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オオミカナエ
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「お客さんか・・・敵ではないようだな・・・」
ロイド様は言った。オオミカナエ・・・名前は覚えていたがその姿を確認してようやく思い出すことが出来た。というか、オオミカナエまでこの世界にやって来たとなると、非常に不思議だと思った。
「あなたも・・・死んだの?」
怖くなって、そして非常に興味深かったため、直接尋ねてみた。
「あらっ?ひょっとしてアリサさん?」
彼女も私のことを覚えていたようだった。
「どうして?ここは現世界で死んだ人がやって来る世界なのかしら・・・」
彼女は首を傾げた。
「危険な恋のせい、ですかね・・・」
なんとなくやんちゃなイメージではあった。男遊びが派手というか・・・まあ、私よりも魅力的な体格をしており、男も寄りつくのだろう。ひょっとして、ロイド様も?なんとなく嫌な空気感になった。
「君たちは知り合いなのか?」
ロイド様が尋ねた。
「ええ、まあ、知り合いといいますか・・・」
歯切れの悪い返事をしていると、オオミカナエは私の肩をポンと叩いて、「私たち、すごく仲良しなんですよ!!!」と答えた。
「へえっ、そうなのか。ということは・・・君もひょっとすると聖女の素質があるということなのか?」
聖女の素質・・・後で分かったことだが、この世界には聖女の素質を持つ女がそこそこいて、実際に聖女と認定される女は数人しかいないとのこと。彼女もまた、聖女の素質があると見做されているようだった。私の知り合い、という扱いだったから。
「ほら、ごらんなさい。情けない兵士たちなんか、こうしてオチャノコサイサイですよっ!!!!!!」
オオミカナエが何か念仏を唱えて目を瞑る。すると、彼女の旅を妨害しようとした兵士たちが空に浮いた!
「恐るべし聖女の卵か・・・」
ロイド様との関係は、オオミカナエの出現によって、ここから大きく変化することとなった。まあ、なんせ彼女の方が女として魅力的であったわけだから。
ロイド様は言った。オオミカナエ・・・名前は覚えていたがその姿を確認してようやく思い出すことが出来た。というか、オオミカナエまでこの世界にやって来たとなると、非常に不思議だと思った。
「あなたも・・・死んだの?」
怖くなって、そして非常に興味深かったため、直接尋ねてみた。
「あらっ?ひょっとしてアリサさん?」
彼女も私のことを覚えていたようだった。
「どうして?ここは現世界で死んだ人がやって来る世界なのかしら・・・」
彼女は首を傾げた。
「危険な恋のせい、ですかね・・・」
なんとなくやんちゃなイメージではあった。男遊びが派手というか・・・まあ、私よりも魅力的な体格をしており、男も寄りつくのだろう。ひょっとして、ロイド様も?なんとなく嫌な空気感になった。
「君たちは知り合いなのか?」
ロイド様が尋ねた。
「ええ、まあ、知り合いといいますか・・・」
歯切れの悪い返事をしていると、オオミカナエは私の肩をポンと叩いて、「私たち、すごく仲良しなんですよ!!!」と答えた。
「へえっ、そうなのか。ということは・・・君もひょっとすると聖女の素質があるということなのか?」
聖女の素質・・・後で分かったことだが、この世界には聖女の素質を持つ女がそこそこいて、実際に聖女と認定される女は数人しかいないとのこと。彼女もまた、聖女の素質があると見做されているようだった。私の知り合い、という扱いだったから。
「ほら、ごらんなさい。情けない兵士たちなんか、こうしてオチャノコサイサイですよっ!!!!!!」
オオミカナエが何か念仏を唱えて目を瞑る。すると、彼女の旅を妨害しようとした兵士たちが空に浮いた!
「恐るべし聖女の卵か・・・」
ロイド様との関係は、オオミカナエの出現によって、ここから大きく変化することとなった。まあ、なんせ彼女の方が女として魅力的であったわけだから。
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