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その6
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それからしばらくして、スミス様の屋敷から迎えの馬車がやってまいりました。つまり、私が初めて、スミス様の屋敷に上がることになるわけでございました。
「まあ、しっかりやりなさいよ……」
お父様はそう言って、私を半ば強引に追い出す形になってしまいました。ひょっとして……私はもはや、お父様からも見捨てられてしまったのか、そう思いました。特に根拠はありませんでしたが、そうなんとなく考えてしまうわけでございました。
「そうすると……この先私は行き場を失ってしまうのだろうか……」
なんて、変なことを考えるようにもなりました。もちろん、最初からそんなことを考えるつもりはなかったのですが……仕方ないことでした。
「やあ、エリーナ様。お待ち申し上げておりましたぞ!!!」
この前よりも、スミス様はだいぶ元気でした。どうして???これほど元気な理由が私にあるとはとても思えませんでした。そして、スミス様の背後からあの時と同じように、でも今度はまるで花嫁のように綺麗に着飾った妹のヘレン様が現れました。
「お待ちしておりました。エリーナ様。ああ、この前よりはだいぶましな恰好でいらっしゃっていただけたのですね???」
ヘレン様は完全に私のことを敵か何かだと思っているようでした。別に、私にしてみれば、それはどうってことはなかったのですが……まあ、仕方のないことだと思いました。どうやら、私はこの屋敷でも嫌われる運命ってやつを背負わないといけない気がするわけでございました。どうしてか……どうしてなのか???
そんな問いを立てたところで、何も解決することはありませんでした。ですから、私は仕方なく、スミス様に招かれる形で、屋敷のなかに足を踏み入れたわけでございました。
ああ、それでもなんとなく場違いだと感じてしまうのは、どうしてだったのか……私にはいまいちわかりませんでした。ですが……まあ、このままやっていくしかないと腹を決めて……まずはスミス様のご両親に会うことになりました。
「ようこそいらっしゃいました。エリーナ殿。待ちわびておりましたぞ!!!」
スミス様のお父様にあたるバートン侯爵はそう言って、私のことを快く受け入れてくれました。まあ、本気でどう思っていたのかはわかりませんが……。
「お招きいただきまして、本当にありがとうございます。この度は……このような形でスミス様と婚約できますこと、大変光栄に思います……」
私はこのようにかしこまって挨拶をしました。すると、お父様の隣に座っていらっしゃる、つまり、スミス様のお母様にあたる方なのですが、その方が私に向かって丁寧なあいさつをしてくれました。
「どうか、私どもの倅をよろしくお願いいたします……」
と、こんな具合に丁重でした。普通は、両親から嫌われるものだと思っておりましたが、その辺は案外平気でした。やはり、一番問題なのは……妹のヘレン様の処遇でした。
「まあ、これからよろしくお願いしますよ!!!」
そう言って、スミス様は手を差し出してくださいました。思い返せば、それが最後の握手になるとは……この時は思ってもいませんでした。
「まあ、しっかりやりなさいよ……」
お父様はそう言って、私を半ば強引に追い出す形になってしまいました。ひょっとして……私はもはや、お父様からも見捨てられてしまったのか、そう思いました。特に根拠はありませんでしたが、そうなんとなく考えてしまうわけでございました。
「そうすると……この先私は行き場を失ってしまうのだろうか……」
なんて、変なことを考えるようにもなりました。もちろん、最初からそんなことを考えるつもりはなかったのですが……仕方ないことでした。
「やあ、エリーナ様。お待ち申し上げておりましたぞ!!!」
この前よりも、スミス様はだいぶ元気でした。どうして???これほど元気な理由が私にあるとはとても思えませんでした。そして、スミス様の背後からあの時と同じように、でも今度はまるで花嫁のように綺麗に着飾った妹のヘレン様が現れました。
「お待ちしておりました。エリーナ様。ああ、この前よりはだいぶましな恰好でいらっしゃっていただけたのですね???」
ヘレン様は完全に私のことを敵か何かだと思っているようでした。別に、私にしてみれば、それはどうってことはなかったのですが……まあ、仕方のないことだと思いました。どうやら、私はこの屋敷でも嫌われる運命ってやつを背負わないといけない気がするわけでございました。どうしてか……どうしてなのか???
そんな問いを立てたところで、何も解決することはありませんでした。ですから、私は仕方なく、スミス様に招かれる形で、屋敷のなかに足を踏み入れたわけでございました。
ああ、それでもなんとなく場違いだと感じてしまうのは、どうしてだったのか……私にはいまいちわかりませんでした。ですが……まあ、このままやっていくしかないと腹を決めて……まずはスミス様のご両親に会うことになりました。
「ようこそいらっしゃいました。エリーナ殿。待ちわびておりましたぞ!!!」
スミス様のお父様にあたるバートン侯爵はそう言って、私のことを快く受け入れてくれました。まあ、本気でどう思っていたのかはわかりませんが……。
「お招きいただきまして、本当にありがとうございます。この度は……このような形でスミス様と婚約できますこと、大変光栄に思います……」
私はこのようにかしこまって挨拶をしました。すると、お父様の隣に座っていらっしゃる、つまり、スミス様のお母様にあたる方なのですが、その方が私に向かって丁寧なあいさつをしてくれました。
「どうか、私どもの倅をよろしくお願いいたします……」
と、こんな具合に丁重でした。普通は、両親から嫌われるものだと思っておりましたが、その辺は案外平気でした。やはり、一番問題なのは……妹のヘレン様の処遇でした。
「まあ、これからよろしくお願いしますよ!!!」
そう言って、スミス様は手を差し出してくださいました。思い返せば、それが最後の握手になるとは……この時は思ってもいませんでした。
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