【完結】フィクション

犀川稔

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24話 B組集結

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 赤城が鬼の五連勤のバイトを終えた日の夜、赤城とご飯に行った。流石に疲れてるだろうからと思って僕は断ったけど「会いたい」と言って僕を誘ってくれた。一緒にラーメンを食べに行っていつもより眠そうにしてる赤城を見て早めに帰ることにした。申し訳なさそうに俯く赤城の頭を僕がポンポンすると赤城は顔をあげて言った。
「...明日家の前まで迎え行くね。」
「うん、ありがとう!久々にみんなと会える嬉しいね!」
 僕の言葉に「そうっすね。」と赤城はさっきよりも明るい顔で言った。
 僕の最寄駅に着いて、赤城の体調も考えてそこで別れようとすると赤城に「家に着いたら連絡してね」と念を押された。別れてからの帰り道、歩いていると張り出されているポスターが目に止まった。
 ......28日花火大会...か。いいな~行きたいけど赤城はあんまりそういうの好きそうじゃないよね...。仲川は彼女と行くかもだし相馬はめんどくさいって言いそう......赤城にい、言うだけ...誘ってみるだけしようかな。嫌そうだったら冗談だ~って言えばいいし...いやでもその場合気遣って行こうとか言ってくれちゃいそう......。
 考えながら歩いていると後ろから声をかけられた。
「...しの、芦野...?」
 いきなり肩を叩かれ吃驚して声をあげると驚いた顔で仲川が立っていた。
「......び...っくりした、仲川か~。」
「何回も呼んだよ、無反応だったけど考え事でもしてた?」
 仲川の問いに恋は「まぁねぇ~」と歯切れの悪い返しをした。
「仲川は何してたの?」
「あぁ、コンビニに...ちょいおつかい頼まれた。」
 そう言って恋にコンビニの袋を見せると「なるほど」と恋が頷いた。
「そっちは出かけた帰り?」
「お、おん!赤城とご飯行ってた!」
「明日も会えんのによくまあそんな会うわな......明日昼過ぎからだよな。」
 仲川の言葉に苦笑いをしてそうそう、と答えると二人は家に向かって歩きだした。
「...あ、なぁなぁ。28日の花火大会って仲川やっぱ彼女と行くの?」
「あー、うん。向こうが行きたいらしいからね。せっかくだし行くつもりでいるよ。」
 仲川が屈託の無い笑みを浮かべて言うと恋は浮かない顔で下を向いた。その様子を見て仲川は前、赤城に自分が言ったことを思い出した。
「......あ。」
「ん...?どうした?」
 罪悪感と後悔で溢れ、なんて切り出そうか悩んでいると恋がモゴモゴ話し出した。
「僕さ...あ、赤城のこと...花火誘いたいんだけど......赤城そう言うのあんまり好きじゃないのかな。」
 今にも泣き出しそうな表情で話す恋に更に罪悪感増し、なにか...なんとか協力しないといけないんじゃないかと言う使命感に駆られた仲川は恋の手を握りしめた。
「俺が!俺が聞いておくよ。赤城に。」
「......え?」
「いや行きたいんでしょ花火大会。芦野が行きたがってたって遠回しにやんわり伝えておくからさ。」
「いやいや...さすがに巻き込むわけには...なんとか頑張って自分で言ってみるよ。」
 なかなか引かない恋に仲川は圧を与えるように「いいから俺に任せておけ。」と大きな声で言った。そんな仲川の熱意に圧倒され恋が折れた。
「じゃ、お願いしようかな...ありがとう、仲川やっぱり頼りになる!」
 柔らかい笑顔で自分の手首を掴んでくる仲川の手を取ってその手を両手で握りしめて拝むようにして恋は言った。仲川は苦笑いをして「もう帰ろうぜ...」と弱々しく言い放った。

「着いた。」
 赤城から連絡が来て急いで階段を降りて外に出た。恋が来たのに気づいた赤城はイヤホン外してマスクを取った。
「赤城~お待たせ!迎え来てくれてありがとう!」
「いーえ、俺が来たいって言ったからね。」
 嬉しそうに笑いかける恋の頭を赤城が撫でた。
 駅に着いてホームの階段を降りるとそこに仲川の姿があった。
「あ!仲川!!」
 恋が話しかけるとこっちを向いてから気づかないフリをするかのようにしれっと目を逸らした。恋と赤城近づき仲川の隣で話をしていると仲川が痺れを切らして二人に話しかけた。
「......バカップルに絡まれたくなくて他人のフリをしたんですが。」
「わ~お、そうだったの?じゃ大丈夫だ。俺らバカップルじゃないし。な?恋。」
「うんうん!」
 そう言って半ば強引、隣に居座り電車に乗っても隣に座った。イチャイチャ話し込む二人をスルーして一人で携帯を弄っていると恋が隣から仲川の肩を叩いた。
「ね、仲川!赤城ね~、卵片手で割れるんだってすごいくね!?」
「......うん、今この流れで俺に話振れるお前もなかなかすげぇと思うぞ。」
 恋は仲川の言葉にポカンと口を開けて聞いていた。
「ちくちく言葉はよくないですよ仲川くん~。」
 うざったい言い方で話す赤城に「二人揃って消えてください。」と仲川が言うと二人は楽しそうに笑った。

 集合場所に着くと先に佐々木と新山が来ていた。
「お、三人一緒に来たのか。あとは相馬だけかー!」
 佐々木があくびをしながら言うと恋と仲川が「いや...!」と声を揃えた。顔を見合わせて仲川が任せた、と恋に言うと恋がみんなの顔を見ながら口を開けた。
「相馬は気づいたらいるから...先行っちゃって大丈夫!」
「待ってどうゆうこと!?」
 恋の話に笑いながら佐々木が聞いた。そして恋が仲川の方を見ると
「つまり遅刻魔ってことです、はい。」
 と簡潔に説明するとみんなが笑いだした。

 店に着くと各自、自分の飲みたいドリンクを注文した。そのドリンクがきたタイミングで相馬が合流して席にいた店員さんに「ジャスミン茶で~」と伝えた。
 そこから色々な話をして最初は佐々木の隣で嫌そうにしていた仲川も後半には満更でもない顔で肩を組まれていた。新山が「ちょい電話。」と席を外すと赤城その隙に恋にもたれかかり小さく甘い声で話しかけた。
「ね、今日この後芦野恋さんお持ち帰りとかできます?」
 その言葉に顔を赤くして恋が赤城の方を向いて縦に首を振った。それを見て嬉しそうに微笑んだ。その様子を見ていた向かいに座る佐々木と仲川は「...ゲロ甘やん。」と茶化すように言った。恋がトイレに立つと仲川はスッと立ち上がり赤城の横に座った。そして赤城の肩を両手で掴み真顔で話しかけた。
「......何も言わずに俺の話を聞いてください。芦野を幕張の花火大会に誘ってやってください。あいつ赤城に誘われんのめっちゃ待ってます。」
「え...だってお前が行くなって......」
「知りません記憶にございません。罪悪感で押し潰されそうなので頼むから行ってこいください。」
 そう言うとそそくさと佐々木の隣に戻って行った。意味がわからず呆然としているところに恋が戻ってきてどうしたのか聞かれると「なんでもない」と答えた。

「あーーー、1週間分は話した~!B組やっぱいいわ!お前ら最高。いい仲間だわマジで。」
 店を出ると愉快そうに佐々木が仲川にのしかかって話した。
「たまには大人数もいいよねー、無理矢理誘った感じになっちゃったけど芦野くんも仲川も相馬も来てくれてありがとう。楽しかった。」
 新山も笑いながら三人にお礼を言った。
 相馬はこのあと予定があるからと先に手を振って帰って行った。
「じゃ、俺らも解散しますかー!みんなとりあえず駅?」
 佐々木がみんなに声をかけると佐々木が「自分は××方面なのでバスっす。」と言うと恋が仲川を見た。
「ははーん。ってことは彼女か!」
「......そうだった...お前彼女の家知ってんのだったね。やらかした。」
 仲川が嫌そうな顔をすると佐々木がニヤニヤして仲川を弄り出した。仲川が「お前...」と言う顔で恋を見ると恋は笑ったあとシラを切るように知らないフリをした。戯れ合う佐々木と仲川を横目に見て新山が赤城に近寄った。
「...お前は?」
「俺は家帰る。」
「あ、帰んのか。じゃ方面一緒だし途中まで俺も行くわ。」
 二人の会話を聞いていた恋が横から声をかけた。
「新山くんって赤城んちの方なんだ~!」
「いや、家は佐々木んちの方よ。俺と佐々木同中だからさ。今日は友達んち行くから先に降りちゃうけどこっちなの、ここからほんと数駅んとこ。芦野くんは?」
「僕は仲川んちから50歩くらいのとこ住んでる!」
「それは近すぎだしそもそも仲川んち基準なのポイント高いわ。」
 新山が恋の話に笑うそれを見て恋が微笑んだ。仲川が逃げるようにバスに乗り込みそれを見送った佐々木が後ろから来た。
「芦野くん家どっち?赤城らと同じ方面?」
 佐々木が恋に至近距離で話しかけると赤城が佐々木を引き離した。
「お前距離感考えろ。」
「なんでよ、ただ話かけただけじゃん!同じだったら一緒に帰りたかっただけよ!」
 愚図る佐々木を鬱陶しそうに払い除けると恋を自分の方に寄せて恋の肩に顎を乗せた。
「今日彼は俺の家に泊まりです。残念っした~。」
 そう言って渋々一人だけ別のホームに行く佐々木を見送って三人は同じホームに向かった。
 電車に乗るとすぐうとうとする恋の頭を自分の肩に乗せて「寝てていいよ」と赤城が言った。その言葉に甘えて頷くと恋はすぐに眠りに着いた。
「...ほんと仲良いのな。」
 一部始終を見ていた新山が赤城に声をかけると赤城は携帯を見ながら「まぁね。」と相槌を打った。
「俺らでさえお前んち行ったことないのに。芦野くんもう何回か来てんの?」
「うん、軽く3回ほど。」
 サラッと言う赤城を吃驚した顔で新山が見た。そして何か言いかけて、少し考えてから話すのをやめた。
「いいねー、今度芦野くんに赤城んちどんな感じか聞いちゃお。」
「やめろ、絶対口止めしとくわ。」

 そんな話をしてると最寄りについた新山が電車を降りて行った。それを見送ると赤城は大きくため息を吐いた。恋の手元から落ちそうになる手荷物を受け取り、自分のカバンと一緒に持つと肩に寄り掛かる恋の頭に軽く自分の頭をのせた。
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