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新たな動き
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オオミカナエは私よりも大胆であった。空に浮いてしまった兵士たちを横目に、「私のこと、どう思います?」なんて甘い声を出して、ロイド様に抱きついたのだった。私よりも胸が大きくいい尻をしている。
「胸が・・・変な具合に当たっているのだが・・・」
ロイド様は緊張した面持ちだった。
「あれっ、気になるんですか?王子様ともあろうお方が・・・」
オオミカナエは確信犯なのだ。私には・・・包容力がなかった。
「わざと当てているんですよ?」
まずいまずい・・・なんか、非常にまずい展開だと思った。急にやって来た女、しかも一応は知人である女が少しずつロイド様の心を掴んでしまって・・・心配になった。
「あら、アリサさん?どうかされました?」
私は黙っていた。展開があまりにも急すぎたから。
「ロイド様は別に、アリサさんのものではないですよね?」
人の心を掴むのが上手いというか、男を奪い取るというか・・・ともかく、そんな感じであった。
「ロイド様?私のお弁当も食べていただけますか?」
男の胃袋を掴む・・・確かに現実世界でオオミカナエは料理が美味かったと記憶している。
ロイド様はオオミカナエの出現に最初は困惑しながらも、最終的には「君の作る料理は美味しいね」と言うほど和むようになっていった。
男と言うのは随分と流れやすい生き物なのだ。でも、結局のところいつの時代も男に迎合して支えられる生き物でないといけない・・・それは大抵少女漫画でも同じ展開になるだろう。
「申し上げます!敵国に新たな動きがあるようです!」
ロイド様は最初、私の方を見た。私の聖女としての能力が再び試される時がやって来たのだと思った。
「胸が・・・変な具合に当たっているのだが・・・」
ロイド様は緊張した面持ちだった。
「あれっ、気になるんですか?王子様ともあろうお方が・・・」
オオミカナエは確信犯なのだ。私には・・・包容力がなかった。
「わざと当てているんですよ?」
まずいまずい・・・なんか、非常にまずい展開だと思った。急にやって来た女、しかも一応は知人である女が少しずつロイド様の心を掴んでしまって・・・心配になった。
「あら、アリサさん?どうかされました?」
私は黙っていた。展開があまりにも急すぎたから。
「ロイド様は別に、アリサさんのものではないですよね?」
人の心を掴むのが上手いというか、男を奪い取るというか・・・ともかく、そんな感じであった。
「ロイド様?私のお弁当も食べていただけますか?」
男の胃袋を掴む・・・確かに現実世界でオオミカナエは料理が美味かったと記憶している。
ロイド様はオオミカナエの出現に最初は困惑しながらも、最終的には「君の作る料理は美味しいね」と言うほど和むようになっていった。
男と言うのは随分と流れやすい生き物なのだ。でも、結局のところいつの時代も男に迎合して支えられる生き物でないといけない・・・それは大抵少女漫画でも同じ展開になるだろう。
「申し上げます!敵国に新たな動きがあるようです!」
ロイド様は最初、私の方を見た。私の聖女としての能力が再び試される時がやって来たのだと思った。
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