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墜天の章
第二十八話 石田三成
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加賀征伐の話が出た。
前田利長に謀反の疑いありとして、前田家の所領である加賀へ徳川が攻め入ると。
七将事件以後、前田利長殿は反徳川の急先鋒のような立ち位置にされ、石田派の諸大名たちの求心を集めていた。
それを重く見たのか、謀反の密告があったとして、家康が出陣の準備をしているとの噂が立ったのだ。
しかし結局、両者の間で戦が起きる事は無かった。
利長殿の母であり、亡き利家公の正室である芳春院殿を人質として江戸に。そして養子と孫娘を婚姻させ両家の縁組を行い、衝突を回避したのだった。
しかし、この件で徳川家康の力がどれ程大きいのかを感じさせるものとなった。
同じ五大老という立場でありながらも、はっきりとその力の差が見せつけられたからだ。
秀頼殿下の居る大阪城へと家康も入っており、完全に抱き込みにかかっている。
家臣内で最大の勢力を持ちながら、若君の正式な後見であり、その権威を振るい豊臣を意の儘としつつある。
最早、誰もが徳川家康という存在から眼を離せなくなっていた。
◆
小姓の正守が伝えてきた内容は、意外な人物からの使者だった。
「石田殿が、俺を?」
「はい。佐和山城へお越しくださいとの事です。殿とお話がしたいとの由ですが、未だ蟄居が解かれていない身故と」
「分かった。明日、参ると伝えてくれ」
「承知仕りました」
石田三成が俺を呼ぶとは、なかなかに珍しい事だ。
済州島以後も幾度か会う機会はあったが、世間話程度しか言葉は交わしていない。
とは言え断る理由もないし、岐阜と佐和山は近い。
明日の予定もあるが急ぐものではないので、使いを出して延ばしてもらおう。
妙な胸騒ぎを覚えたものの、それは押し込めて、指示に思案を巡らせた。
◆
佐和山城は、近江にある。琵琶湖の東なので、岐阜城からはほど近かった。
天守こそ立派な高層の城であるものの、中に入れば驚くほど質素なものだった。
手入れこそされているが、庭は特に気を遣われている様子もなく、通された屋敷もほぼ板張りの間ばかりで、襖や障子には和紙の補修の跡がいくつも見られた。
これと言った贅沢品らしきものが見受けられず、己の城がどれほど贅沢をしているか比べて考えてしまう程だった。
「よく参られた、織田殿……これは、随分と変わったお着物ですな」
「石田殿、お久しゅうございます。近頃の趣味でして」
城の質素さは、城主の性格そのものを表しているようだった。
堅く、生真面目で、贅を好まない。
秀吉とは正反対で、そこが気に入られたのかもしれない。
そんな事を道中思いながら歩んでいた。
そこからはやはり、いつものような世間話をしていた。
取り留めのないもので、検地の話であるとか、岐阜の様子であるとか、三成の質問に淡々と答える、その程度ものだった。
「なるほど、いや、もしかしたらと思っていたが織田殿は切支丹であったか」
「太閤殿下がおられる頃は表立って言えませんでしたが、実はそうなのです」
「あの教えは興味深いとは思っていた。何よりも節制や質素である事を至上とする、というのは好ましい」
「ご興味がありましたら、知り合いの宣教師を参らせましょうか?」
「いや、それは遠慮させてもらう。……そうだな、すべての事が済んでからであれば、かな」
――すべての事。
引っかかりのある言葉だ。
すると、三成は妙に落ち着かなそうな気配を見せた。
「……織田殿、悪いが供回りの者を下げてはくれぬか。できれば二人で話がしたいのだ」
「分かりました。正守」
「はっ」
正守を含めた小姓衆や、道中の警護を務めた和田信盛ら侍衆が辞去し、同時に光成の家内の者たちも下がる。
「着いてきてくれ、奥で話そう」
「はい」
立ち上がった三成に連れられ、奥の居室へと場所を移した。
「今日呼び立てたのは、ある程度察しがついているか?」
「……徳川殿の事でしょうか」
「そうだ」
声色がやや暗くなったのを感じ、正面に座す三成を見据える。
「あの老体は少しばかり……いや、相当にやり過ぎている。どう考えても、与えられている権利を逸脱した行為だ」
「それは……その通りであるかと」
「お主もそう思うか! ……やはり、秀吉様に育てられた者であるものな。そう思うのも当然だ」
三成は嬉しそうに頷く。
「あの七名の謀反は、実は家康の手引きではないかと私は睨んでいる。どう考えても状況が出来過ぎだ。私を討てればそれで良し、討てなければ己が仲裁に入り私を排除する。そのような手筈で考えられていたのではないかとな」
「詳しいところまでは分かりませぬが、石田殿が御無事で何よりだったかと」
「そうは言いつつも調べただろう? あの時から、家康は表立って動くようになった」
言い返す言葉が見つからなかった。やはり、それだけ大きな事件だったのだから。
「私はな、あの狸爺の魂胆がどこまでのものかと量っていた。豊臣の中で随一となる分には、まだ我慢ができる。しかし、あの男の野心はそれだけではないように思える」
「……と申しますと」
「織田であるお主には、きっと思うところがあるかもな。状況が似ていると思わんか? 幼子を当主として、後見についた者がその家を喰らう。織田を喰らった秀吉様のように、家康も豊臣を喰らわんとしているのではないか――とな」
「正直に申しまして、それは考えておりました。秀頼殿下の姿が己に重なるように思えて、直視できなくなっていました」
「そうであろうな。殿下とお主は、瓜二つの身の置き方をされている」
とは言え、秀頼殿下には母がついてるから、俺とは少し違うけどな。と頭に浮かんだが言葉にはしなかった。
「私にはな、特に名を上げたいとか、力を得たいという気持ちがない。ただ、秀吉様から受けた恩に報いたい一心でここまで来たのだ。故に、秀吉様が遺した秀頼殿下を、御守りしたい。秀吉様が作り上げた豊臣を、私が守らねばならぬのだ。それを内から喰らおうとするなど、許せぬ」
やはり真面目な人だ。この人は私心よりも忠義の為に生きているのだろう。秀吉が死んだ後でも、律儀過ぎる程の忠誠を見せている。
ともすれば、異常な執着心とも思えるものだった。
「お主には話しておこうと思うのだが……徳川を討つ策を考えている」
「それは……」
「謀反ではない。しっかりと大義名分を得て、豊臣の名の下に粛清する。そうでなくてはならん。逆賊は徳川だ」
「思うに、大戦となるのではありませぬか? 徳川殿を討てたとしても、その後が荒れます」
「ああ、しかし家康一人を討てれば力は大きく削げる。一門根絶やしにする必要はあるが、そこは時間を掛けて進めていくさ」
家康は多くの大名と婚姻関係を結んでいる。これも、秀吉のやり方に似ていた。
思っているよりも徳川は、豊臣という大樹の奥深くに根を張っているとも言える。
「まずは関東八州を取り上げる。あそこは豊かな土地だ。関東を取れれば、三方から締め上げて滅ぼせる。その際には美濃のお主の力も不可欠だ。尾張には福島や池田がおる。あ奴らめは、私には味方せぬだろう。何せ殺そうと押しかけてきた不届き者だからな。お主に、福島や池田を説得、ないしは討ってもらう必要がある」
「果たして、歴戦の猛将を私如きにどうにかできるでしょうか」
「やってもらわねば困る。とにかく、お主は秀吉様に大恩ある身であろう? そして秀頼殿下を頼むとも言われた筈だ。豊臣を守るために、お主も戦え」
「はい……」
正直、気乗りのしない話だった。今は国を豊かにする事に注力したかったのに、これでは戦でまた荒れてしまう。
「まずは秀頼殿下にお会いして、しっかりと話をしてみたらどうだ。書状を認めるゆえ、会う事ができるよう段取ろう。大阪には家康めがおるが、気にするな。何にしても、お主は豊臣の臣下なのだ。主君から眼を逸らすような事はしてはならん」
「はい」
「その内、私は動く。その時は頼むぞ、織田殿。共に秀吉様のご遺志を全うしよう。我らは同じ親父を持つ兄弟のようなものだ」
「はっ」
最後の台詞は、どこかぎこちなく不慣れなものに聞こえた。
秀吉はこういった台詞を吐くのが上手かった。きっと、真似をしようとしたのかもしれない。
どこまでも真面目過ぎてしまうのが、この人の欠点なのだろう。ずっと肩を張っているように見えてしまう。
有能過ぎるが故に上り詰めてしまったが、それが、この人にとって哀しい程の重荷になってしまっていると、この時ようやく気付く事ができた。
前田利長に謀反の疑いありとして、前田家の所領である加賀へ徳川が攻め入ると。
七将事件以後、前田利長殿は反徳川の急先鋒のような立ち位置にされ、石田派の諸大名たちの求心を集めていた。
それを重く見たのか、謀反の密告があったとして、家康が出陣の準備をしているとの噂が立ったのだ。
しかし結局、両者の間で戦が起きる事は無かった。
利長殿の母であり、亡き利家公の正室である芳春院殿を人質として江戸に。そして養子と孫娘を婚姻させ両家の縁組を行い、衝突を回避したのだった。
しかし、この件で徳川家康の力がどれ程大きいのかを感じさせるものとなった。
同じ五大老という立場でありながらも、はっきりとその力の差が見せつけられたからだ。
秀頼殿下の居る大阪城へと家康も入っており、完全に抱き込みにかかっている。
家臣内で最大の勢力を持ちながら、若君の正式な後見であり、その権威を振るい豊臣を意の儘としつつある。
最早、誰もが徳川家康という存在から眼を離せなくなっていた。
◆
小姓の正守が伝えてきた内容は、意外な人物からの使者だった。
「石田殿が、俺を?」
「はい。佐和山城へお越しくださいとの事です。殿とお話がしたいとの由ですが、未だ蟄居が解かれていない身故と」
「分かった。明日、参ると伝えてくれ」
「承知仕りました」
石田三成が俺を呼ぶとは、なかなかに珍しい事だ。
済州島以後も幾度か会う機会はあったが、世間話程度しか言葉は交わしていない。
とは言え断る理由もないし、岐阜と佐和山は近い。
明日の予定もあるが急ぐものではないので、使いを出して延ばしてもらおう。
妙な胸騒ぎを覚えたものの、それは押し込めて、指示に思案を巡らせた。
◆
佐和山城は、近江にある。琵琶湖の東なので、岐阜城からはほど近かった。
天守こそ立派な高層の城であるものの、中に入れば驚くほど質素なものだった。
手入れこそされているが、庭は特に気を遣われている様子もなく、通された屋敷もほぼ板張りの間ばかりで、襖や障子には和紙の補修の跡がいくつも見られた。
これと言った贅沢品らしきものが見受けられず、己の城がどれほど贅沢をしているか比べて考えてしまう程だった。
「よく参られた、織田殿……これは、随分と変わったお着物ですな」
「石田殿、お久しゅうございます。近頃の趣味でして」
城の質素さは、城主の性格そのものを表しているようだった。
堅く、生真面目で、贅を好まない。
秀吉とは正反対で、そこが気に入られたのかもしれない。
そんな事を道中思いながら歩んでいた。
そこからはやはり、いつものような世間話をしていた。
取り留めのないもので、検地の話であるとか、岐阜の様子であるとか、三成の質問に淡々と答える、その程度ものだった。
「なるほど、いや、もしかしたらと思っていたが織田殿は切支丹であったか」
「太閤殿下がおられる頃は表立って言えませんでしたが、実はそうなのです」
「あの教えは興味深いとは思っていた。何よりも節制や質素である事を至上とする、というのは好ましい」
「ご興味がありましたら、知り合いの宣教師を参らせましょうか?」
「いや、それは遠慮させてもらう。……そうだな、すべての事が済んでからであれば、かな」
――すべての事。
引っかかりのある言葉だ。
すると、三成は妙に落ち着かなそうな気配を見せた。
「……織田殿、悪いが供回りの者を下げてはくれぬか。できれば二人で話がしたいのだ」
「分かりました。正守」
「はっ」
正守を含めた小姓衆や、道中の警護を務めた和田信盛ら侍衆が辞去し、同時に光成の家内の者たちも下がる。
「着いてきてくれ、奥で話そう」
「はい」
立ち上がった三成に連れられ、奥の居室へと場所を移した。
「今日呼び立てたのは、ある程度察しがついているか?」
「……徳川殿の事でしょうか」
「そうだ」
声色がやや暗くなったのを感じ、正面に座す三成を見据える。
「あの老体は少しばかり……いや、相当にやり過ぎている。どう考えても、与えられている権利を逸脱した行為だ」
「それは……その通りであるかと」
「お主もそう思うか! ……やはり、秀吉様に育てられた者であるものな。そう思うのも当然だ」
三成は嬉しそうに頷く。
「あの七名の謀反は、実は家康の手引きではないかと私は睨んでいる。どう考えても状況が出来過ぎだ。私を討てればそれで良し、討てなければ己が仲裁に入り私を排除する。そのような手筈で考えられていたのではないかとな」
「詳しいところまでは分かりませぬが、石田殿が御無事で何よりだったかと」
「そうは言いつつも調べただろう? あの時から、家康は表立って動くようになった」
言い返す言葉が見つからなかった。やはり、それだけ大きな事件だったのだから。
「私はな、あの狸爺の魂胆がどこまでのものかと量っていた。豊臣の中で随一となる分には、まだ我慢ができる。しかし、あの男の野心はそれだけではないように思える」
「……と申しますと」
「織田であるお主には、きっと思うところがあるかもな。状況が似ていると思わんか? 幼子を当主として、後見についた者がその家を喰らう。織田を喰らった秀吉様のように、家康も豊臣を喰らわんとしているのではないか――とな」
「正直に申しまして、それは考えておりました。秀頼殿下の姿が己に重なるように思えて、直視できなくなっていました」
「そうであろうな。殿下とお主は、瓜二つの身の置き方をされている」
とは言え、秀頼殿下には母がついてるから、俺とは少し違うけどな。と頭に浮かんだが言葉にはしなかった。
「私にはな、特に名を上げたいとか、力を得たいという気持ちがない。ただ、秀吉様から受けた恩に報いたい一心でここまで来たのだ。故に、秀吉様が遺した秀頼殿下を、御守りしたい。秀吉様が作り上げた豊臣を、私が守らねばならぬのだ。それを内から喰らおうとするなど、許せぬ」
やはり真面目な人だ。この人は私心よりも忠義の為に生きているのだろう。秀吉が死んだ後でも、律儀過ぎる程の忠誠を見せている。
ともすれば、異常な執着心とも思えるものだった。
「お主には話しておこうと思うのだが……徳川を討つ策を考えている」
「それは……」
「謀反ではない。しっかりと大義名分を得て、豊臣の名の下に粛清する。そうでなくてはならん。逆賊は徳川だ」
「思うに、大戦となるのではありませぬか? 徳川殿を討てたとしても、その後が荒れます」
「ああ、しかし家康一人を討てれば力は大きく削げる。一門根絶やしにする必要はあるが、そこは時間を掛けて進めていくさ」
家康は多くの大名と婚姻関係を結んでいる。これも、秀吉のやり方に似ていた。
思っているよりも徳川は、豊臣という大樹の奥深くに根を張っているとも言える。
「まずは関東八州を取り上げる。あそこは豊かな土地だ。関東を取れれば、三方から締め上げて滅ぼせる。その際には美濃のお主の力も不可欠だ。尾張には福島や池田がおる。あ奴らめは、私には味方せぬだろう。何せ殺そうと押しかけてきた不届き者だからな。お主に、福島や池田を説得、ないしは討ってもらう必要がある」
「果たして、歴戦の猛将を私如きにどうにかできるでしょうか」
「やってもらわねば困る。とにかく、お主は秀吉様に大恩ある身であろう? そして秀頼殿下を頼むとも言われた筈だ。豊臣を守るために、お主も戦え」
「はい……」
正直、気乗りのしない話だった。今は国を豊かにする事に注力したかったのに、これでは戦でまた荒れてしまう。
「まずは秀頼殿下にお会いして、しっかりと話をしてみたらどうだ。書状を認めるゆえ、会う事ができるよう段取ろう。大阪には家康めがおるが、気にするな。何にしても、お主は豊臣の臣下なのだ。主君から眼を逸らすような事はしてはならん」
「はい」
「その内、私は動く。その時は頼むぞ、織田殿。共に秀吉様のご遺志を全うしよう。我らは同じ親父を持つ兄弟のようなものだ」
「はっ」
最後の台詞は、どこかぎこちなく不慣れなものに聞こえた。
秀吉はこういった台詞を吐くのが上手かった。きっと、真似をしようとしたのかもしれない。
どこまでも真面目過ぎてしまうのが、この人の欠点なのだろう。ずっと肩を張っているように見えてしまう。
有能過ぎるが故に上り詰めてしまったが、それが、この人にとって哀しい程の重荷になってしまっていると、この時ようやく気付く事ができた。
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