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1◆アスタリア視点
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アスタリア・クリアランス伯爵令嬢。
それが私の名前ですわ。
ピチピチの18歳の乙女で、恋よりお菓子派だったりしますのよ。うふふ。
さて、そんな私は今日……選ばれたようですの。
何にって?それは………。
「アスタリア・クリアランス伯爵令嬢!創造神ランカラーナ様の御告げにより、貴女は勇者として選ばれました!」
ざわざわ………。
勇者……それは、魔王と戦う存在。
しかし、それはどの歴史でも皆様男性でした。
それなのに女性が勇者だなんてと、周りは酷くざわついていますわ。
「勇者?令嬢なのに勇者?」
「もしや、聖女の間違いでは?」
「あんな女が勇者とか、神はトチ狂ったのか?」
あらまぁ。
創造神様を侮辱している声まで聞こえましたわ。
いけませんわね。
創造神様を侮辱なんてしたら、玉を取られますわよ?
………あら、違ったかしら?
「皆様、お静かになさってくださる?」
私の声により、周りは静かになってくださいましたわ。
あら、素直でよろしいですわね。うふふ。
そして私は、美しい微笑みを浮かべて言いました。
「女だから聖女なんて決め付けはおやめになって?」
私は、夢の中で創造神様にお会いしましたの。
その時に、勇者の証の聖剣を頂いたのですわ。
聖剣は勇者の魂の形。
一つとして同じ聖剣は存在しませんのよ。
そして、勇者の魂故に命の輝きを放ち、聖剣が折れてしまえば勇者の命は………。
話が脱線しましたわね。
さぁ、私の聖剣をご覧下さいな。
「聖剣召喚」
目映い光が私の目の前に集まり、剣の姿に変わる。
それは、黒い聖剣でしたわ。
あら、私って黒い性格なんてしてませんのに………なんでかしら?
私は聖剣を手に取りました。
私の魂の輝きを放つ、黒い美しい剣。
「勇者アスタリア。魔王討伐の旅に行って頂けますね?」
「わかりましたわ。荷物をまとめ次第旅立ちます」
勇者に選ばれた者が魔王討伐に行くのは、この国では当たり前ですの。
だって、人族と魔族は犬猿の仲ですもの。
その昔、創造神様は人族と魔族がムダな争いをすることを禁じましたの。
代わりに、人族の代表と魔族の代表が戦うことなりましたのよ。
その代表が、勇者と魔王ですの。
………ちなみに、勇者が勝った歴史は残念ながらありませんわ。
勇者は皆様、魔王に倒されていますの。
………きっと、私もそうなるのでしょうね。
「アスタ……アスタ……。うぅ…今からでも逃げなさい!」
「お母様、私のことは忘れてくださいな。今まで、育ててくださってありがとうございました。私、クリアランス家に生まれて幸せでしたわ」
泣き崩れるお母様。
「アスタ!そんな最後の別れみたいなことを言うんじゃない!」
「お父様……」
私を抱きしめるお父様。
「アスタリア……守れなくてすまない……すまない……不甲斐ない兄ですまない……アスタリア、愛しているよ」
「お兄様、私も……家族を愛していましたわ。………さようなら」
泣くお母様の背中を撫でながら涙を流すお兄様。
愛しています。
愛していましたわ。
私の……大切な家族。
きっと、これが家族との最後の会話になりますわ。
だって……生き残った勇者は過去に一人もいませんものね。
それが私の名前ですわ。
ピチピチの18歳の乙女で、恋よりお菓子派だったりしますのよ。うふふ。
さて、そんな私は今日……選ばれたようですの。
何にって?それは………。
「アスタリア・クリアランス伯爵令嬢!創造神ランカラーナ様の御告げにより、貴女は勇者として選ばれました!」
ざわざわ………。
勇者……それは、魔王と戦う存在。
しかし、それはどの歴史でも皆様男性でした。
それなのに女性が勇者だなんてと、周りは酷くざわついていますわ。
「勇者?令嬢なのに勇者?」
「もしや、聖女の間違いでは?」
「あんな女が勇者とか、神はトチ狂ったのか?」
あらまぁ。
創造神様を侮辱している声まで聞こえましたわ。
いけませんわね。
創造神様を侮辱なんてしたら、玉を取られますわよ?
………あら、違ったかしら?
「皆様、お静かになさってくださる?」
私の声により、周りは静かになってくださいましたわ。
あら、素直でよろしいですわね。うふふ。
そして私は、美しい微笑みを浮かべて言いました。
「女だから聖女なんて決め付けはおやめになって?」
私は、夢の中で創造神様にお会いしましたの。
その時に、勇者の証の聖剣を頂いたのですわ。
聖剣は勇者の魂の形。
一つとして同じ聖剣は存在しませんのよ。
そして、勇者の魂故に命の輝きを放ち、聖剣が折れてしまえば勇者の命は………。
話が脱線しましたわね。
さぁ、私の聖剣をご覧下さいな。
「聖剣召喚」
目映い光が私の目の前に集まり、剣の姿に変わる。
それは、黒い聖剣でしたわ。
あら、私って黒い性格なんてしてませんのに………なんでかしら?
私は聖剣を手に取りました。
私の魂の輝きを放つ、黒い美しい剣。
「勇者アスタリア。魔王討伐の旅に行って頂けますね?」
「わかりましたわ。荷物をまとめ次第旅立ちます」
勇者に選ばれた者が魔王討伐に行くのは、この国では当たり前ですの。
だって、人族と魔族は犬猿の仲ですもの。
その昔、創造神様は人族と魔族がムダな争いをすることを禁じましたの。
代わりに、人族の代表と魔族の代表が戦うことなりましたのよ。
その代表が、勇者と魔王ですの。
………ちなみに、勇者が勝った歴史は残念ながらありませんわ。
勇者は皆様、魔王に倒されていますの。
………きっと、私もそうなるのでしょうね。
「アスタ……アスタ……。うぅ…今からでも逃げなさい!」
「お母様、私のことは忘れてくださいな。今まで、育ててくださってありがとうございました。私、クリアランス家に生まれて幸せでしたわ」
泣き崩れるお母様。
「アスタ!そんな最後の別れみたいなことを言うんじゃない!」
「お父様……」
私を抱きしめるお父様。
「アスタリア……守れなくてすまない……すまない……不甲斐ない兄ですまない……アスタリア、愛しているよ」
「お兄様、私も……家族を愛していましたわ。………さようなら」
泣くお母様の背中を撫でながら涙を流すお兄様。
愛しています。
愛していましたわ。
私の……大切な家族。
きっと、これが家族との最後の会話になりますわ。
だって……生き残った勇者は過去に一人もいませんものね。
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