誤ったり、普段出来る事が困難に感じたりする。誰もが経験のあることだと思います。ある程度の緊張感は必要でしょうが、常に隙をみせない、構えた精神状態で果たして実力を発揮することができるのでしょうか。
少し伝わりにくいかもしれませんが、ほどよい緊張感が脳を活性化させ、あらゆる事態にも柔軟に対応ができるはないでしょうか。

「えっ」

倒れている女性のそばに駆け寄るが、そこにはなんと本来あるはずのものが無いのである。先ほど冷静だった精神が一気に狂う。背筋が凍りつくとはまさしくこれである。

「…ない」

ありえない。目、鼻、口が確認できない。薄暗いが見間違うはずのない距離である。これは夢だ…。一瞬、瞳を閉じてそう心の中で呟いた。そう、現実ではない、全て夢なのだ。呼吸が荒くなる。この得たいの知れない恐怖のせいだろう。最近ゾッとしてないから普段の二割増しでゾッとするわ。必死に冷静を保とうとするが、事態はさらに非現実へ加速していく。

パッ　パチパチ

薄暗い空間に明かりがつく。
目を閉じていても明るくなったことがわかる。そして目をパッと開けると、立ち止まっている３名、そして倒れている女性を再確認する。

「そんな…」


顔がある。