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「クロビッツ様、今日は月が綺麗ですね」
「月っていつも同じ見え方じゃないのか?」
「・・・失礼いたしました・・・」
「それよりも、私は一体、これからどうすればいいんだ?父上や母上はカンカンに怒っているし、親戚や兄弟からも白い目で見られているし・・・どうしてこんなことになってしまったのかなぁっ」
「本当、クロビッツ様にはいつも災難が降りかかりますね」
「まあ、なんだかんだでサリーがいてくれるから、落ち着くんだけどなっ・・・」
「クロビッツ様、お褒めいただいても、何も始まりませんよ」
「そうなのか?まあ、いいや。それで、今日私の元にやってきた令嬢は綺麗だったなぁ」
「お気に召されましたか?」
「ああっ、少なくともカナエ殿に比べたら、全然いいよなっ・・・」
「そうなんですね」
「どうしたんだ?浮かない顔をして。何か不都合があるのか?」
「いいえ、そんなことは決して。ですが、婚約というのはただ単に容姿の良し悪しで決めることではないものと存じます。クロビッツ様はこの世界の統治者となるお方でありますから、そのお相手は格式高い令嬢である方が望ましいかと存じまして」
「サリー、私はそういう話は好かないことを知っているだろう・・・一体何年私に仕えているんだ・・・」
「ええ、ちょうど10年になります。だからこそ、厳しいかもしれませんが申し上げておるのです」
「ああ、そういう話はもういいから・・・もう休む。おやすみ!」
「承知いたしました。では、失礼いたします・・・」
クロビッツ様に拾われ命を繋いだ付き人である名もなきサリー。クロビッツ様を第一に思って行動することがモットーであった。
「やはり、クロビッツ様の婚約者に相応しいのはカナエ様、一択なのに・・・」
サリーは使いを呼び出した。
「本日クロビッツ様の元にやって来た令嬢は把握している?」
「とある伯爵家出身の令嬢と確認しております・・・」
「・・・抹殺出来る噂はあるかしら?」
「ええ、色々と」
「ならば、すぐさま実行に移して」
「・・・承知いたしました」
サリーは胸を撫で下ろした。
「クロビッツ様に寄せられるヘイトは全部私が買受る・・・」
胸元に忍ばせたクロビッツ様の写真を取り出して、密かにキスをした。
「月っていつも同じ見え方じゃないのか?」
「・・・失礼いたしました・・・」
「それよりも、私は一体、これからどうすればいいんだ?父上や母上はカンカンに怒っているし、親戚や兄弟からも白い目で見られているし・・・どうしてこんなことになってしまったのかなぁっ」
「本当、クロビッツ様にはいつも災難が降りかかりますね」
「まあ、なんだかんだでサリーがいてくれるから、落ち着くんだけどなっ・・・」
「クロビッツ様、お褒めいただいても、何も始まりませんよ」
「そうなのか?まあ、いいや。それで、今日私の元にやってきた令嬢は綺麗だったなぁ」
「お気に召されましたか?」
「ああっ、少なくともカナエ殿に比べたら、全然いいよなっ・・・」
「そうなんですね」
「どうしたんだ?浮かない顔をして。何か不都合があるのか?」
「いいえ、そんなことは決して。ですが、婚約というのはただ単に容姿の良し悪しで決めることではないものと存じます。クロビッツ様はこの世界の統治者となるお方でありますから、そのお相手は格式高い令嬢である方が望ましいかと存じまして」
「サリー、私はそういう話は好かないことを知っているだろう・・・一体何年私に仕えているんだ・・・」
「ええ、ちょうど10年になります。だからこそ、厳しいかもしれませんが申し上げておるのです」
「ああ、そういう話はもういいから・・・もう休む。おやすみ!」
「承知いたしました。では、失礼いたします・・・」
クロビッツ様に拾われ命を繋いだ付き人である名もなきサリー。クロビッツ様を第一に思って行動することがモットーであった。
「やはり、クロビッツ様の婚約者に相応しいのはカナエ様、一択なのに・・・」
サリーは使いを呼び出した。
「本日クロビッツ様の元にやって来た令嬢は把握している?」
「とある伯爵家出身の令嬢と確認しております・・・」
「・・・抹殺出来る噂はあるかしら?」
「ええ、色々と」
「ならば、すぐさま実行に移して」
「・・・承知いたしました」
サリーは胸を撫で下ろした。
「クロビッツ様に寄せられるヘイトは全部私が買受る・・・」
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