異世界転生、授かったスキル【毎日ガチャ】って…

学園編

第52話 学園序列決定戦

　学年ごとの序列が決まると、次は学園内の序列を決める戦いが始まるの。トーナメント方式で5年生の上位4人がシードで準々決勝からの出場。残りは4年1位と1年4位から順番に当てはめられるので、例年なら1年は初戦で負けちゃってるの。私の相手も4年の4位だからね。

　試合が始まる前にセレン様が私に『タラレバ』の話をしてきた。

「レンが優勝したら、学園史上初めての快挙になるから優勝するのよ」
「流石に5年生には勝てないんじゃない？」
「4年相手に余裕だったじゃない？」
「コール先輩はかなり強かったよ？」

　そんな話をしながら闘技場へ着いたので、トーナメント表を確認すると。

　コール先輩対ストラトス、セブルス先輩対セレン様、ゲイル先輩対スレイン様、私の対戦相手はジュリア先輩って人だったの。

「これより、学園序列決定戦を開催する。今年より武術と魔術を統合して行うことになった。優勝者が名実共に最強となるので、栄冠を目指して頑張ってくれ！」
「「はい！」」

　学園長の挨拶の後に学園序列決定戦が始まった。

「第1試合は4年コールと1年ストラトスだ。2人は闘場へ上がれ」
「「はい」」

　槍と盾のストラトスに、剣と盾のコール先輩が闘場へ上がり戦いが始まる。

　コール先輩が〚石雨ストーンレイン〛魔法攻撃を仕掛ける。ストラトスは盾を傘にして〚石雨ストーンレイン〛を防ぐが、コール先輩は正面が無防備になったストラトスへ、剣技〚斬撃スラッシュ〛を放った。槍で剣技を受け止めて衝撃を緩めるのが精一杯で体勢を崩すと〚石雨ストーンレイン〛がストラトスへと降り注いだ。

「グッ……」
「嬢ちゃん以外の下級生ガキには負けれないんだよ」

　そう言って、ストラトスの眼前に剣を止めると、ストラトスは苦笑いしながら降参したの。

「先輩……強過ぎますよ」
「嬢ちゃんはそれ以上だぜ」

「次、第2試合は4年セブルスと1年セイレーンだ。2人は闘場へ上がれ」
「「はい」」

　杖のセブルス先輩に扇のセレン様が闘場へ上がり戦いが始まる。

　互いに魔法の詠唱を始めるが、セブルス先輩が先に詠唱を終えて〚風弾ウインドバレット〛を放つ、威力より速さを選択したのが正解だ。〚風弾ウインドバレット〛が足に当たったセレン様は痛みで詠唱が途絶えた……

「キャッ、痛っ……」
「さて、ゼクス殿下から懲らしめるように言われてるので、少し痛い目に遭って頂きますよ。〚水球ウォーターボール〛！」

　〚水球ウォーターボール〛がセレン様の胸元に当たる……

『ズチャ！』
「あぅ……」
「セレン様！降参を！」

　私はセレン様に『降参』するように叫んだけど、セブルス先輩は容赦ない攻撃を続ける。

「殿下はもっと苦しんでるのです。〚水球ウォーターボール〛！」
『ズチャ』
「あっ……」

　2発目も胸元に当たったセレン様は、そのまま気を失ったので試合は終了。

　私は直ぐに闘場へ上がりセレン様へ駆け寄るが、気を失ったままだ……

「殿下の苦しみを考えれば、その程度で気を失うとはね。もっと懲らしめる筈だったのに」

　その言葉を聞いて猛烈な怒りを覚えたの。

「無理だと思うけど、勝ち進んで来て下さいね。次は前ほど手加減しないからね」
「お前はジュリアに痛めつけられて負けるんだから、勝ち上がれないんだよ」
「手加減しないと言ったでしょ？その先輩にも手加減はしないからね」

　私はセレン様を治療してから戦いに備えたの。