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ヒートとラット 伊吹sideー
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ん?
どうしたんだろう……
それになんだろう…
どこからか甘い香りがしてきた。
伊吹が疑問に思っていると、
「やったー‼︎決まりだね‼︎」
喜んだ柚が蒼の手を握ったとたん、
!!!!!!!!
ブアー!!と甘い香りが放出されたかと思うと、伊吹の体内で何かが、ドクンッ‼︎と脈打った。
なにこの甘い香…
あ!!
もしかして!!
咄嗟に伊吹が柚の方を見ると、
!!!!
やっぱり!!
胸を抑えてうずくまった柚から、大量の甘い香りが放たれていた。
ヒートだ‼︎
しかもすごい量の香……
ベータの俺でもクラクラする……
っあ‼︎
蒼!!
伊吹が蒼の方をみると、
「蒼‼︎」
あのいつも冷静な蒼が、理性を保とうと顔を歪め、奥歯を噛みしめ、もがくように胸元の服を握りしめていた。
「……っして…」
蒼が喉の奥から絞り出すような言葉を発した。
「え⁉︎」
「俺の鞄から、薬出して!!」
‼︎‼︎
伊吹は初めて大声で怒鳴る蒼に驚いたが、すぐに蒼の鞄から緊急ラット抑制剤をとりだすと、蒼に差し出す。
蒼はそれを奪い取ると、震えるてで薬を量など気にせず口に運び、そのまま飲み干した。
あんなに沢山の薬飲んだら‼︎
急に薬が効き出したのか、蒼がよろめいた。
「蒼‼︎」
倒れそうになる蒼を、伊吹は全身で支えるが、体格が違いすぎて伊吹自身もよろけ…
このままじゃ、蒼と一緒に倒れてしまう‼︎
バランスを崩した伊吹が倒れそうになった時、
パシッ
伊吹は腕を掴まれた。
「…大丈夫?」
そこには柚のヒートを全身で浴びながらも片手でヒートの柚を支え、もう片方の手で伊吹を支える孝司の姿があった。
「ありがとうございます。孝司さんが支えてくれなかったら、蒼と二人して倒れているところでした」
「それは…きにしないで…」
孝司もラットにならないよう、理性を必死に奮い立たせていた。
「本当は蒼くんを運ぶのを…手伝ってあげたいけど……ごめんね…、今は…自分の事でいっぱいいっぱいだ…。伊吹くん…一人で…大丈夫?」
孝司は苦しそうに肩で息をしだした。
「俺は大丈夫です!」
伊吹が力強く答えると、孝司は苦しそうだが、微笑み、
「柚は…俺が…連れて帰る…。だから、伊吹くんは……蒼くんを…頼む…」
そういうと、孝司は掴んでいた伊吹の腕を離すと、急いで自分のジャケットのポケットから薬を取り出す。
そして蒼同様、緊急ラット抑制剤を飲み込むと柚を抱きかかえ、店を出た。
「い…ぶき…?」
少し意識がしっかりしてきた蒼が、寄り掛かっていた伊吹から、体を離した。
「‼︎蒼!大丈夫⁉︎」
蒼は声に出しては答えず、首を横に振る。
蒼、そんなに……
「蒼、あそこに停まってるタクシーまで行ける?」
伊吹が店の中見える、外に停まっていたタクシーを指差すと蒼はこくんと頭を縦に振った。
「蒼、俺の肩に捕まって…」
伊吹は蒼に肩を貸すと、力を振り絞ってタクシーまで連れて行き、急いで二人、タクシーに乗り込んだ。
「できるだけ早く、〇〇までお願いします‼︎」
伊吹は住所をタクシーの運転手に伝えると、隣で苦しむ蒼の手を握った。
抑制剤飲んだのに、全然効いてない…
蒼はなんとか理性を保とうと、するが息は上がり、冷や汗もかいている。
早く家に着いて‼︎
どうしたんだろう……
それになんだろう…
どこからか甘い香りがしてきた。
伊吹が疑問に思っていると、
「やったー‼︎決まりだね‼︎」
喜んだ柚が蒼の手を握ったとたん、
!!!!!!!!
ブアー!!と甘い香りが放出されたかと思うと、伊吹の体内で何かが、ドクンッ‼︎と脈打った。
なにこの甘い香…
あ!!
もしかして!!
咄嗟に伊吹が柚の方を見ると、
!!!!
やっぱり!!
胸を抑えてうずくまった柚から、大量の甘い香りが放たれていた。
ヒートだ‼︎
しかもすごい量の香……
ベータの俺でもクラクラする……
っあ‼︎
蒼!!
伊吹が蒼の方をみると、
「蒼‼︎」
あのいつも冷静な蒼が、理性を保とうと顔を歪め、奥歯を噛みしめ、もがくように胸元の服を握りしめていた。
「……っして…」
蒼が喉の奥から絞り出すような言葉を発した。
「え⁉︎」
「俺の鞄から、薬出して!!」
‼︎‼︎
伊吹は初めて大声で怒鳴る蒼に驚いたが、すぐに蒼の鞄から緊急ラット抑制剤をとりだすと、蒼に差し出す。
蒼はそれを奪い取ると、震えるてで薬を量など気にせず口に運び、そのまま飲み干した。
あんなに沢山の薬飲んだら‼︎
急に薬が効き出したのか、蒼がよろめいた。
「蒼‼︎」
倒れそうになる蒼を、伊吹は全身で支えるが、体格が違いすぎて伊吹自身もよろけ…
このままじゃ、蒼と一緒に倒れてしまう‼︎
バランスを崩した伊吹が倒れそうになった時、
パシッ
伊吹は腕を掴まれた。
「…大丈夫?」
そこには柚のヒートを全身で浴びながらも片手でヒートの柚を支え、もう片方の手で伊吹を支える孝司の姿があった。
「ありがとうございます。孝司さんが支えてくれなかったら、蒼と二人して倒れているところでした」
「それは…きにしないで…」
孝司もラットにならないよう、理性を必死に奮い立たせていた。
「本当は蒼くんを運ぶのを…手伝ってあげたいけど……ごめんね…、今は…自分の事でいっぱいいっぱいだ…。伊吹くん…一人で…大丈夫?」
孝司は苦しそうに肩で息をしだした。
「俺は大丈夫です!」
伊吹が力強く答えると、孝司は苦しそうだが、微笑み、
「柚は…俺が…連れて帰る…。だから、伊吹くんは……蒼くんを…頼む…」
そういうと、孝司は掴んでいた伊吹の腕を離すと、急いで自分のジャケットのポケットから薬を取り出す。
そして蒼同様、緊急ラット抑制剤を飲み込むと柚を抱きかかえ、店を出た。
「い…ぶき…?」
少し意識がしっかりしてきた蒼が、寄り掛かっていた伊吹から、体を離した。
「‼︎蒼!大丈夫⁉︎」
蒼は声に出しては答えず、首を横に振る。
蒼、そんなに……
「蒼、あそこに停まってるタクシーまで行ける?」
伊吹が店の中見える、外に停まっていたタクシーを指差すと蒼はこくんと頭を縦に振った。
「蒼、俺の肩に捕まって…」
伊吹は蒼に肩を貸すと、力を振り絞ってタクシーまで連れて行き、急いで二人、タクシーに乗り込んだ。
「できるだけ早く、〇〇までお願いします‼︎」
伊吹は住所をタクシーの運転手に伝えると、隣で苦しむ蒼の手を握った。
抑制剤飲んだのに、全然効いてない…
蒼はなんとか理性を保とうと、するが息は上がり、冷や汗もかいている。
早く家に着いて‼︎
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