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その11

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「……はあ」
「……じゃあな、また会おうぜ。……愛してるぞ」
「……はい、さようなら」
……こうして、私は学園生活で初めて告白されたのであった。

だがしかし、そんな日々が長く続くことはなかった。適度な干渉……それをもたらしたのが誰であるのか、それはこれ以上説明する必要もないだろう。

ついでのこととはなってしまうが、邪魔者は全ていなくなったのだ。いなくなった……と言うよりかは、ひょっとすると、あの人が全て終わらせてくれることを、いつからか私自身が期待していたのかもしれない。

まあ、これ以上邪魔者が入らないだけ、ましと考えたほうがいいだろうさ。

「レイチェル、レイチェルはどこにもいないのか」

こんな感じで、彼はいつも私のことを探しているようだ。どうしてだろうか、私はいつも彼と近くにいる。

それなのに、いつしか彼は私のことを見えなくなってしまったのだろうか。

「リッツ様。私はいつもここにおりますよ。どうして見えなくなってしまったのですか」

このように問いかけても、まるで2人は別の世界に行ってしまったようだ。

「レイチェルが全て悪い」

そんな声はどこか遠くから聞こえてくるような気がした。その名前を私は知っている。そして、彼もまたもうこの世界は無いのではないだろうか。

結局のところ、国は崩壊寸前となってしまったのだ。
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