馬鹿でミーハーな女の添い寝フレンドになってしまった俺の話。

茜琉ぴーたん

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「…直樹、最後、何話してたの?」
車を出してから無言になること5分、ようやく口を開いた遥はそう言って長岡の横顔を見つめた。
「んー……『ハルカのま◯こはよかったのか』って聞いてやった」
「はぁ⁉︎……………え、なんて言ってた?」
「気持ち良かったってよ、良かったな」
「………………嬉しくない…」
「体の相性だけは良かったのかもしれねぇな、セフレにならなれたかもしれねえぞ」
「私は恋愛したいんだもん…そんなのならない」
「ソフレは居るのに?」
「………直樹は私を騙したりしないもん…」
「そうかねぇ」
 そもそも偽名刺であることを指摘せずに飛び込ませた張本人は長岡なのだが、遥はその辺りも失念しているようだ。彼女においては抱き締めたり励ましたりという行為が何より信頼度を上げるのだろう。
 つくづく「馬鹿だなぁ」と思いながら長岡はハンドルを握る。
「…とりあえず家の方まで走るけど…晩飯どうする?」
「ん…作ろう…かな…んで…直樹をヌいてあげる」
「あ、そうだったな…」
最初からプランに組み込まれていた最後の予定、方式は決まっていないが本日のクライマックスが迫り長岡はにわかに色めき立った。
「スーパー寄ろう、ちゃちゃっと作って…ちょっとだけ呑みたい」
「いいぜ」
長岡の脳裏にはあの夜の、最初にフェラチオをされた時の光景が思い起こされる。
 とろんとして濡れた瞳、だらしなく開いた口とシャツ。風呂にも入ってなかったというのに1日働いた後の男のモノを躊躇ためらいいなくくわえてしまうという勢い。
 冷静な長岡が流されてしまうほどには、あの夜の彼女はいやらしくて最高に性的な魅力に溢れていた。



 スーパーに着きカートを押しながら、
「お惣菜も美味しそうだね、フレンチ食べる予定だったからなんか違うけど」
と遥はいつの間にか赤くなった目でおかずを物色する。
 涙ぐんだのは失恋したからかそれとも己の馬鹿さに呆れたからか、長岡はカツ重を手に取り
「ハルカはち◯ぽの方が美味ぇんじゃねぇの?」
と彼女の耳元で囁き笑った。
「な、ッッ…やだ、もう…ばか!」
「なぁ、肉と男の肉棒はどっちが好き?」
「ばかなの?」
「答えろよ……サラダも買お」
「……に、にく、ぼう、」
「あっはっは!…エロいなァ、ハルカ」
「……やだ…」
「ハルカ、ち◯ぽって言ってみて」
「ばか」
「言わなきゃ食わさねぇぞ」
「……………ち◯、ぽ、…………もぅやだ、」
「尻軽が恥ずかしがってんじゃねぇよ」
「単語とか言わされるのは恥ずかしいの、」
「あぁそう」

 二人は寄り添って周りに聞こえないギリギリの声量で、そんな卑猥な会話をしながら食料を調達した。
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