4 / 22
4(バートン視点)
しおりを挟む
「旦那様!どこにいらっしゃるのですか?」
執事が僕のことを探している。やっぱり緊張する…。
「旦那様の方から女性に会いに行くだなんて、こんな素晴らしい話はございませんよ!」
ああ、余計なことを言わなければ良かった…と僕は後悔した。伯爵の血筋とはいえ、辺境の地に住み続けているので、僕は普段女性との交流が少ない。僕は気にしないけど、当主であるお父様がうるさいのだ。
「バートン!嫁は見つかったのか?」
毎朝、僕に質問してくる。そんなこと言われても…そもそも女性との出会いがないので、伴侶が見つかるわけないのに。
「そんな冴えない顔をしているバートンに朗報だ!!!」
お父様の目つきがいつもと違う感じがした。一応は貴族であるから、そろそろ婚約して世継ぎを…なんて段階に入ってきているのだ。お父様が急ぐ理由はなんとなく理解していた。
「なんと、超優良物件だぞ!!!公爵令嬢だ!!!」
公爵令嬢…ネームバリューからして釣り合わないと思った。
「おいおい、心配するな。そりゃ、普通の公爵令嬢ではお前に釣り合わない。そんなことは分かっているさ!」
言っていることは正しいんだけど、ストレートに指摘されると、さすがに少し傷つくな…。
「普通の公爵令嬢ではないと、いうことですか?」
「ああ、そうだ。すなわち…お前みたいに女を知らない捻くれ者にピッタリってわけさ!」
いくらお父様とはいえ、こうストレートに言われてしまうと段々傷ついてくる…まあ、それは置いておいて。
「それで…どこが普通ではないんですか?」
「おお、食いつきがいいな!それはだな…婚約破棄されておまけに勘当された娘ってわけだ!」
確かに普通ではない…というか、それは優良物件ではなくて不良物件なのでは?
「どうした、不満そうな顔をして?だがな、諦めるのは早いぞ。私が思うに…そういう捻くれた女の方が、普通の女よりもお前にはお似合いなんじゃないかって…そう思うんだよ!」
「お父様…拒否権はないのですね?」
僕は尋ねてみた。
「そうだな…お前が自分で婚約者を3日以内にこの場所へ連れてこれるというのだったら…お前の拒否権を認めてやってもいいぞ!」
それは事実上無理だった。結局、お父様の提案を断ることなんて出来ずに、その捻くれた元令嬢のホームへ旅することとなった。
「いやあ、さすがは大旦那様です。やはり、目の付け所が違いますなあっ!!!」
執事は感心していた。普通、婚約破棄された女を家に迎え入れることはない。家柄、名誉に関わるから。でも、お父様は気にしなかった。まあ、いつまでたっても婚約出来ない僕が一番問題なんだけどね。
こうして、元公爵令嬢アンナと出会う準備が着々と進んでいった。
執事が僕のことを探している。やっぱり緊張する…。
「旦那様の方から女性に会いに行くだなんて、こんな素晴らしい話はございませんよ!」
ああ、余計なことを言わなければ良かった…と僕は後悔した。伯爵の血筋とはいえ、辺境の地に住み続けているので、僕は普段女性との交流が少ない。僕は気にしないけど、当主であるお父様がうるさいのだ。
「バートン!嫁は見つかったのか?」
毎朝、僕に質問してくる。そんなこと言われても…そもそも女性との出会いがないので、伴侶が見つかるわけないのに。
「そんな冴えない顔をしているバートンに朗報だ!!!」
お父様の目つきがいつもと違う感じがした。一応は貴族であるから、そろそろ婚約して世継ぎを…なんて段階に入ってきているのだ。お父様が急ぐ理由はなんとなく理解していた。
「なんと、超優良物件だぞ!!!公爵令嬢だ!!!」
公爵令嬢…ネームバリューからして釣り合わないと思った。
「おいおい、心配するな。そりゃ、普通の公爵令嬢ではお前に釣り合わない。そんなことは分かっているさ!」
言っていることは正しいんだけど、ストレートに指摘されると、さすがに少し傷つくな…。
「普通の公爵令嬢ではないと、いうことですか?」
「ああ、そうだ。すなわち…お前みたいに女を知らない捻くれ者にピッタリってわけさ!」
いくらお父様とはいえ、こうストレートに言われてしまうと段々傷ついてくる…まあ、それは置いておいて。
「それで…どこが普通ではないんですか?」
「おお、食いつきがいいな!それはだな…婚約破棄されておまけに勘当された娘ってわけだ!」
確かに普通ではない…というか、それは優良物件ではなくて不良物件なのでは?
「どうした、不満そうな顔をして?だがな、諦めるのは早いぞ。私が思うに…そういう捻くれた女の方が、普通の女よりもお前にはお似合いなんじゃないかって…そう思うんだよ!」
「お父様…拒否権はないのですね?」
僕は尋ねてみた。
「そうだな…お前が自分で婚約者を3日以内にこの場所へ連れてこれるというのだったら…お前の拒否権を認めてやってもいいぞ!」
それは事実上無理だった。結局、お父様の提案を断ることなんて出来ずに、その捻くれた元令嬢のホームへ旅することとなった。
「いやあ、さすがは大旦那様です。やはり、目の付け所が違いますなあっ!!!」
執事は感心していた。普通、婚約破棄された女を家に迎え入れることはない。家柄、名誉に関わるから。でも、お父様は気にしなかった。まあ、いつまでたっても婚約出来ない僕が一番問題なんだけどね。
こうして、元公爵令嬢アンナと出会う準備が着々と進んでいった。
718
あなたにおすすめの小説
側近という名の愛人はいりません。というか、そんな婚約者もいりません。
gacchi(がっち)
恋愛
十歳の時にお見合いで婚約することになった侯爵家のディアナとエラルド。一人娘のディアナのところにエラルドが婿入りする予定となっていたが、エラルドは領主になるための勉強は嫌だと逃げ出してしまった。仕方なく、ディアナが女侯爵となることに。五年後、学園で久しぶりに再会したエラルドは、幼馴染の令嬢三人を連れていた。あまりの距離の近さに友人らしい付き合い方をお願いするが、一向に直す気配はない。卒業する学年になって、いい加減にしてほしいと注意したディアナに、エラルドは令嬢三人を連れて婿入りする気だと言った。
“ざまぁ” をします……。だけど、思っていたのと何だか違う
棚から現ナマ
恋愛
いままで虐げられてきたから “ざまぁ” をします……。だけど、思っていたのと何だか違う? 侯爵令嬢のアイリス=ハーナンは、成人を祝うパーティー会場の中央で、私から全てを奪ってきた両親と妹を相手に “ざまぁ” を行っていた。私の幼馴染である王子様に協力してもらってね! アーネスト王子、私の恋人のフリをよろしくね! 恋人のフリよ、フリ。フリって言っているでしょう! ちょっと近すぎるわよ。肩を抱かないでいいし、腰を抱き寄せないでいいから。抱きしめないでいいってば。だからフリって言っているじゃない。何で皆の前でプロポーズなんかするのよっ!! 頑張って “ざまぁ” しようとしているのに、何故か違う方向に話が行ってしまう、ハッピーエンドなお話。
他サイトにも投稿しています。
あなたがわたしを本気で愛せない理由は知っていましたが、まさかここまでとは思っていませんでした。
ふまさ
恋愛
「……き、きみのこと、嫌いになったわけじゃないんだ」
オーブリーが申し訳なさそうに切り出すと、待ってましたと言わんばかりに、マルヴィナが言葉を繋ぎはじめた。
「オーブリー様は、決してミラベル様を嫌っているわけではありません。それだけは、誤解なきよう」
ミラベルが、当然のように頭に大量の疑問符を浮かべる。けれど、ミラベルが待ったをかける暇を与えず、オーブリーが勢いのまま、続ける。
「そう、そうなんだ。だから、きみとの婚約を解消する気はないし、結婚する意思は変わらない。ただ、その……」
「……婚約を解消? なにを言っているの?」
「いや、だから。婚約を解消する気はなくて……っ」
オーブリーは一呼吸置いてから、意を決したように、マルヴィナの肩を抱き寄せた。
「子爵令嬢のマルヴィナ嬢を、あ、愛人としてぼくの傍に置くことを許してほしい」
ミラベルが愕然としたように、目を見開く。なんの冗談。口にしたいのに、声が出なかった。
溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。
ふまさ
恋愛
いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。
「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」
「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」
ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。
──対して。
傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。
婚約破棄ですか?勿論お受けします。
アズやっこ
恋愛
私は婚約者が嫌い。
そんな婚約者が女性と一緒に待ち合わせ場所に来た。
婚約破棄するとようやく言ってくれたわ!
慰謝料?そんなのいらないわよ。
それより早く婚約破棄しましょう。
❈ 作者独自の世界観です。
わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑
岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。
もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。
本編終了しました。
聖女に負けた侯爵令嬢 (よくある婚約解消もののおはなし)
蒼あかり
恋愛
ティアナは女王主催の茶会で、婚約者である王子クリストファーから婚約解消を告げられる。そして、彼の隣には聖女であるローズの姿が。
聖女として国民に、そしてクリストファーから愛されるローズ。クリストファーとともに並ぶ聖女ローズは美しく眩しいほどだ。そんな二人を見せつけられ、いつしかティアナの中に諦めにも似た思いが込み上げる。
愛する人のために王子妃として支える覚悟を持ってきたのに、それが叶わぬのならその立場を辞したいと願うのに、それが叶う事はない。
いつしか公爵家のアシュトンをも巻き込み、泥沼の様相に……。
ラストは賛否両論あると思います。納得できない方もいらっしゃると思います。
それでも最後まで読んでいただけるとありがたいです。
心より感謝いたします。愛を込めて、ありがとうございました。
婚約解消したら後悔しました
せいめ
恋愛
別に好きな人ができた私は、幼い頃からの婚約者と婚約解消した。
婚約解消したことで、ずっと後悔し続ける令息の話。
ご都合主義です。ゆるい設定です。
誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる