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婚約破棄されてしまう令嬢ということで、私は運の悪い女ということに基本的にはなるはず。貴族世界を離れてしまうと、一般的には右も左も分からない状況に陥ってしまう。そのまま道ばたでのたれ死んでしまう可能性すらあるわけだ。そんな私がなんとかこうして旅を続けられるのには、細やかではあるが私に同情してくれる市民に加えて、ある協力者の存在もあったのだ。
「ああ、麗しき令嬢カナエが私の物になるとは思わなかった!!!」
「・・・・・・誰があなたの物になると言ったのかしら?」
「言わなかったっけ?と言うか、君1人では旅を続けることは出来ないだろうさ!!!」
「・・・・・・それはそうだけど」
「だから、私についてこれば安全なのさ!」
私に付き添っているのは旧貴族の家系出身であるシュトルツである。ある意味、彼もまた貴族社会に捨てられた人間ということになるのだろう。シュトルツの家系は元々公爵家であり、それこそ我がモートン家とも付き合いがあった。貴族同士の争いに敗れて爵位を取りあげられ、一般市民に格下げとなった苦労人である。ただ、彼はそのまま死んだわけではなかった。貴族としての誇り高き騎士道精神を捨てて、今は悪徳商人に成り下がった。ただ、商売の才能があるのか、裏社会への歩み寄りが上手いのか、財力を蓄えて世界のアンチヒーローに成り上がったのである。物心ついた頃には、シュトルツに会うことはなかったが、彼は私のことをずっと追いかけていたようである。
「あんなハナタレお子様王子のことなんか忘れて、早く私の物になればいいのに・・・」
「あなた・・・そんな下品な言葉遣いをするものじゃありません!」
私は思わず注意してしまった。
「だって・・・事実だろう?」
まあ、反論することは出来なかった。
「ほらほら、私の物になれば・・・衣装も宝石も・・・そして金だって思う存分使い放題だぜっ!」
シュトルツが腕を回してくる。
「やめなさい・・・毛むくじゃらな男は嫌いなのよ」
「素直じゃないなあっ・・・まあ、ツンツンしているのも可愛いけどなっ!」
シュトルツはそう言って、結局は私の後をつけた。最悪、自分だけで生きづらくなったら最悪支えてくれるかもしれない。打算的に捉えて拒みはしなかった。
「ああ、麗しき令嬢カナエが私の物になるとは思わなかった!!!」
「・・・・・・誰があなたの物になると言ったのかしら?」
「言わなかったっけ?と言うか、君1人では旅を続けることは出来ないだろうさ!!!」
「・・・・・・それはそうだけど」
「だから、私についてこれば安全なのさ!」
私に付き添っているのは旧貴族の家系出身であるシュトルツである。ある意味、彼もまた貴族社会に捨てられた人間ということになるのだろう。シュトルツの家系は元々公爵家であり、それこそ我がモートン家とも付き合いがあった。貴族同士の争いに敗れて爵位を取りあげられ、一般市民に格下げとなった苦労人である。ただ、彼はそのまま死んだわけではなかった。貴族としての誇り高き騎士道精神を捨てて、今は悪徳商人に成り下がった。ただ、商売の才能があるのか、裏社会への歩み寄りが上手いのか、財力を蓄えて世界のアンチヒーローに成り上がったのである。物心ついた頃には、シュトルツに会うことはなかったが、彼は私のことをずっと追いかけていたようである。
「あんなハナタレお子様王子のことなんか忘れて、早く私の物になればいいのに・・・」
「あなた・・・そんな下品な言葉遣いをするものじゃありません!」
私は思わず注意してしまった。
「だって・・・事実だろう?」
まあ、反論することは出来なかった。
「ほらほら、私の物になれば・・・衣装も宝石も・・・そして金だって思う存分使い放題だぜっ!」
シュトルツが腕を回してくる。
「やめなさい・・・毛むくじゃらな男は嫌いなのよ」
「素直じゃないなあっ・・・まあ、ツンツンしているのも可愛いけどなっ!」
シュトルツはそう言って、結局は私の後をつけた。最悪、自分だけで生きづらくなったら最悪支えてくれるかもしれない。打算的に捉えて拒みはしなかった。
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