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最終話
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俺は彼女を抱き抱え、ベッドにそっと下ろした。そしてそのまま覆い被さる。
腕の間に彼女の小さい顔がある。
「リュー?」
「…もう、逃がしてあげないよ」
俺は気づいていた。
時間が合わない。
忙しい。
疲れたから先に寝る。
それは、彼女が初夜を拒んでいたからだ。
「授業構成をもう少し考えたいから、私室で寝るわ」
「少し風邪気味で、移したら悪いから」
そんな理由を使っていた。
でも、時には夫婦の寝室で嘘寝していたのも知ってる。
傷つける為だけに商売女を激しく夫婦の寝室で抱き、その音を聞かせ、彼女の愛を踏みにじった。
彼女は俺との閨を恐れている。
いや、嫌悪感もあっただろう。
おそらく、俺が強引に関係を迫れば、なし崩しに身体を繋げることは出来た。しかし、それでは意味がないんだ。
愛し合いたい。
それが俺の願いだ。
いくらでも待つつもりだった。
まぁ、夢精するほど恋い焦がれたが…。
彼女の意思を尊重する。嫌がることはしない。と、心に決めていた。
彼女をまっすぐ見下ろす。
ゆっくりと顔を近づける。
あと少しで唇が重なる寸前、彼女の体が固くなった。
思わず苦笑する。
「あぁ、リュー、ごめん、なさい」
涙を浮かべられると、何も言えないじゃないか。
本当に罪な人だ。
俺は身体をお越し、彼女の左手を取る。
手の甲にキスをする。
「ひゃん!」
可愛い声。
「嫌?」
首を横に振る。
その仕草は反則だ。
俺は彼女の薬指にはめた指輪を口を使って取っていく。
歯がエリーの薬指をはう。
「ひぁ!」
彼女は困惑しているのか、右手で口元を押さえている。
頬が上気しているのが目の端に映る。
取り終わると、ズボンのポケットに入れる。失くしたら大変だ。
「俺が持っておくから心配しないで。それより、歯が当たってしまったから、消毒しよう」
薬指にゆっくりと舌を這わせていく。
指先から指の付け根まで。
彼女に見えるように、丹念に。
付け根がお気に召したのか、軽く舌先で刺激すると、面白いほど反応する。
「ひぁぁ…、リュー、ダメ…」
「まだ消毒中だよ」
薬指を堪能したのち、中指に舌を這わせていく。
「あっ、ダメ、んっ」
ゆっくりと、ゆっくりと…。
中指と人差し指の間の付け根前でやめる。
「え…」
彼女の驚いた表情が堪らない。
付け根がお気に入りなのに、突然やめてしまう。
期待していたものがもらえない。
じれったいだろ?
「あっ…。リュー…」
頬が赤くなり、瞳を潤ませる。
続けて欲しそうな懇願の眼差し。
あぁ、そそるよ。
「どうしてほしい?」
口をぱくぱくさせて、恥ずかしそうに言葉を探してる。
思わず意地悪い笑顔が顔を出す。
指でこんなに敏感なんだ、それならーー
「エリー」
左耳元で囁き、軽く吐息をかける。
「ん!」
左手は俺がベッドに押し付けてるから、耳を隠すことができず、悶える姿に下半身が熱くなる。
耳殻をそっと、ゆっくりと舐めあげる。
どんどんと耳が赤みを増していく。
「可愛い耳だね」
耳元で囁く。
見悶える彼女。
ピチャピチャとわざと音を立てる。
「ひぁ、ダメ、リュー」
「素敵だよ、エリー」
耳殻から耳穴に舌を移動する。
「ひゃぁ!」
面白いほど反応する。
あぁ、可愛くてめちゃくちゃしてしまいたい。
口を押さえる右手に手を添える。
潤んだ瞳に、かろうじて残る理性が焼き切れそうだ。
獰猛な獣の様に彼女を貪れたら、どんなに幸せだろう。しかし、まだだ。
「キス、してもいい?」
あぁ、戸惑っている。
親指の腹で彼女の唇をなぞる。
拒否の反応はない。
下唇をなぞり、上唇をなぞる。
プックリとした唇の感触は癖になりそうだ。
指が歯に当たるが、構わずなぞる。
第一間接まで口内に入ったが、彼女は拒否しなかった。
舌が当たる。
柔らかい。
指で舌を転がす。
あまりの気持ちよさに夢中になってしまった。
気がつくと、彼女の表情は惚けており、口の端から滴がこぼれ落ちていた。
「いい?」
彼女がわずかにうなずく。
指で蹂躙していた舌を、今度は己の舌で蹂躙する。
ゆっくりと彼女の舌の感触を感じ、上顎、歯列を味わう。
「んっ…あっ」
舌を離すとき、彼女の舌との間に銀色の糸ができ、名残惜しそうに俺を見つめる彼女が愛しい。
「綺麗だよエリー」
彼女の頬に触れる。
片手でシャツのボタンを外し、前をはだけさせる。
「あっ…」
俺の身体には、それなりの傷が点在している。ハイルディー商会を大商会まで押し上げるのは並大抵のことではなかった。しかもジェントリの身分でだ。危ない橋を何度も渡り、命を危険にさらすことは日常茶飯事だった。
自慢ではないが、そこらの騎士より身体を鍛え上げていると思う。
エリーゼはチラッと見える肩の傷に触れる。
「見たくないなら、服を着るよ」
「いいえ、大丈…夫」
肩の傷は彼女の姉ミリアリアにつけられたものだ。
復讐の代償だと思っている。
シャツを脱ぎ、ベッド下に落とす。
彼女の手を自分の心臓に当てる。
「この高鳴りがわかる?とてもドキドキしてるよ、同じだ」
次に、彼女のネグリジェに手を伸ばす。
リボンをほどき、彼女の鎖骨に手を這わせ、肩から脱がしていく。
今まで隠れていた、二つの膨らみを外気に触れさせる。
「綺麗だ」
頬を赤らめ、顔を背ける。
可愛らしい。
そして、傷ひとつない白く滑らかな、まるで陶器のような肌に、俺自身も興奮してくる。
ネグリジェを剥ぎ取り、彼女の裸体が露になる。ショーツさえも剥ぎ取った。
彼女は身を縮込ませ、目を潤ませながらこちらを見ていた。
「リュー…そんなに見ないで…」
「美しい…。君に触れることが出来て幸せだ。俺は今、世界一の幸せを感じているよ」
彼女の太ももに手を這わせ、間にわって入り、秘められた茂みから蕾を見つける。
軽く触ると、彼女の体がビクンと反応する。
「そんなところ、汚い…」
「エリーに汚いところなんてないよ。心配なら、俺が綺麗にしてあげる」
彼女の膝からキスをしていき、秘められた蕾を軽く吸い上げる。
「あぁ!」
舌で優しく転がすと、茂みが濡れ始めた。
「感じているんだね。嬉しいよ」
「あん!そんなところで、話さないで…」
「可愛い」
可愛いアソコを何度も舐めあげ、蕾を愛撫する。
力の入らない腕で俺の頭に触る彼女。感じすぎて逃げたのだろう。しかし、身体は次の刺激が欲しいのか、ヒクヒクと何かを求めている。
「リュー、もう、おかしく、ああ!」
息も絶え絶えに懇願する。
彼女の行為はより男を刺激すると知らないのだろう。より、彼女を喘がせたいと嗜虐的な思考にシフトしていく。
蕾を刺激しながら、蜜壺に舌をねじ込む。
「あぁ!」
甘い声を聞けば聞くほど、彼女に飢えていく。もっと、もっと聞きたい!
今度は蕾を舌で愛撫し、指で蜜壺を刺激する。まずは一本。
「い、入れちゃ、ダメ…。んっ!」
とても狭い。でも、この場所に踏み込んだのは自分が初めてであると思うと、嬉しくてより激しくしてしまう。
指や舌を使い、彼女を快楽の海に引きずり込む。
蕾を転がし、強く吸ったり、押し潰したりと、反応を楽しみながら、彼女の絶頂を誘う。
「リュー、やめ…て、何か、ああ!」
彼女の体が震撼した。
体が脱力し、息が荒くなっている。
始めての絶頂を経験したようだ。
俺はズボンを脱ぎ捨て、彼女の足を掴む。
己をこんなに固くしたことなど無かったと思うほど、いきり立ち、早くこの熱で彼女を自分のものにしたい。
「俺の全てを捧げる。体も魂ですら君のものだ。生涯君だけを愛する。だから、俺の愛を受け止めて欲しい。エリー、愛してる」
「は、い。私も愛して、います」
あぁ、愛しい人。
君の始めての男になれたことを、そして最後の男になれる幸せをありがとう。
蜜壺に己を少しずつねじ込む。
彼女の顔が苦痛に歪む。
「息をはいて…。力を抜くんだ」
「そんな、こと、くっ、わから、あ!」
蕾を刺激しつつ、ゆっくりと挿入していく。狭くて、動き辛いが、それがとても幸せだった。
時間をかけて奥まで挿入する。
「ああ!」
「奥まで、入った。よく頑張った」
彼女の頬を撫でる。
彼女が俺の手に手を添えて
「リューは、私のもの、ですね」
頬を上気させ、潤んだ瞳で微笑む彼女に理性を焼き切られた。
「罪な人だ。君が悪いんだ」
ゆっくりと律動を開始する。
「リュー?!」
「これで終わりじゃない、これからが本番だよ」
俺はきっと、意地悪な顔をしているのだろう。
彼女の顔が一瞬ひきつった。
でもこれは彼女が悪い。
可愛い顔して、男の理性を奪うなんて、憎らしくて愛らしい。
どれくらい彼女を堪能しただろう。
彼女は行為の最中に気絶してしまった。
お互いの体液でお互いを汚し、ベッドも悲惨な状態だ。
タライにお湯を張り、タオルで彼女の身体を丁寧に清めていく。
また、タオルで彼女をくるみ、ソファーに移動させ、ベッドシーツカバーを取り替えたのち、再度ベッドに戻した。
このシーツカバーは一生の宝物だな。
後程ふさわしい宝箱を準備するとして、部屋に備え付けてある金庫に押し込む。
軽くシャワーを浴び、再び彼女の眠るベッドに潜り込む。
規則正しい寝息が聞こえる。
可愛い。
行為の初めは、辛そうにするときがあったので手加減をしたが、数をこなすうちに快感を覚えたようだ。
夢で見た痴態は全て網羅した。
実際の彼女の艶かしい声は想像以上で、何度彼女の中で果てようと、収まりがつかなかった。
ただ、処女だった彼女にこの仕打ちは酷かったかも知れない…。
起きたときに怒るだろうか…。
起きたときに頬を膨らませて怒る彼女を想像して、また欲望が頭を上げそうになる。
怒った彼女を、今度はどうやって愛そうか寝顔を見ながら夢想する。
夢にまで見た彼女との初夜を過ごし、幸せの絶頂を噛みしめ、この先の幸せに胸を膨らませた。
《Fin》
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
こちらの作品は
『愚かな旦那様~間違えて復讐した人は、初恋の人でした~』
の、その後のエピソードになっています。
そちらも読んでいただければ幸いです。
腕の間に彼女の小さい顔がある。
「リュー?」
「…もう、逃がしてあげないよ」
俺は気づいていた。
時間が合わない。
忙しい。
疲れたから先に寝る。
それは、彼女が初夜を拒んでいたからだ。
「授業構成をもう少し考えたいから、私室で寝るわ」
「少し風邪気味で、移したら悪いから」
そんな理由を使っていた。
でも、時には夫婦の寝室で嘘寝していたのも知ってる。
傷つける為だけに商売女を激しく夫婦の寝室で抱き、その音を聞かせ、彼女の愛を踏みにじった。
彼女は俺との閨を恐れている。
いや、嫌悪感もあっただろう。
おそらく、俺が強引に関係を迫れば、なし崩しに身体を繋げることは出来た。しかし、それでは意味がないんだ。
愛し合いたい。
それが俺の願いだ。
いくらでも待つつもりだった。
まぁ、夢精するほど恋い焦がれたが…。
彼女の意思を尊重する。嫌がることはしない。と、心に決めていた。
彼女をまっすぐ見下ろす。
ゆっくりと顔を近づける。
あと少しで唇が重なる寸前、彼女の体が固くなった。
思わず苦笑する。
「あぁ、リュー、ごめん、なさい」
涙を浮かべられると、何も言えないじゃないか。
本当に罪な人だ。
俺は身体をお越し、彼女の左手を取る。
手の甲にキスをする。
「ひゃん!」
可愛い声。
「嫌?」
首を横に振る。
その仕草は反則だ。
俺は彼女の薬指にはめた指輪を口を使って取っていく。
歯がエリーの薬指をはう。
「ひぁ!」
彼女は困惑しているのか、右手で口元を押さえている。
頬が上気しているのが目の端に映る。
取り終わると、ズボンのポケットに入れる。失くしたら大変だ。
「俺が持っておくから心配しないで。それより、歯が当たってしまったから、消毒しよう」
薬指にゆっくりと舌を這わせていく。
指先から指の付け根まで。
彼女に見えるように、丹念に。
付け根がお気に召したのか、軽く舌先で刺激すると、面白いほど反応する。
「ひぁぁ…、リュー、ダメ…」
「まだ消毒中だよ」
薬指を堪能したのち、中指に舌を這わせていく。
「あっ、ダメ、んっ」
ゆっくりと、ゆっくりと…。
中指と人差し指の間の付け根前でやめる。
「え…」
彼女の驚いた表情が堪らない。
付け根がお気に入りなのに、突然やめてしまう。
期待していたものがもらえない。
じれったいだろ?
「あっ…。リュー…」
頬が赤くなり、瞳を潤ませる。
続けて欲しそうな懇願の眼差し。
あぁ、そそるよ。
「どうしてほしい?」
口をぱくぱくさせて、恥ずかしそうに言葉を探してる。
思わず意地悪い笑顔が顔を出す。
指でこんなに敏感なんだ、それならーー
「エリー」
左耳元で囁き、軽く吐息をかける。
「ん!」
左手は俺がベッドに押し付けてるから、耳を隠すことができず、悶える姿に下半身が熱くなる。
耳殻をそっと、ゆっくりと舐めあげる。
どんどんと耳が赤みを増していく。
「可愛い耳だね」
耳元で囁く。
見悶える彼女。
ピチャピチャとわざと音を立てる。
「ひぁ、ダメ、リュー」
「素敵だよ、エリー」
耳殻から耳穴に舌を移動する。
「ひゃぁ!」
面白いほど反応する。
あぁ、可愛くてめちゃくちゃしてしまいたい。
口を押さえる右手に手を添える。
潤んだ瞳に、かろうじて残る理性が焼き切れそうだ。
獰猛な獣の様に彼女を貪れたら、どんなに幸せだろう。しかし、まだだ。
「キス、してもいい?」
あぁ、戸惑っている。
親指の腹で彼女の唇をなぞる。
拒否の反応はない。
下唇をなぞり、上唇をなぞる。
プックリとした唇の感触は癖になりそうだ。
指が歯に当たるが、構わずなぞる。
第一間接まで口内に入ったが、彼女は拒否しなかった。
舌が当たる。
柔らかい。
指で舌を転がす。
あまりの気持ちよさに夢中になってしまった。
気がつくと、彼女の表情は惚けており、口の端から滴がこぼれ落ちていた。
「いい?」
彼女がわずかにうなずく。
指で蹂躙していた舌を、今度は己の舌で蹂躙する。
ゆっくりと彼女の舌の感触を感じ、上顎、歯列を味わう。
「んっ…あっ」
舌を離すとき、彼女の舌との間に銀色の糸ができ、名残惜しそうに俺を見つめる彼女が愛しい。
「綺麗だよエリー」
彼女の頬に触れる。
片手でシャツのボタンを外し、前をはだけさせる。
「あっ…」
俺の身体には、それなりの傷が点在している。ハイルディー商会を大商会まで押し上げるのは並大抵のことではなかった。しかもジェントリの身分でだ。危ない橋を何度も渡り、命を危険にさらすことは日常茶飯事だった。
自慢ではないが、そこらの騎士より身体を鍛え上げていると思う。
エリーゼはチラッと見える肩の傷に触れる。
「見たくないなら、服を着るよ」
「いいえ、大丈…夫」
肩の傷は彼女の姉ミリアリアにつけられたものだ。
復讐の代償だと思っている。
シャツを脱ぎ、ベッド下に落とす。
彼女の手を自分の心臓に当てる。
「この高鳴りがわかる?とてもドキドキしてるよ、同じだ」
次に、彼女のネグリジェに手を伸ばす。
リボンをほどき、彼女の鎖骨に手を這わせ、肩から脱がしていく。
今まで隠れていた、二つの膨らみを外気に触れさせる。
「綺麗だ」
頬を赤らめ、顔を背ける。
可愛らしい。
そして、傷ひとつない白く滑らかな、まるで陶器のような肌に、俺自身も興奮してくる。
ネグリジェを剥ぎ取り、彼女の裸体が露になる。ショーツさえも剥ぎ取った。
彼女は身を縮込ませ、目を潤ませながらこちらを見ていた。
「リュー…そんなに見ないで…」
「美しい…。君に触れることが出来て幸せだ。俺は今、世界一の幸せを感じているよ」
彼女の太ももに手を這わせ、間にわって入り、秘められた茂みから蕾を見つける。
軽く触ると、彼女の体がビクンと反応する。
「そんなところ、汚い…」
「エリーに汚いところなんてないよ。心配なら、俺が綺麗にしてあげる」
彼女の膝からキスをしていき、秘められた蕾を軽く吸い上げる。
「あぁ!」
舌で優しく転がすと、茂みが濡れ始めた。
「感じているんだね。嬉しいよ」
「あん!そんなところで、話さないで…」
「可愛い」
可愛いアソコを何度も舐めあげ、蕾を愛撫する。
力の入らない腕で俺の頭に触る彼女。感じすぎて逃げたのだろう。しかし、身体は次の刺激が欲しいのか、ヒクヒクと何かを求めている。
「リュー、もう、おかしく、ああ!」
息も絶え絶えに懇願する。
彼女の行為はより男を刺激すると知らないのだろう。より、彼女を喘がせたいと嗜虐的な思考にシフトしていく。
蕾を刺激しながら、蜜壺に舌をねじ込む。
「あぁ!」
甘い声を聞けば聞くほど、彼女に飢えていく。もっと、もっと聞きたい!
今度は蕾を舌で愛撫し、指で蜜壺を刺激する。まずは一本。
「い、入れちゃ、ダメ…。んっ!」
とても狭い。でも、この場所に踏み込んだのは自分が初めてであると思うと、嬉しくてより激しくしてしまう。
指や舌を使い、彼女を快楽の海に引きずり込む。
蕾を転がし、強く吸ったり、押し潰したりと、反応を楽しみながら、彼女の絶頂を誘う。
「リュー、やめ…て、何か、ああ!」
彼女の体が震撼した。
体が脱力し、息が荒くなっている。
始めての絶頂を経験したようだ。
俺はズボンを脱ぎ捨て、彼女の足を掴む。
己をこんなに固くしたことなど無かったと思うほど、いきり立ち、早くこの熱で彼女を自分のものにしたい。
「俺の全てを捧げる。体も魂ですら君のものだ。生涯君だけを愛する。だから、俺の愛を受け止めて欲しい。エリー、愛してる」
「は、い。私も愛して、います」
あぁ、愛しい人。
君の始めての男になれたことを、そして最後の男になれる幸せをありがとう。
蜜壺に己を少しずつねじ込む。
彼女の顔が苦痛に歪む。
「息をはいて…。力を抜くんだ」
「そんな、こと、くっ、わから、あ!」
蕾を刺激しつつ、ゆっくりと挿入していく。狭くて、動き辛いが、それがとても幸せだった。
時間をかけて奥まで挿入する。
「ああ!」
「奥まで、入った。よく頑張った」
彼女の頬を撫でる。
彼女が俺の手に手を添えて
「リューは、私のもの、ですね」
頬を上気させ、潤んだ瞳で微笑む彼女に理性を焼き切られた。
「罪な人だ。君が悪いんだ」
ゆっくりと律動を開始する。
「リュー?!」
「これで終わりじゃない、これからが本番だよ」
俺はきっと、意地悪な顔をしているのだろう。
彼女の顔が一瞬ひきつった。
でもこれは彼女が悪い。
可愛い顔して、男の理性を奪うなんて、憎らしくて愛らしい。
どれくらい彼女を堪能しただろう。
彼女は行為の最中に気絶してしまった。
お互いの体液でお互いを汚し、ベッドも悲惨な状態だ。
タライにお湯を張り、タオルで彼女の身体を丁寧に清めていく。
また、タオルで彼女をくるみ、ソファーに移動させ、ベッドシーツカバーを取り替えたのち、再度ベッドに戻した。
このシーツカバーは一生の宝物だな。
後程ふさわしい宝箱を準備するとして、部屋に備え付けてある金庫に押し込む。
軽くシャワーを浴び、再び彼女の眠るベッドに潜り込む。
規則正しい寝息が聞こえる。
可愛い。
行為の初めは、辛そうにするときがあったので手加減をしたが、数をこなすうちに快感を覚えたようだ。
夢で見た痴態は全て網羅した。
実際の彼女の艶かしい声は想像以上で、何度彼女の中で果てようと、収まりがつかなかった。
ただ、処女だった彼女にこの仕打ちは酷かったかも知れない…。
起きたときに怒るだろうか…。
起きたときに頬を膨らませて怒る彼女を想像して、また欲望が頭を上げそうになる。
怒った彼女を、今度はどうやって愛そうか寝顔を見ながら夢想する。
夢にまで見た彼女との初夜を過ごし、幸せの絶頂を噛みしめ、この先の幸せに胸を膨らませた。
《Fin》
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あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
こちらの作品は
『愚かな旦那様~間違えて復讐した人は、初恋の人でした~』
の、その後のエピソードになっています。
そちらも読んでいただければ幸いです。
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この作品は感想を受け付けておりません。
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