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「アーガイルが攻めてきた?」
流石にこのまま黙っているわけにはいかないと思い、サリーはクロビッツ様に真実を告げたのだった。
「どうも、そのようでございます」
「というか・・・死罪にしたはずじゃなかったっけか?」
「確かに死罪となりましたが、クロビッツ様の温情により、最終的には流刑となった経緯がございます・・・」
「ああっ・・・そうだったか・・・」
クロビッツ様は全く覚えていないようだった。
「それで・・・私はこれから一体どうすればいいのだ?」
「どうすると言われましても・・・まずはアーガイル様と戦わなくてはいけませんね」
「戦う?誰が戦うんだ?」
クロビッツ様は狼狽えているようだった。
「あんな乱暴者と・・・一体誰が戦うと言うんだ?」
「ですから・・・それはクロビッツ様・・・正確にはクロビッツ様の率いる兵士たちが戦うことになりましょう」
「どうして、この私が戦わないといけないんだ?そんな無茶なことをいきなり言われても・・・」
「恐れながらクロビッツ様?あまり時間の猶予はないものと思います・・・このままクロビッツ様がお動きにならないと、この世界の秩序は完全に崩れてしまうのではないかと思いますわ・・・」
「だからなんなんだ?そんなこと、私は知らん・・・」
クロビッツ様は王宮から逃げようとした。
「クロビッツ様・・・どちらに行かれるのですか?」
「こんなところにいても仕方がないだろう・・・逃げるが勝ちだ!」
サリーは言葉を失った。今まで守ってきたクロビッツ様とはなんだったのか・・・思い悩むこととなった。
「どうしてですか、どうしてそんなふうにすぐ逃げようとするんですか?」
サリーはクロビッツ様を制止した。
「お前・・・何を考えているんだ?」
「あなた様は・・・私の知っているクロビッツ様じゃないっ、偽物だっ!」
サリーは静かにクロビッツ様の頭を叩いて、その後何回も殴った。
「おいおい、やめてくれっ!」
クロビッツ様の声を聞きつけて、兵士たちがサリーの間に割って入った。だが、サリーは止まらなかった。
「偽物だっ・・・私の知っているクロビッツ様ではないっ!」
クロビッツ様はなんとかしてサリーから逃れることが出来た。
「ハハハハハハハハハッ・・・もう笑うしかないでしょうっ!」
その言葉通り、サリーは城の頂上で1人笑い続けた。
流石にこのまま黙っているわけにはいかないと思い、サリーはクロビッツ様に真実を告げたのだった。
「どうも、そのようでございます」
「というか・・・死罪にしたはずじゃなかったっけか?」
「確かに死罪となりましたが、クロビッツ様の温情により、最終的には流刑となった経緯がございます・・・」
「ああっ・・・そうだったか・・・」
クロビッツ様は全く覚えていないようだった。
「それで・・・私はこれから一体どうすればいいのだ?」
「どうすると言われましても・・・まずはアーガイル様と戦わなくてはいけませんね」
「戦う?誰が戦うんだ?」
クロビッツ様は狼狽えているようだった。
「あんな乱暴者と・・・一体誰が戦うと言うんだ?」
「ですから・・・それはクロビッツ様・・・正確にはクロビッツ様の率いる兵士たちが戦うことになりましょう」
「どうして、この私が戦わないといけないんだ?そんな無茶なことをいきなり言われても・・・」
「恐れながらクロビッツ様?あまり時間の猶予はないものと思います・・・このままクロビッツ様がお動きにならないと、この世界の秩序は完全に崩れてしまうのではないかと思いますわ・・・」
「だからなんなんだ?そんなこと、私は知らん・・・」
クロビッツ様は王宮から逃げようとした。
「クロビッツ様・・・どちらに行かれるのですか?」
「こんなところにいても仕方がないだろう・・・逃げるが勝ちだ!」
サリーは言葉を失った。今まで守ってきたクロビッツ様とはなんだったのか・・・思い悩むこととなった。
「どうしてですか、どうしてそんなふうにすぐ逃げようとするんですか?」
サリーはクロビッツ様を制止した。
「お前・・・何を考えているんだ?」
「あなた様は・・・私の知っているクロビッツ様じゃないっ、偽物だっ!」
サリーは静かにクロビッツ様の頭を叩いて、その後何回も殴った。
「おいおい、やめてくれっ!」
クロビッツ様の声を聞きつけて、兵士たちがサリーの間に割って入った。だが、サリーは止まらなかった。
「偽物だっ・・・私の知っているクロビッツ様ではないっ!」
クロビッツ様はなんとかしてサリーから逃れることが出来た。
「ハハハハハハハハハッ・・・もう笑うしかないでしょうっ!」
その言葉通り、サリーは城の頂上で1人笑い続けた。
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