66 / 72
66
しおりを挟む
わたしの視線を受けた王女殿下は、“ブラックオパール”の輝く扇子を口元に当ててころころと笑った。
その無邪気な愛らしさに、雰囲気に、わたしは背筋にぞっと悪寒が走るのを感じた。
これは人間じゃない。
直感がそんな馬鹿げたことを考えだしてしまうくらいに、王女殿下はおかしい。………狂っている。
わたしの瞳が告げる。
コレには関わるべきではないと。コレに関わると碌な目には合わないと。
「あたたは気づいているのでしょう?わたくしが膿を出すだなんて高潔な理由でこの遊びに乗り出したんじゃないってことぐらい」
うふふっと笑う王女殿下は、先程までの愛らしい表情をにいっと歪めて、その美しい相貌に仄暗く、笑っている悪魔の絵画を連想させるような笑みを浮かべた。
「わたくしにとってはね、この世界全てが玩具なの。だからコレはね、わたくしを担ぎ出して兄さまを陥れようとした悪いお人形さんへの罰。ねぇ?素敵でしょう」
ころころと笑う王女殿下は愛らしい。
その愛らしさに、恐ろしさに、近寄りがたい価値観に、わたしは自身の瞳に映る真実に、己という存在を否定されているような錯覚を覚える。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
その無邪気な愛らしさに、雰囲気に、わたしは背筋にぞっと悪寒が走るのを感じた。
これは人間じゃない。
直感がそんな馬鹿げたことを考えだしてしまうくらいに、王女殿下はおかしい。………狂っている。
わたしの瞳が告げる。
コレには関わるべきではないと。コレに関わると碌な目には合わないと。
「あたたは気づいているのでしょう?わたくしが膿を出すだなんて高潔な理由でこの遊びに乗り出したんじゃないってことぐらい」
うふふっと笑う王女殿下は、先程までの愛らしい表情をにいっと歪めて、その美しい相貌に仄暗く、笑っている悪魔の絵画を連想させるような笑みを浮かべた。
「わたくしにとってはね、この世界全てが玩具なの。だからコレはね、わたくしを担ぎ出して兄さまを陥れようとした悪いお人形さんへの罰。ねぇ?素敵でしょう」
ころころと笑う王女殿下は愛らしい。
その愛らしさに、恐ろしさに、近寄りがたい価値観に、わたしは自身の瞳に映る真実に、己という存在を否定されているような錯覚を覚える。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
133
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる