12 / 18
12 恐ろしいお仕置き
しおりを挟む
レオンさまのお仕置きは碌なことが起こった試しがない。
ある時はわたくしが隻眼故に暗い空間では動けないのを知っていて真っ暗なレオンさまのお部屋に置き去りにされたし、またある時は1時間もこしょこしょとくすぐられて正気を失わされたし、またある時は王太子妃教育の食事マナーで出てくる食べ物をわたくしの大嫌いなピーマン祭りにされたし、またある時はわたくしが彼の顔と声に弱いのを利用して2時間もお父さまやお母さま、国王陛下や王妃陛下の前でお膝の上に乗せられて頭を撫でられ続けた。その時はレオンさま手ずからわたくしのお口にあーんとお菓子を食べさせられ、飲み物を飲ませられたために、本当に居た堪れなくて死にそうだったのを覚えている。もうあんな目にだけは会いたくない。
わたくしは床に座り込んだまま彼の真っ白なスラックスを軽く引っ張りながら、涙によって濡れ、恐怖によって震える身体で彼を見上げながら意図せず悲痛な声をあげてしまう。
「れ、レオンハルト王太子、」
「あれ?僕の可愛い可愛いエリーはもぉーっとお仕置きを受けたいのかな?」
「ひいぃっ、れ、レオンさま。………お、お仕置きはヤです。お願いします、後生だから………、ね?」
「ふふっ、そうだなぁ。あんまりやっても可哀想だし、執務中4時間僕のお膝の上で啼いてくれたら許そうかな」
「いやああああぁぁぁぁぁ!!」
あまりのことに絶叫したわたくしを、レオンさまは軽々と抱き上げた。
「ははっ、かぁーわいぃ」
ちゅっという可愛らしい音を立てながらわたくしの顔中にキスを落とすこのキス魔をどうにかする術なんて、わたくしには持ち合わせていない。だからだろうか。わたくしは1番行ってはいけない選択肢をとってしまった。されるがままに彼にキスをされ、目の前で怒りによって震えているアイーシャに手を伸ばしてしまったのだ。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
ある時はわたくしが隻眼故に暗い空間では動けないのを知っていて真っ暗なレオンさまのお部屋に置き去りにされたし、またある時は1時間もこしょこしょとくすぐられて正気を失わされたし、またある時は王太子妃教育の食事マナーで出てくる食べ物をわたくしの大嫌いなピーマン祭りにされたし、またある時はわたくしが彼の顔と声に弱いのを利用して2時間もお父さまやお母さま、国王陛下や王妃陛下の前でお膝の上に乗せられて頭を撫でられ続けた。その時はレオンさま手ずからわたくしのお口にあーんとお菓子を食べさせられ、飲み物を飲ませられたために、本当に居た堪れなくて死にそうだったのを覚えている。もうあんな目にだけは会いたくない。
わたくしは床に座り込んだまま彼の真っ白なスラックスを軽く引っ張りながら、涙によって濡れ、恐怖によって震える身体で彼を見上げながら意図せず悲痛な声をあげてしまう。
「れ、レオンハルト王太子、」
「あれ?僕の可愛い可愛いエリーはもぉーっとお仕置きを受けたいのかな?」
「ひいぃっ、れ、レオンさま。………お、お仕置きはヤです。お願いします、後生だから………、ね?」
「ふふっ、そうだなぁ。あんまりやっても可哀想だし、執務中4時間僕のお膝の上で啼いてくれたら許そうかな」
「いやああああぁぁぁぁぁ!!」
あまりのことに絶叫したわたくしを、レオンさまは軽々と抱き上げた。
「ははっ、かぁーわいぃ」
ちゅっという可愛らしい音を立てながらわたくしの顔中にキスを落とすこのキス魔をどうにかする術なんて、わたくしには持ち合わせていない。だからだろうか。わたくしは1番行ってはいけない選択肢をとってしまった。されるがままに彼にキスをされ、目の前で怒りによって震えているアイーシャに手を伸ばしてしまったのだ。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
35
あなたにおすすめの小説
光の王太子殿下は愛したい
葵川真衣
恋愛
王太子アドレーには、婚約者がいる。公爵令嬢のクリスティンだ。
わがままな婚約者に、アドレーは元々関心をもっていなかった。
だが、彼女はあるときを境に変わる。
アドレーはそんなクリスティンに惹かれていくのだった。しかし彼女は変わりはじめたときから、よそよそしい。
どうやら、他の少女にアドレーが惹かれると思い込んでいるようである。
目移りなどしないのに。
果たしてアドレーは、乙女ゲームの悪役令嬢に転生している婚約者を、振り向かせることができるのか……!?
ラブラブを望む王太子と、未来を恐れる悪役令嬢の攻防のラブ(?)コメディ。
☆完結しました。ありがとうございました。番外編等、不定期更新です。
【完結】死に戻り8度目の伯爵令嬢は今度こそ破談を成功させたい!
雲井咲穂(くもいさほ)
恋愛
アンテリーゼ・フォン・マトヴァイユ伯爵令嬢は婚約式当日、婚約者の逢引を目撃し、動揺して婚約式の会場である螺旋階段から足を滑らせて後頭部を強打し不慮の死を遂げてしまう。
しかし、目が覚めると確かに死んだはずなのに婚約式の一週間前に時間が戻っている。混乱する中必死で記憶を蘇らせると、自分がこれまでに前回分含めて合計7回も婚約者と不貞相手が原因で死んでは生き返りを繰り返している事実を思い出す。
婚約者との結婚が「死」に直結することを知ったアンテリーゼは、今度は自分から婚約を破棄し自分を裏切った婚約者に社会的制裁を喰らわせ、婚約式というタイムリミットが迫る中、「死」を回避するために奔走する。
ーーーーーーーーー
2024/01/13 ランキング→恋愛95位 ありがとうございました!
なろうでも掲載20万PVありがとうございましたっ!
婚約を破棄して気づけば私は悪役令嬢でした。
hikari
恋愛
妹に婚約者を奪われて狼狽していたら、自分はある乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた事に気づく。
妹のナタリーがヒロイン。両親は妹の味方。唯一の味方が弟のルイでした。
しかも、何をしてもダメ出しをする間抜けな平民のダメンズに言い寄られ、しつこくされています。私に分相応なのはこの平民のダメンズなの!?
悪役令嬢ものは初めてです。
今作はギャグがメイン
婚約破棄ですか。ゲームみたいに上手くはいきませんよ?
ゆるり
恋愛
公爵令嬢スカーレットは婚約者を紹介された時に前世を思い出した。そして、この世界が前世での乙女ゲームの世界に似ていることに気付く。シナリオなんて気にせず生きていくことを決めたが、学園にヒロイン気取りの少女が入学してきたことで、スカーレットの運命が変わっていく。全6話予定
聖女をぶん殴った女が妻になった。「貴女を愛することはありません」と言ったら、「はい、知ってます」と言われた。
下菊みこと
恋愛
主人公は、聖女をぶん殴った女を妻に迎えた。迎えたというか、強制的にそうなった。幼馴染を愛する主人公は、「貴女を愛することはありません」というが、返答は予想外のもの。
この結婚の先に、幸せはあるだろうか?
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄を求められました。私は嬉しいですが、貴方はそれでいいのですね?
ゆるり
恋愛
アリシエラは聖女であり、婚約者と結婚して王太子妃になる筈だった。しかし、ある少女の登場により、未来が狂いだす。婚約破棄を求める彼にアリシエラは答えた。「はい、喜んで」と。
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる