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第八話 全力の勉学は全力の恋心とともに(2)
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クリスマスチキンじゃなくてからあげなのはご愛嬌。でも個人的には鳥ならなんでもいいと思っているし、そもそも彼女の手料理だからなんの文句も無い。
こたつの上に料理が並べられる。
そして切り分けられたケーキを俺が小皿に乗せ始めると、彼女は尋ねてきた。
「今日はどれから見る?」
それは勉学が忙しくなってきた最近ではもはや久しぶりと呼べるほどになっていた、映画鑑賞であった。
今日のチョイスはすべて彼女によるものだ。
ゆえにジャンルはタイトルを読まずとも予想出来た。だからどれでも良かったのだが、そういう回答を彼女は嫌がることを知っていたため、俺はちゃんと選ぶことにした。
恋愛ものらしきタイトルが一つ、感動系と思わしきものが二つ、そして残りの一つは有名ファンタジー映画の続編だった。
だから俺は無難なものを選んだ。
それはもちろん有名作の続編だ。
前作の内容をあまり覚えてないが問題無いだろう。きっと見てるうちに思い出す。
彼女も特別に最初に見たいものがあったわけでは無かったらしく、自分の意見を言わぬままその続編の上映を開始した。
そして彼女は俺のそばに歩み寄り、
「よいしょ」
俺とこたつの間に割り込むように、彼女は俺のひざの上に座った。
俺を座椅子にするかのように、胸に背中を預けてくる。
いつからか、二人で映画を見るときはこの体勢がお約束になっていた。
少々息苦しいが問題無い。もう慣れた。
ゆえに恥ずかしさも無い。この距離感が自然体になっていた。
両手は抱きしめるように彼女の腹部へ。これもいつも通りだ。
だから彼女にも照れや恥ずかしさなどは見られない。
そして映画は彼女の頭越しに始まった。
ポップコーンがわりのように、彼女がからあげをつまむ。
うまそうだなあ、そう思った俺は、
「一個たのむ」
エサをねだるヒナ鳥のように口をあけて要求した。
こたつの上に料理が並べられる。
そして切り分けられたケーキを俺が小皿に乗せ始めると、彼女は尋ねてきた。
「今日はどれから見る?」
それは勉学が忙しくなってきた最近ではもはや久しぶりと呼べるほどになっていた、映画鑑賞であった。
今日のチョイスはすべて彼女によるものだ。
ゆえにジャンルはタイトルを読まずとも予想出来た。だからどれでも良かったのだが、そういう回答を彼女は嫌がることを知っていたため、俺はちゃんと選ぶことにした。
恋愛ものらしきタイトルが一つ、感動系と思わしきものが二つ、そして残りの一つは有名ファンタジー映画の続編だった。
だから俺は無難なものを選んだ。
それはもちろん有名作の続編だ。
前作の内容をあまり覚えてないが問題無いだろう。きっと見てるうちに思い出す。
彼女も特別に最初に見たいものがあったわけでは無かったらしく、自分の意見を言わぬままその続編の上映を開始した。
そして彼女は俺のそばに歩み寄り、
「よいしょ」
俺とこたつの間に割り込むように、彼女は俺のひざの上に座った。
俺を座椅子にするかのように、胸に背中を預けてくる。
いつからか、二人で映画を見るときはこの体勢がお約束になっていた。
少々息苦しいが問題無い。もう慣れた。
ゆえに恥ずかしさも無い。この距離感が自然体になっていた。
両手は抱きしめるように彼女の腹部へ。これもいつも通りだ。
だから彼女にも照れや恥ずかしさなどは見られない。
そして映画は彼女の頭越しに始まった。
ポップコーンがわりのように、彼女がからあげをつまむ。
うまそうだなあ、そう思った俺は、
「一個たのむ」
エサをねだるヒナ鳥のように口をあけて要求した。
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