俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

蓮からの電話 ②

何度目かの呼び出し音の後、

『もしもし、蓮？』

真司の優しい声。

「あ、真司。今日のことなんだけど…」

いますぐにでも会いのに、今日会えないかと思うと……

会いたい気持ちを抑えたからか、蓮の声すは歯切れが悪い。

『どうした？』

真司は努めてゆっくりと話しているようだった。

「…実は今日、仕事で大きな契約が取れて、チームのみんなで打ち上げで飲みに行くことになって…それで…」

本当は今まで頑張ってきた仕事の成果を喜ぶべきだが、素直に喜べない。

真司の声を聞くと、ますます会いたくなる…

蓮がさらに落ち込んでいると、
『蓮‼︎おめでとう！それはみんなで祝わないとな！』
電話越しの真司は、明るかった。
『…ごめん…』

仕事の関係で、ドタキャン…
前と同じ間違いは繰り返したくないのに…

蓮は以前の恋愛で、お互いの気持ちにズレができてしまった事を思い出す。

『何言ってるんだよ。今まで頑張ってきたんだろ？蓮が認められたことが、俺は嬉しい』
真司の声はまるで蓮の隣に座り、落ち込んでいる蓮をなだめてくれているような…
そんな話し方だった。