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サラ1
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ペルーナ王国は、複数の人種が入り混じる国だ。その国を創立したのはドラゴンと言われている。
ドラゴンは混血により血は薄れて、純血はあまり見ないけれど。今もこの地に確かに住んでいる。
私の婚約者は獅子の獣人だ。
獣人は番を一生涯愛するとされるが、それができるのはごく少数とされている。
大半の獣人は、番ではない。人あるいは獣人と婚姻を結ぶとされている。私の婚約者もそうだ。
彼とはじめて出会った日を忘れない。
「初めまして、私の婚約者殿」
そう言って微笑むと、八重歯がキラリと輝き、野性味が溢れるその姿に私の胸はときめいた。
逞しい身体付きは、とても頼もしい。
没落寸前の名ばかりの子爵家に彼のような、伯爵家から婚姻を打診されるなんて思ってもみなくて。私は天にも登るような気分だ。
「サラです」
「よろしくサラ。私はレオンと呼んでくれ」
「レオン様」
胸の中で木霊するように彼の名前が響いた。私はこの瞬間に金色の髪の毛のレオンに心を奪われたのかもしれない。
「君は私の番ではないけれど、大切にしたい」
そう言って、彼は私の掌に口づけを落とした。
番ではない。
その言葉は私の心に突き刺さり、未だに忘れられない傷跡になった。
もしも、彼が番と出会ったら、私は捨て去られるのかもしれない。
そう思うと、無我夢中で彼に訴えかけていた。
「……!」
私は、強くならなくてはならない。
いつでも、別れを切り出されても大丈夫なように。
そして、月日は流れて、私達は数ヶ月後に結婚を控えていた。
彼は出会った時から変わらず優しい。
「番」ではないけれどとても大切にしてくれる。それだけで十分だった。
ドラゴンは混血により血は薄れて、純血はあまり見ないけれど。今もこの地に確かに住んでいる。
私の婚約者は獅子の獣人だ。
獣人は番を一生涯愛するとされるが、それができるのはごく少数とされている。
大半の獣人は、番ではない。人あるいは獣人と婚姻を結ぶとされている。私の婚約者もそうだ。
彼とはじめて出会った日を忘れない。
「初めまして、私の婚約者殿」
そう言って微笑むと、八重歯がキラリと輝き、野性味が溢れるその姿に私の胸はときめいた。
逞しい身体付きは、とても頼もしい。
没落寸前の名ばかりの子爵家に彼のような、伯爵家から婚姻を打診されるなんて思ってもみなくて。私は天にも登るような気分だ。
「サラです」
「よろしくサラ。私はレオンと呼んでくれ」
「レオン様」
胸の中で木霊するように彼の名前が響いた。私はこの瞬間に金色の髪の毛のレオンに心を奪われたのかもしれない。
「君は私の番ではないけれど、大切にしたい」
そう言って、彼は私の掌に口づけを落とした。
番ではない。
その言葉は私の心に突き刺さり、未だに忘れられない傷跡になった。
もしも、彼が番と出会ったら、私は捨て去られるのかもしれない。
そう思うと、無我夢中で彼に訴えかけていた。
「……!」
私は、強くならなくてはならない。
いつでも、別れを切り出されても大丈夫なように。
そして、月日は流れて、私達は数ヶ月後に結婚を控えていた。
彼は出会った時から変わらず優しい。
「番」ではないけれどとても大切にしてくれる。それだけで十分だった。
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