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水津は名残惜しそうなそぶりを見せて部屋から出て行った。
そして、柏木と柴多へのプレゼントを買いに行く日になった。
私は楽なゆるめのシニヨンにして、かっちりとしすぎないカーキのレースワンピースにベージュのコートを羽織って待ち合わせの場所に向かった。
待ち合わせ場所はデパートが建ち並ぶ駅前の大きな銀時計の前にした。
駅の近くには居酒屋もたくさんあるので、そこで夕食を取る事にしよう。
もちろん私が奢るつもりだ。
待ち合わせ時間より少し早く着いたので、柏木を待とうと思いながら、銀時計を見ると既に待っていた。
柏木はぼんやりとスマートフォンを眺めたり、辺りをキョロキョロと見回したりしてどこか落ち着きがない。
それを見た私は慌てて走り出した。
遠目から見ていたからわからなかったが、柏木は落ち着いた服を着ていた。
人懐こい印象があったので私服が落ち着いているものだったのが意外だった。
「ごめんね。待った?」
走ったせいで少しだけ息を切らしながら柏木に声をかけた。
柏木は私の顔を見ると『来るとは思わなかった』と言わんばかりに口許を押さえて驚いた表情をしていた。
「いえ、さっき来たばかりですから」
柏木は少しだけ顔を赤くさせながら私の全身を目線を動かしながら見ていた。
何かおかしかったのだろうか……?
「凛子さんの私服初めて見ました。イメージ通りっていうか、その髪型、似合ってますよ」
柏木が突然褒め出したので私は戸惑いながら頬を掻いた。
ちょっと恥ずかしい。
「柏木くんも、そういう落ち着いた格好するんだね。なんか意外。でも、凄くよく似合ってるよ」
考えてみればお互いの私服をちゃんと見たことなんてなかった。2年も付き合いがあるのに。
私はイメージとは違うなと思いながら柏木の方を見る。
「ありがとうございます。僕こう見えてもアラサーですからね」
柏木は忘れてしまうけれど、年相応の格好をして落ち着いて見せたいのかもしれない。
「とりあえずデパート行きますか?凛子さんだからある程度プレゼント決めてありそうだけど」
柏木の言う通り既に候補はいくつかあった。何も目星もつけないでプレゼントを考えるのは付き合わせる相手にも迷惑だし。
「そうね、ネクタイピンにしようかなって思ってるんだけど」
好みはあるけれど無難そうで、ネクタイピンならあっても、困りそうにないから。色も何となく決めてある。
「本当に?」
柏木は信じられないと言った様子で驚いてこちらを見た。
何か問題でもあるのだろうか?いらない時に捨てにくいとか?
「うん、渡してすぐに捨てられるかもしれないけど」
私は柴多にどんなプレゼントを渡しても捨てられるだろうなとずっと考えていた。
やっぱり捨てる時に不都合があるなら別のものの方がいいだろうか?
「凛子さんって時々よくわからないネガティブさがありますよね」
柏木は苦笑いして私を『ネガティブ』と言うがその通りではあるが、柴多なら私のプレゼントを平然と捨てるだろうなと思っていた。
「そうかな」
私は否定も肯定も出来ずに困りながら、首を傾けながら相槌をうつ。
「柴多さんは凛子さんからのプレゼントだったら絶対に捨てないと思いますよ」
『ネガティブ』な私の発言に柏木は困ったように眉を寄せながら、元気付ける為に優しい言葉を言う。
「そうだといいけど」
「柴多さんの事何とも思ってないんですか?」
私が柴多に嫌われている前提で物を話すのが気になったのだろうか。
柏木に不思議そうに聞かれるが、私には柴多に対して好きではない同期という印象しか持ち合わせていなかった。
「ただの同期だけど」
私は思ったままを柏木に伝えるとなんだか残念そうな顔をされた。
『柴多さんって可哀相……』
柏木が残念な顔をしたままボソリと何か呟いたが私には聞こえなかった。
そして、柏木と柴多へのプレゼントを買いに行く日になった。
私は楽なゆるめのシニヨンにして、かっちりとしすぎないカーキのレースワンピースにベージュのコートを羽織って待ち合わせの場所に向かった。
待ち合わせ場所はデパートが建ち並ぶ駅前の大きな銀時計の前にした。
駅の近くには居酒屋もたくさんあるので、そこで夕食を取る事にしよう。
もちろん私が奢るつもりだ。
待ち合わせ時間より少し早く着いたので、柏木を待とうと思いながら、銀時計を見ると既に待っていた。
柏木はぼんやりとスマートフォンを眺めたり、辺りをキョロキョロと見回したりしてどこか落ち着きがない。
それを見た私は慌てて走り出した。
遠目から見ていたからわからなかったが、柏木は落ち着いた服を着ていた。
人懐こい印象があったので私服が落ち着いているものだったのが意外だった。
「ごめんね。待った?」
走ったせいで少しだけ息を切らしながら柏木に声をかけた。
柏木は私の顔を見ると『来るとは思わなかった』と言わんばかりに口許を押さえて驚いた表情をしていた。
「いえ、さっき来たばかりですから」
柏木は少しだけ顔を赤くさせながら私の全身を目線を動かしながら見ていた。
何かおかしかったのだろうか……?
「凛子さんの私服初めて見ました。イメージ通りっていうか、その髪型、似合ってますよ」
柏木が突然褒め出したので私は戸惑いながら頬を掻いた。
ちょっと恥ずかしい。
「柏木くんも、そういう落ち着いた格好するんだね。なんか意外。でも、凄くよく似合ってるよ」
考えてみればお互いの私服をちゃんと見たことなんてなかった。2年も付き合いがあるのに。
私はイメージとは違うなと思いながら柏木の方を見る。
「ありがとうございます。僕こう見えてもアラサーですからね」
柏木は忘れてしまうけれど、年相応の格好をして落ち着いて見せたいのかもしれない。
「とりあえずデパート行きますか?凛子さんだからある程度プレゼント決めてありそうだけど」
柏木の言う通り既に候補はいくつかあった。何も目星もつけないでプレゼントを考えるのは付き合わせる相手にも迷惑だし。
「そうね、ネクタイピンにしようかなって思ってるんだけど」
好みはあるけれど無難そうで、ネクタイピンならあっても、困りそうにないから。色も何となく決めてある。
「本当に?」
柏木は信じられないと言った様子で驚いてこちらを見た。
何か問題でもあるのだろうか?いらない時に捨てにくいとか?
「うん、渡してすぐに捨てられるかもしれないけど」
私は柴多にどんなプレゼントを渡しても捨てられるだろうなとずっと考えていた。
やっぱり捨てる時に不都合があるなら別のものの方がいいだろうか?
「凛子さんって時々よくわからないネガティブさがありますよね」
柏木は苦笑いして私を『ネガティブ』と言うがその通りではあるが、柴多なら私のプレゼントを平然と捨てるだろうなと思っていた。
「そうかな」
私は否定も肯定も出来ずに困りながら、首を傾けながら相槌をうつ。
「柴多さんは凛子さんからのプレゼントだったら絶対に捨てないと思いますよ」
『ネガティブ』な私の発言に柏木は困ったように眉を寄せながら、元気付ける為に優しい言葉を言う。
「そうだといいけど」
「柴多さんの事何とも思ってないんですか?」
私が柴多に嫌われている前提で物を話すのが気になったのだろうか。
柏木に不思議そうに聞かれるが、私には柴多に対して好きではない同期という印象しか持ち合わせていなかった。
「ただの同期だけど」
私は思ったままを柏木に伝えるとなんだか残念そうな顔をされた。
『柴多さんって可哀相……』
柏木が残念な顔をしたままボソリと何か呟いたが私には聞こえなかった。
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