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第16話
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さてと、一度帰って一眠りしよう。僕は自分の部屋に戻り布団で横になった。目覚ましのアラームで目が覚め、すぐに起き上がる。時間は午後3時半を回っている。梅田さんと待ち合わせしたファミレスは車で10分ほどなのでそれほど慌てて出る必要もなく、冷蔵庫で冷やしてある缶コーヒーを開けてゆっくり空にする。あまり気乗りはしないが梅田さんの話を聞きに出掛けようか…重い足取りで車に乗り込みファミレスの駐車場に到着した。車を降りて梅田さんの姿を探す。まだ着いてないかなぁ…とりあえず店内で待ってみようか。自動扉が開き中へ入ると梅田さんが既に立って待っていた。
「あっ、もう来てたんですね…すみません、お待たせしちゃって…」
僕は平謝りすると梅田さんは笑顔で
「いいのいいの、ゴメンねせっかくの休みに拘束しちゃって。さ、ここは私が出すから」
とりあえず僕たちは席に着きオーダーを始める。僕はドリンクを注文した。梅田さんはデザートとドリンクを注文していた。
「北村君、何か食べないの?」
僕はこの後朋美さんと一緒に夕飯をと考えていたので何も食べたくなかった。
「えぇ、僕は全然お腹空いてないので大丈夫です。」
「あら、そう?」
「ところで話ってなんです?何か悩み事の相談ですか?」
さっさとこの用事を終わらせて朋美さんの元へ帰りたかったので早速本題に迫ったのだが…
「あのね…北村君…今、彼女とか居るの?」
梅田さんの口から思わぬ質問が飛んで来て返答に困ってしまった。彼女…と呼べるんだろうか?バーチャルでってことだけど…余計な邪魔を避ける為には居ると返事しといた方が良さそうだけど…でも…何だろ?いきなりそんな話をしてくるとは…すごく面倒なことになる予感が…
「い…一応…居ますよ…彼女…」
と曖昧な返答をしてしまった。
「一応?それって…まさか…鈴木さんじゃ無いよね?」
僕はドキッとして目を見開いてしまった。
「え?ほんとに?鈴木さんなの?」
僕は朋美さんのことを思いとっさに
「ち…違いますよ!鈴木さんじゃありませんよ!」
と言ったが、強く否定したことに内心後ろめたさを感じてしまう。
「そうよねぇ~。北村君みたいな若い子があんなオバサンと付き合うわけないわよねぇ~。」
僕はその言葉にものすごい憤りを感じた。そして思わず
「鈴木さんをあんなオバサンって!それはちょっと失礼じゃないですか!彼女はとても親切だし、すごく優しいし、気も利いてとても魅力的な女性だと思う!正直あぁいう女性に僕は憧れますけどね!」
それが梅田さんにとって嫉妬心に火を付けてしまうことになるとは思っても見なかった。
「もしかして、北村君…鈴木さんのことが好きなの?あんな歳の離れた女が好きなの?それ…本気?」
梅田さんが嫉妬に狂った目付きで強い口調で僕に迫ってきた。
その時オーダーしていたドリンクとデザートが運ばれてきて一旦休戦となった。梅田さんは怒りでなのか、震える手でグラスを持ちゴクッと半分一気に飲んでいた。僕も怒りを静めて落ち着いて口を開く。
「梅田さん…まぁ落ち着きましょう…別に僕は鈴木さんに憧れると言っただけで好きだと言ってるわけじゃありませんよ…でも、ちょっと梅田さんも口が悪かったんじゃありませんか?何もそんな言い方する必要はないでしょう?」
「わかったわ…ごめんなさい…たしかに言い方は悪かったわね…」
梅田さんは少し落ち着いたようで、冷静にそう言った。
「でも、北村君彼女居るんだ…」
肩を落としてそう言った彼女の様子を見て、僕は動揺する。
「梅田さん?」
僕は恐る恐る彼女の顔色を伺う。
「食堂では北村君彼女居ないってとか、そんな噂話をパートさん方がしてたから…てっきり居ないんだと思っていたんだけど…そっか…ゴメンね…今日もこの後デートがあるんでしょ?だから早めに切り上げようとしてたんでしょ?こんな私にこんな話に付き合わされて迷惑かけたわね…」
さっきまでとは打って変わって哀愁漂う表情を見せられ、思わず僕は
「いや…あの…別に全然そんな事ないっていうか…その…彼女なのかなぁ~?っていう存在っていうか…別に迷惑とかじゃないんで…あの…気にしないでくださいね?」
その言葉がまさか彼女に思わぬ勘違いをさせるとは思っても見なかった。
「じゃあ、私と付き合ってくれる?彼女かわからない存在なら私にもチャンスはあるわよね?」
いったい…この人は…どれほどポジティブでグイグイと押してくるんだろう…正直こういう女性は引いちゃうなぁ…どう断ろうか考えてると更に梅田さんが詰めてきた。
「北村君…これからホテル行かない?」
はっ?ホテル?何を言ってるの?何で?付き合ってもいないし、全く興味もない上に、今さっきまともに会話した程度の仲でいきなりホテル?梅田さん…この人はいったい…
「あっ、もう来てたんですね…すみません、お待たせしちゃって…」
僕は平謝りすると梅田さんは笑顔で
「いいのいいの、ゴメンねせっかくの休みに拘束しちゃって。さ、ここは私が出すから」
とりあえず僕たちは席に着きオーダーを始める。僕はドリンクを注文した。梅田さんはデザートとドリンクを注文していた。
「北村君、何か食べないの?」
僕はこの後朋美さんと一緒に夕飯をと考えていたので何も食べたくなかった。
「えぇ、僕は全然お腹空いてないので大丈夫です。」
「あら、そう?」
「ところで話ってなんです?何か悩み事の相談ですか?」
さっさとこの用事を終わらせて朋美さんの元へ帰りたかったので早速本題に迫ったのだが…
「あのね…北村君…今、彼女とか居るの?」
梅田さんの口から思わぬ質問が飛んで来て返答に困ってしまった。彼女…と呼べるんだろうか?バーチャルでってことだけど…余計な邪魔を避ける為には居ると返事しといた方が良さそうだけど…でも…何だろ?いきなりそんな話をしてくるとは…すごく面倒なことになる予感が…
「い…一応…居ますよ…彼女…」
と曖昧な返答をしてしまった。
「一応?それって…まさか…鈴木さんじゃ無いよね?」
僕はドキッとして目を見開いてしまった。
「え?ほんとに?鈴木さんなの?」
僕は朋美さんのことを思いとっさに
「ち…違いますよ!鈴木さんじゃありませんよ!」
と言ったが、強く否定したことに内心後ろめたさを感じてしまう。
「そうよねぇ~。北村君みたいな若い子があんなオバサンと付き合うわけないわよねぇ~。」
僕はその言葉にものすごい憤りを感じた。そして思わず
「鈴木さんをあんなオバサンって!それはちょっと失礼じゃないですか!彼女はとても親切だし、すごく優しいし、気も利いてとても魅力的な女性だと思う!正直あぁいう女性に僕は憧れますけどね!」
それが梅田さんにとって嫉妬心に火を付けてしまうことになるとは思っても見なかった。
「もしかして、北村君…鈴木さんのことが好きなの?あんな歳の離れた女が好きなの?それ…本気?」
梅田さんが嫉妬に狂った目付きで強い口調で僕に迫ってきた。
その時オーダーしていたドリンクとデザートが運ばれてきて一旦休戦となった。梅田さんは怒りでなのか、震える手でグラスを持ちゴクッと半分一気に飲んでいた。僕も怒りを静めて落ち着いて口を開く。
「梅田さん…まぁ落ち着きましょう…別に僕は鈴木さんに憧れると言っただけで好きだと言ってるわけじゃありませんよ…でも、ちょっと梅田さんも口が悪かったんじゃありませんか?何もそんな言い方する必要はないでしょう?」
「わかったわ…ごめんなさい…たしかに言い方は悪かったわね…」
梅田さんは少し落ち着いたようで、冷静にそう言った。
「でも、北村君彼女居るんだ…」
肩を落としてそう言った彼女の様子を見て、僕は動揺する。
「梅田さん?」
僕は恐る恐る彼女の顔色を伺う。
「食堂では北村君彼女居ないってとか、そんな噂話をパートさん方がしてたから…てっきり居ないんだと思っていたんだけど…そっか…ゴメンね…今日もこの後デートがあるんでしょ?だから早めに切り上げようとしてたんでしょ?こんな私にこんな話に付き合わされて迷惑かけたわね…」
さっきまでとは打って変わって哀愁漂う表情を見せられ、思わず僕は
「いや…あの…別に全然そんな事ないっていうか…その…彼女なのかなぁ~?っていう存在っていうか…別に迷惑とかじゃないんで…あの…気にしないでくださいね?」
その言葉がまさか彼女に思わぬ勘違いをさせるとは思っても見なかった。
「じゃあ、私と付き合ってくれる?彼女かわからない存在なら私にもチャンスはあるわよね?」
いったい…この人は…どれほどポジティブでグイグイと押してくるんだろう…正直こういう女性は引いちゃうなぁ…どう断ろうか考えてると更に梅田さんが詰めてきた。
「北村君…これからホテル行かない?」
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