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ーー『α、Ω適合検査』 ③ 蒼sideーー
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「それに、もうすぐ『α、Ω適合検査』の検査結果もでそうなんだ。その結果を見てから、どうするか菊池先生と相談した後、面会してもらいたいと思ってるんだ」
「…」
「この点滴が終わる頃には、伊吹くんに会えるよ。だから、もう少し待ってて欲しい」
「…」
黙り込む蒼の側に瑆が腰かけ、
「本当に好きなんだね、伊吹くんのこと」
瑆は蒼に微笑みかけた。
「はい!」
蒼も少し照れながら答える。
「大切にしてね。その気持ちも、伊吹くんのことも、蒼くんの自身のことも…。それに何かあったら僕に相談してよ。菊池先生には…いいにくいだろ?」
瑆は悪戯っぽく笑った。
「点滴が終わる頃、また見に来るから。今日は疲れただろ?俺が来るまで眠るといいよ。必ず起こしてあげるから」
そう言って瑆が病室を出ると、そこへ勇気がやってきて……
「伊吹くんと蒼くんの検査結果がでたぞ」
手に持っていた検査結果が書かれた紙を、瑆に手渡した。
「蒼くんの反応や話から考えてみても、やっぱり思った通りだな。それで、どうする?これからの治療方法は…」
瑆はその紙をじっと見、そして勇気の方を見た。
「蒼くんのフェロモンの変動も見ておきたいし、二人とも通院してもらおう」
「そうだね」
瑆がもう一度、視線を落とした紙には、こう書かれていた。
『寺前 伊吹、東 蒼。二人の適合率は99.9%』
と。
「…」
「この点滴が終わる頃には、伊吹くんに会えるよ。だから、もう少し待ってて欲しい」
「…」
黙り込む蒼の側に瑆が腰かけ、
「本当に好きなんだね、伊吹くんのこと」
瑆は蒼に微笑みかけた。
「はい!」
蒼も少し照れながら答える。
「大切にしてね。その気持ちも、伊吹くんのことも、蒼くんの自身のことも…。それに何かあったら僕に相談してよ。菊池先生には…いいにくいだろ?」
瑆は悪戯っぽく笑った。
「点滴が終わる頃、また見に来るから。今日は疲れただろ?俺が来るまで眠るといいよ。必ず起こしてあげるから」
そう言って瑆が病室を出ると、そこへ勇気がやってきて……
「伊吹くんと蒼くんの検査結果がでたぞ」
手に持っていた検査結果が書かれた紙を、瑆に手渡した。
「蒼くんの反応や話から考えてみても、やっぱり思った通りだな。それで、どうする?これからの治療方法は…」
瑆はその紙をじっと見、そして勇気の方を見た。
「蒼くんのフェロモンの変動も見ておきたいし、二人とも通院してもらおう」
「そうだね」
瑆がもう一度、視線を落とした紙には、こう書かれていた。
『寺前 伊吹、東 蒼。二人の適合率は99.9%』
と。
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