4人の王子に囲まれて

*YUA*

文字の大きさ
162 / 202
体調不良

大雅side

しおりを挟む


「お決まりですか?」

俺は慌てて花屋へと来た。

誕生日が過ぎていたならとりあえず何か渡すべきだ。

クソ…。
本当なんで気付かなかったんだ…。

あいつは俺の誕生日把握してたのに。

俺は自分自身にムカついていた。



大「花とか…買ったことなくて…。」

「どなたにお贈りですか?何か気になる花でもありますか?」

大「彼女に誕生日のプレゼントで…」

そう言いながら俺は店内を見渡した。

「お誕生日なら日にち毎に誕生花とかもご用意出来ますが…」

でも日にちまでは把握してないし…

それに……

俺が気になったのは向日葵の花だった。


明るく太陽のように咲くその姿がなんとも結衣らしい。

大「向日葵…にしようかな。」


「向日葵は“あなただけを見つめる”そんな花言葉なので彼女様にプレゼントするならとてもいいと思います。」


大「じゃあこれを…5本。…いや7本くらいにしようかな。」

「7本ですね。かしこまりました。」

店員さんはニコッと笑顔を見せると丁寧に束ね始めた。

それから会計を済ませすぐに渡すと俺は急いで家へ戻り、結衣の部屋へと行った。




そして今に至る。

結「うん!やっぱりキレイ!大切にするね!」

向日葵を花瓶に飾った結衣はそう言った。



大「近々絶対になんか買ってやっからこれで満足すんなよ!?」

結「気持ちだけで充分だよ。」

遠慮しているのかそう言う結衣。

でもそれじゃ俺の方が嫌だ。



大「ダメだー!」

結「でもなんでわかったの?誕生日。」

と不思議そうな顔で尋ねる結衣に対し、俺はボソリと答えたのだ。



大「星座占い。」

結「占い?」

大「だから、星座聞けばおおよそ分かるだろ。」

結「そんな聞き出し方があったのか…。まんまと引っかかってしまった…。」 

大「ばーか。」

結「むっ!!バカって言った方がバカなんだよ!!」



怒った結衣はポコポコと弱い力で俺を叩いてきた。

大「そういえば…結衣少し背中借りてもいいか?」

結「え?背中??」

大「あぁ。ちょっとごめんな。」


そう言うと俺は結衣の背中に耳を当てた。


……やっぱり。

若干だが…喘鳴が聞こえる。


出来るだけ早く吸入器は使っておいた方が良さそうだな。



大「今吸入器あるか?」

結「あるよ。」

大「吸っておけ。」

結「また?」

大「発作が起きるよりはマシだろう。」

結「なんか大雅兄琉生お兄ちゃんみたい。」

大「いいから。」

結「わかったよぉ。」


結衣は少し嫌そうな顔をしながら吸入薬を吸った。


今日は寒暖差の激しい状態だったからな……

これからも夏場や冬場のエアコンのある場所は少し考えなきゃだな。






しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

医者兄と病院脱出の妹(フリー台本)

ライト文芸
生まれて初めて大病を患い入院中の妹 退院が決まり、試しの外出と称して病院を抜け出し友達と脱走 行きたかったカフェへ それが、主治医の兄に見つかり、その後体調急変

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...