【完結】フィクション

犀川稔

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34.5話 下心二割

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粗方片付けを終え、携帯を見ると赤城から中庭で待ってると言う連絡あって僕は急いで仲川たちに別れを告げて向かった。ベンチに腰掛けて携帯を見ていた赤城は、僕が来るとすぐに携帯をしまいマスクを外した。そしてどこまで話したか聞いてきてもう一度1から聞きたいと言った僕に自分の話をしてくれた。

「......ってなわけで、俺の方が先の段階で恋のこと好きだったのよ。」
混乱する僕に赤城が少し照れながら言った。
「え。あ......ん?赤城ってじゃあ6月入る前から僕の事好きだったの?僕が告白した後から好きになってくれたわけじゃなく...?」
「うんそうね。自分でも明確にこの日って日付までは覚えてないけど多分5月の段階ではこれ好きなんだろうなって自覚してたよ。始業式の後教室で過ごしてる時にたまたま恋が視界に入ってカワイイなって思ってそこからちょいちょい見るようになったのはあるけど。」
サラッと話をする赤城に恋は驚き口を開けたまま固まった。それを見て赤城は優しく笑って頭を撫でた。だんだんと顔を赤くする恋に赤城は「可愛い。」と言って恋の頭を自分の肩に寄せた。恋はそのまま赤城もたれかけると少し弱々しい声で話し始めた。
「......今日他の人から声かけられても行かないでくれてあり...がと。」
恥ずかしそうに話す恋に赤城は「どういたしまして。」と答えた。
「...僕、あ...赤城の事もっと知りたい。もっと知ってもっと赤城を感じたい。いい事でも悪いことでも全部知っていきたいの...でもね、そう思って赤城を見てると赤城の周りにはいっぱい人がいて女子も可愛い人とか綺麗な人で溢れかえってて。見てると苦しくなってくる......赤城は悪くないの。むしろ赤城は心配かけないようにしてくれてるしなんかあってもすぐ解決しようとしてくれるから...でもだからこそこうやってまた勝手に問題とか悩み増やそうとしてる自分が許せなくて小さい奴すぎて惨めになる。でもそれでも見ないようにする事ができなくて気づいたら目で追っちゃって...ごめん重いよね僕。この前女子たちが話してるの聞いちゃったんだ......赤城が今付き合ってる子本気だから勘違いされたくないからベタベタ触らないでって言ってたって言うの。すごい嬉しかったのね僕。でもそん時彼女激重だって、絶対赤城からしたら負担だって言われてて...認めたくないけど僕納得しちゃってさ。それで...」
必死で流れる涙に抵抗するように恋が話すのに対して赤城が恋にキスをして口を塞いだ。
「もういいよ、頑張らなくていいから。」
そう言って抱きしめると恋はボロボロ涙を溢した。
「ごめんね、また我慢させちゃったね。...恋、言ってよ。俺前に思ったことあったら小さなことでもいいから話してほしいって言ったよ。それにそんな話絶対言ってほしいことだったじゃん。」
赤城の話に恋は何度も頷きながら顔を手で隠した。
「それから周りの人たちのことについてだけど、本気で気にしないでいいよ。なんならもし嫌だったり話して欲しくなかったらそん時俺のこと呼んでよ。もしくはL◯NEして。そしたら俺すぐやめてそっち行くから。俺ちゃんと付き合ってるのみんなに言ってるし公で話してること以上のことはないよ。確かに女子とL◯NEしたりはしてるけど恋愛相談なりテスト範囲の話が主だし、もし不安ならプライバシーもあるから相手に許可取ってからにはなるけどL◯NEも見せれるよ。そんでもって恋さん。」
赤城の話を聞きながらハンカチで涙を拭う恋は、一度話すのをやめた赤城の方をゆっくり見上げた。
「言っておくけどそれ全くもって重くないからね?それで重かったら俺が前に弟部屋から追い出した後言ったことなんて重罪になるでしょ。しかもあれが全てじゃないからね?あんなの思ってる事の一部だし俺の頭の中覗いたらキモいべ。出さないようには努力してるけど俺だって男なんで...人並みに性欲もありますしね。そう言う機会を望んでないわけじゃないのよ。だからこの前恋にまた一緒に寝て欲しいって言われた時悩んだ。これでも結構ギリなのね俺、だから手出しちゃいそうで自分が怖いのよ。そんくらい一応そちらのこと好きだし欲情もしてるわ......ってこれなんの話?」
途中まで真顔で話す赤城が最後の最後で笑い出しそれに恋もつられて微笑んだ。
「赤城、あの...んー...。そ、そう言うこと......僕とするの抵抗とかない...の?同性って初めてでしょ?」
「ないね。あー、うん。確かに初めてだけど付き合うってなってから言うの恥ずいけどそういうの調べたりはしたし。想像したりもしたけど全然ありだね、むしろ想像だけでぬけたわ。」
「そ...っ、想像って...。なんでそんな真顔で言えるの...!」
冷静に話をする赤城の肩を恋は叩いた。赤城は悪戯に笑って叩いた恋の手を握って自分の方に寄せてそのままキスをした。一度唇を離すと恋の目を静かに見つめてそれに気づいた恋は一度息を吸うと自分からもう一度キスをした。

「真面目な話、さっき言ったのはガチだけど別に強要するつもりもないし今すぐ相手してほしいとかじゃないから。そこは勘違いしないでね。前も言ったけど恋のペースに合わせるし追々...バニラでもってくらいの気持ち。そっちが自分ばっか好きみたいな感じだったから俺の本心赤裸々に自白したまでの話ね。......あれだ、下心二割くらいはこいつあるんだなってくらいで思っておいてもらえればいいんで。」
慣れない深いキスでまだ心臓が煩く鳴っている中、赤城が僕にそう言った。僕が何も言わず小さく頷いたと同時に、赤城の唇が僕の首筋を触れそのまま強く吸われた。バランスを崩して倒れかける僕を赤城は支えてそのまままた抱きしめてくれた。
「...赤城がほしい。」
僕がポロッと出た自分の言葉に焦っていると赤城は僕を見て無邪気に笑った。
「...しいやつ。」
「え......?」
「それクソ嬉しいやつ。」
その言葉と笑顔にとても安心してしまった。引かれるかもしれないとかウザがられるかもって不安だったのに嘘がなく、こんなにも嬉しそうに笑ってくれるから...だからきっと僕はもっともっとって、どんどんまた赤城が欲しくなってしまう。
全部はきっと我儘すぎるから僕も二割くらいの気持ちだけ赤城に伝わってくれると嬉しいな。

「...赤城、もっと僕を触って?」
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