親子ほど歳の離れた異性に恋に落ちたことはありますか?

CPM

文字の大きさ
28 / 32

第28話

しおりを挟む
結局僕は一睡も出来ないまま朝を迎えることになった。

もう…仕事に行きたくない…もう朋美さんの顔を見たくない…これからどんな顔で朋美さんと顔を合わせるの?やっぱり同じ職場で恋愛なんかするんじゃなかった…こんな酷い目に会うなら朋美さんと深く関わるんじゃなかった…ここ最近急に想い出想い出って…記念撮影って…こんな終わり方をするためにあんなに急いでたの?どうして?僕は何かしましたか?こんな当て付けみたいなことをされるようなことをしたのかな…もうこれは計画的だったのかな…体調不良って言って仕事休んでたのも全部嘘だったのかな…ほんとはあの男と陰で会ってたのかな…あの男と大人の関係を持ちながら僕を弄(もてあそ)んで馬鹿な奴だと思って笑ってたのかな…こんなの酷いよ…酷すぎるよ…あんまりだよ…僕のこの怒りと虚しさをいったいどこにぶつければいいんだよ…貴女はそれでいいかもしれない…でも、何も知らずに遊ばれてた僕の気持ちはわかってくれないの?男遍歴…あの噂は結局本当だったのかよ!僕はずっと貴女のことをそんな女じゃないと信じてたのに!本気で好きになったのに…


本気で………


愛した女性だったのに………






もう………




僕は……………





何も信じることが出来ない………………




せめて………




最後に一言……………




一言だけ言ってください……………




遊びじゃ………


なかったって………


僕を………


たぶらかしたわけじゃないって………


それだけでいい………


その言葉を………最後にくれたら………きっと救われる………


そうだ………電話で話せないのならちゃんと最後に会って話さなきゃ………


ちゃんと朋美さんの口から終わりを………告げてもらわなきゃ………


僕は前に進むことが出来ないよ!


僕はこの日仕事を休むことも考えたが、やっぱりここで逃げたらあの高橋副店長に敗けを認めることになると思った。だから、勇気を出して出勤し、そして朋美さんとちゃんと向き合って全てを終わらせようと思った。

僕は負け犬なんかじゃない!ちゃんと最後までケジメをつける!

僕はいつも通り出勤し、ただ黙々と仕事と向き合った。そして開店直前になって鮮魚コーナー従業員が皆緊急ミーティングで召集された。そこには店長と副店長も顔を並べていた。僕は高橋副店長とは一切目を合わさずにいた。
そこで店長から思いもよらぬ言葉が発せられた。

「えぇ、今皆さんにお集まり頂いたのはちょっと大事な報告がありまして、実はパートの鈴木朋美さんが、ま…家庭の都合ということであまりにも急なんですが皆さんにお別れの挨拶も出来ぬまま退職されたものですから、色々皆さんには負担をおかけすることにはなってしまいますが、ここはしばらくの間全員一丸となって協力して乗りきって頂きたいと、こういうお話であります。高橋副店長もその分出来るだけ鮮魚コーナーの補佐に回って頂けるということなので、ご理解とご協力………


僕はあまりの唐突な出来事の連続に意識が遠退いて行った。
そして気付いたら僕は事務所に仰向けで寝かされていた。

「おっ!北村君気がついたかね?」

そう声をかけて来たのは店長だった。

「いやぁ、突然倒れたから驚いたよ。すぐに救急車が来るからそのまま横になって…大丈夫かな?具合はどう?」

「す………すいません…ちょっと昨日一睡もしてなかったからだと思います………」

「どうしたの?」

「いえ…ほんとすいません…大丈夫ですから…ご心配おかけしました…」

そこへすぐに救急隊員の人達が駆けつけてきた。

「こちらの方でしょうか?」

救急隊員の人が僕に近付いてそう言った。

「すみません…大丈夫です。ちょっと寝不足で意識が朦朧として…でも、もう大丈夫なんで…すいません…」

僕は必死で謝りながら救急隊員の人達に帰ってもらった。
店長も胸を撫で下ろして今日の所はそのまま帰りなさいと言ってくれたので早退することにした。

僕は自分の部屋に戻り、また孤独で地獄のような時間を過ごすことになった。

これが…朋美さんの答えですか?何も言わず、いきなり僕の前から姿を消して…一方的に連絡も切って…

そして………朋美さんだけあの男と幸せに?

もういいや…

もうどうでもいいや…

朋美さんからもらったこの腕時計も…

もう必要ないよ…

二人で撮った写真も全部…

こんな茶番劇があるものなの?

もう全て…全て処分しよう…

もう全て忘れよう………

もう何もかも棄てやる……………


僕は壊れた。

完全に壊れた。

自暴自棄になり理性という概念を僕の中から取り払った。


そして…

僕はこの日から全く違う自分へと生まれ変わった。

飲めもしないお酒を呑んで、出会い系サイトに登録し手当たり次第に女を漁(あさ)った。
正直相手なんて誰でも良かった。自分を相手してくれる女なら誰でも…
ギャンブルにも走った。全く知識も無いのにパチンコ、スロットに手を出し、そしてどんどんどんどん生活は荒んでいった。

そんな壊れた生活が数ヶ月続いたある日、一本の電話が僕の目を覚まさせる。

「もしもし?」

「もしもし和也?久しぶりだねぇ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!

タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。 姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。 しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──? 全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...