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七
73話 恋人と過ごすクリスマス②
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新山さんが予約してくれたところは落ち着いた雰囲気のお店で、入ってすぐの席に座るお客さんたちはみんなおれたちよりも年上らしかった。
自分がこのお店の雰囲気に合っているのか些か不安になりながらも案内された席は奥にある個室で少し安心してしまった。
店員さんが離れていくと、向かいに座る新山さんにおれは焦り口調で話しかけた。
「こ....こんなしっかりしたお店とは思わなかった!新山さんは全く問題ないけどさ...おれ、大丈夫?浮いてない!?」
あたふたしながら身振り手振りを大きくしながら話す千隼に新山は明るく笑いながら答えた。
「全然浮いてないよ。それにそういうかなーって思って一応個室にしといた。あっちの席と違ってこっちだと色々周り気にせず話せるしいいべ。」
新山の話を聞いた千隼が「ありがとう。」とお礼を言うと、新山は優しい笑みを見せた。
席についてすぐに注文をしたドリンクが前菜と一緒に運ばれてくると、慣れないコース料理に千隼はおどおどしていた。
「メインは肉にしたよ。千隼、魚よりも肉の方が好きでしょ?あとデザートをコースとは別でケーキも追加してるから無理して食べ切らなくていいからね。食べたいものだけいっぱい食べて?」
「待ってケーキもくるの!?めっちゃ嬉しい...甘いものなら余裕でいくらでも食べれる!」」
不安で溢れていた表情が一掃され、キラキラした瞳を見せた千隼を見た新山が思わず笑い声をあげるとその雰囲気に和んだのかやっと千隼も肩の力を抜いた。
出てきた料理はどれもとても美味しかった。出されるたびに店員さんが料理名を教えてくれたけどどれも長い名前で、ツラツラと並べられたカタカナで溢れかえっていて聞かされるたびにおれはぽかんと口を開けて聞いていた。
目の前で一緒に食事をしている彼は慣れた手つきでナイフとフォークを上手に使いこなして食べていたから、おれは見よう見まねで彼を手本に食事をした。
コース料理も終盤となりデザートが運ばれてきたところでおれは思い切って彼に用意していたプレゼントを渡した。それを見た彼は一瞬驚いた表情をしていたけれどすぐに笑みを浮かべると「ありがとう。」と言っておれの手からプレゼントを受け取った。そしてその後で自分も鞄から綺麗な紙袋を取り出すとそれをおれに渡してきた。
「このタイミングが正解なのかわからないけど...プレゼント交換ってことで。」
そう言われたおれはプレゼントを受け取った時の彼と同じような表情を浮かべた後で「ありがとう。」と言ってその紙袋を受け取った。
綺麗に包装されたラッピングを剥がすと中には中央に綺麗な宝石が一つ埋め込まれたリングが出てきた。驚いて顔を上げると目の前に座っていた彼は「好きだよ。」と一言言葉をもらして一筋の涙を流した。それを見たおれは気がつくと、涙が止まらなくなっていた。
メインディッシュを食べている最中からなにやら千隼がソワソワとしだしてとても可愛らしかった。その理由は分かっていた。
いつもは斜めがけの小さな鞄をデートで選ぶ千隼が今日は珍しく大きめのハンドバックをチョイスしていた。それはきっと俺のために用意したプレゼントを入れるためなのだろう。本人は上手く隠しているつもりなのだろうけれど、チラチラとラッピングの上の方が見えてしまっていると言うなんとも言えないその抜けているところがまた愛くるしくてたまらない。
タイミングを測ったのか、デザート運ばれてきたところで千隼は俺にそのプレゼントを渡してきた。プレゼントを準備してくれていた事は勿論嬉しかったけれど、それよりも俺はそのプレゼントにくっついてポロッと鞄から出てきた一枚の手紙らしきものを見て驚いた。千隼はまだそれが落ちたことに気づいていないようだったから敢えて伝えずにすぐに俺も用意していたプレゼントを渡し、千隼がそのプレゼントに意識を持って行かれているうちにサッと手紙を拾い上げた。
プレゼントを開けているうちに読んでしまおうかと悩んだけれどやはりちゃんと許可を得てから読んだ方がいいかと考え直し千隼に声をかけようと手紙をテーブルの上にあげた時、先ほどまでは暗くて見えなかった封筒に書かれた文字が見えて俺は言葉を失った。
“たくさんの初めてをくれてありがとう。これからもずっとそばにいたいです。”
それは不器用な君が素直になろうと向き合って出た言葉であって、きっとこの手紙の中には更にもっともっと言葉を選んで一文字一文字気持ちを込めて書かれた君からのメッセージが刻み込まれているのだと悟った俺は自然と目から涙が溢れていた。
離せるはずがない。
一瞬頭を過ってしまった「君を縛ること辞める。」と言うその選択を俺はこの手紙を見て放棄した。
「一生をかけて君を大切にしたい。」
プレゼントを買う時、込めたその願いを胸に誓って俺は今君に伝えられる最大限の言葉を君に送った。それを聞いた君はボロボロと目から涙を溢し何度も何度も「ありがとう。」と口にしていた。
自分がこのお店の雰囲気に合っているのか些か不安になりながらも案内された席は奥にある個室で少し安心してしまった。
店員さんが離れていくと、向かいに座る新山さんにおれは焦り口調で話しかけた。
「こ....こんなしっかりしたお店とは思わなかった!新山さんは全く問題ないけどさ...おれ、大丈夫?浮いてない!?」
あたふたしながら身振り手振りを大きくしながら話す千隼に新山は明るく笑いながら答えた。
「全然浮いてないよ。それにそういうかなーって思って一応個室にしといた。あっちの席と違ってこっちだと色々周り気にせず話せるしいいべ。」
新山の話を聞いた千隼が「ありがとう。」とお礼を言うと、新山は優しい笑みを見せた。
席についてすぐに注文をしたドリンクが前菜と一緒に運ばれてくると、慣れないコース料理に千隼はおどおどしていた。
「メインは肉にしたよ。千隼、魚よりも肉の方が好きでしょ?あとデザートをコースとは別でケーキも追加してるから無理して食べ切らなくていいからね。食べたいものだけいっぱい食べて?」
「待ってケーキもくるの!?めっちゃ嬉しい...甘いものなら余裕でいくらでも食べれる!」」
不安で溢れていた表情が一掃され、キラキラした瞳を見せた千隼を見た新山が思わず笑い声をあげるとその雰囲気に和んだのかやっと千隼も肩の力を抜いた。
出てきた料理はどれもとても美味しかった。出されるたびに店員さんが料理名を教えてくれたけどどれも長い名前で、ツラツラと並べられたカタカナで溢れかえっていて聞かされるたびにおれはぽかんと口を開けて聞いていた。
目の前で一緒に食事をしている彼は慣れた手つきでナイフとフォークを上手に使いこなして食べていたから、おれは見よう見まねで彼を手本に食事をした。
コース料理も終盤となりデザートが運ばれてきたところでおれは思い切って彼に用意していたプレゼントを渡した。それを見た彼は一瞬驚いた表情をしていたけれどすぐに笑みを浮かべると「ありがとう。」と言っておれの手からプレゼントを受け取った。そしてその後で自分も鞄から綺麗な紙袋を取り出すとそれをおれに渡してきた。
「このタイミングが正解なのかわからないけど...プレゼント交換ってことで。」
そう言われたおれはプレゼントを受け取った時の彼と同じような表情を浮かべた後で「ありがとう。」と言ってその紙袋を受け取った。
綺麗に包装されたラッピングを剥がすと中には中央に綺麗な宝石が一つ埋め込まれたリングが出てきた。驚いて顔を上げると目の前に座っていた彼は「好きだよ。」と一言言葉をもらして一筋の涙を流した。それを見たおれは気がつくと、涙が止まらなくなっていた。
メインディッシュを食べている最中からなにやら千隼がソワソワとしだしてとても可愛らしかった。その理由は分かっていた。
いつもは斜めがけの小さな鞄をデートで選ぶ千隼が今日は珍しく大きめのハンドバックをチョイスしていた。それはきっと俺のために用意したプレゼントを入れるためなのだろう。本人は上手く隠しているつもりなのだろうけれど、チラチラとラッピングの上の方が見えてしまっていると言うなんとも言えないその抜けているところがまた愛くるしくてたまらない。
タイミングを測ったのか、デザート運ばれてきたところで千隼は俺にそのプレゼントを渡してきた。プレゼントを準備してくれていた事は勿論嬉しかったけれど、それよりも俺はそのプレゼントにくっついてポロッと鞄から出てきた一枚の手紙らしきものを見て驚いた。千隼はまだそれが落ちたことに気づいていないようだったから敢えて伝えずにすぐに俺も用意していたプレゼントを渡し、千隼がそのプレゼントに意識を持って行かれているうちにサッと手紙を拾い上げた。
プレゼントを開けているうちに読んでしまおうかと悩んだけれどやはりちゃんと許可を得てから読んだ方がいいかと考え直し千隼に声をかけようと手紙をテーブルの上にあげた時、先ほどまでは暗くて見えなかった封筒に書かれた文字が見えて俺は言葉を失った。
“たくさんの初めてをくれてありがとう。これからもずっとそばにいたいです。”
それは不器用な君が素直になろうと向き合って出た言葉であって、きっとこの手紙の中には更にもっともっと言葉を選んで一文字一文字気持ちを込めて書かれた君からのメッセージが刻み込まれているのだと悟った俺は自然と目から涙が溢れていた。
離せるはずがない。
一瞬頭を過ってしまった「君を縛ること辞める。」と言うその選択を俺はこの手紙を見て放棄した。
「一生をかけて君を大切にしたい。」
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