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学園3年目
怒涛の学外研修(大神殿・戻り)
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「ルース!お帰り!」
「ルースさん!魔法陣に使えそうな石、ありましたか?」
「あったよ~!沢山持って帰ってきたよ」
「じゃあ片っ端からいってみるか」
大神殿に着くなり、古代魔法チームがテンション高めのお出迎え。
聞くと、魔法陣に関わる書物をいくつか発見し、さらにしばらく学園へ貸し出してくれる約束を取り付けたらしい。
「セント神官長が、お願いしてくれたんです!」
「で、その代わりといっちゃなんだけど…」
「ちょっとお高めの寄付を募れそうな焼き菓子を教えて欲しいんだと」
「な…何ですと!?」
何、大神殿はお菓子工房でもやるの?
俺のレシピ、ものすごく普通なんですけど!
料理チート(多分)も発動してみると恐ろしいな。
後で台所に行ってみるか…。と思っていたら、古代魔法チームの後ろから急に神官長が出てきて言った。
「帰ってきたかルース!話は聞いたな!行くぞ!」
「ええっ、今着いたばかり…」
「殿下、冷たいお飲み物とスコーンをご用意しておりますので、ささこちらへ」
「うむ、行くぞルース」
いやーん!!
お菓子に釣られるとか何歳児なの殿下!?
***
「少し高くても欲しいと思わせる焼き菓子…か」
「何か無いか?少々材料費が掛かっても良いのだが…卵も使ってもらって構わん」
「…フィナンシェ…金型があれば、ですけど…金塊の形をしてるんで、そういうのか…」
「ココアの入ったマフィンはどうだ」
出た、殿下のココア好き。
「ココア自体が希少ですしね…あっ」
「おぉ、何かいいものが?」
「パウンドケーキ…これなら大人の味が出せるから…
神殿ってお酒は扱えるんですか?」
「うむ、葡萄酒ならあるが」
「あ~葡萄酒か…葡萄酒を蒸留したやつは…無い?」
「蒸留?」
あー!そこからか~!!
俺は望み薄とは思いつつ、一応蒸留酒について説明した後、聞いてみる。
「ブランデーとか、出来ればラム酒…」
この世界は前世と食品の名前がほぼ同じだから、アルコール類も同じ名前であると信じるしかない。
「ブランデー?就寝前の祈りの灯火に使うあれか?」
「なんですと!?」
「待っていろ!ちょっと持ってくる!!」
「あっ、いや、さすがに…」
俺は神官長を止めようとした。
だって違うと思ったんだ。
絶対違うものだと思ったんだ。
結果。
「……ブランデーだ」
「だからブランデーだと言っているだろう」
おい神殿。
何で寝る前にフランベなんや?
「これなら沢山あるぞ!
神殿周辺の飲食店で余った葡萄酒を集めて煮て、その蒸気を集めて作っているんだ。こうすると火を抱く液体になると、かつて偉大なる神官様が発見されたそうでな…大きめの神殿では大体どこもやっているはずだし、これはお前の言う蒸留と同じだろう?それに樽に詰めて保管しているしな、この地下で。古い物ならもう10年以上前からあるんじゃないか?」
「うーん…同じですね…」
まさかフードロス厳禁の教えがこんなところで生きるとは…!何という奇跡…!!
しかし殿下から至極ごもっともなツッコミが。
「お前、これを菓子に使う気か……?」
そりゃアルコールランプのアルコール飲む奴はヤベー奴って相場が決まっとるもんな。
「いや、さすがに…飲用でないものはちょっと…」
すると神官長が急に殿下の手を取って言った。
「いえ殿下、これは昔体を温める為に飲んでいたこともあるそうなので問題ありません!ただ飲みすぎて次の日頭痛が起きる者、記憶を無くす者まで出るようになり、一時期禁止されてしまってからは飲むものが少なくなり貯まる一方…これが少しでも減らせてしかも寄付を募れるなら…一石二鳥です!ご心配でしたら私が飲んで試してお見せしますとも!!」
「あっ!神官長…!!」
止める間もなく一気にコップ1杯をあおる神官長。
未成年の飲酒は駄目だって、あっでもこの人20歳以上だ…いやそれでもあかんて!あ~~!!
タン!!
コップを机に叩きつけるように置く神官長。
「…ほら、大丈夫でしょう?」
「うむ…確かに」
暫く待ってみたけど苦しむ様子はないし、これなら…と思った矢先、神官長はにへら…と笑い、さらに目をうるうるさせて殿下に言った。
「ああ…朝から酒をあおるなんて…私はなんて悪い子なんだろう…!殿下、私にお仕置きを…!」
「待て、待て神官長」
「待てません…殿下、どうか私を罵って…鞭で打って下さい、お願いですからぁ…」
「おい、どうにかしろルース…!!」
「無理、無理です!!」
神官長、まさかのドM!?しかも正統派のやつ!!
「殿下…、いや、御主人様ぁ…お願いですぅ…」
「だまれ痴れ者!!この変態が!!」
「ああっ、もっと、もっと罵って…!」
殿下が怒れば怒るほどウットリ顔の神官長…
駄目だ収拾がつかん。
「殿下、俺はおしりペンペンくらいなら別に気にしませんから…やって差し上げたら…?」
「馬鹿を抜かせ!こういう要求は一度飲んだらエスカレートするに決まって…」
「おしりペンペン…はぁっ…殿下ぁ…♡
おねがいしますぅ…♡」
おしりを突き出してアピールする神官長。
台所はカオスと化し、殿下は仕方なく無の表情で神官長の尻をバシンバシンと何度も叩き…
その度に
「はんっ♡あぁん♡」
とあえぐ神官長を見て…俺は、
ああこりゃエグい弱みを握ってしまったなぁ…
と、思った。
「ルースさん!魔法陣に使えそうな石、ありましたか?」
「あったよ~!沢山持って帰ってきたよ」
「じゃあ片っ端からいってみるか」
大神殿に着くなり、古代魔法チームがテンション高めのお出迎え。
聞くと、魔法陣に関わる書物をいくつか発見し、さらにしばらく学園へ貸し出してくれる約束を取り付けたらしい。
「セント神官長が、お願いしてくれたんです!」
「で、その代わりといっちゃなんだけど…」
「ちょっとお高めの寄付を募れそうな焼き菓子を教えて欲しいんだと」
「な…何ですと!?」
何、大神殿はお菓子工房でもやるの?
俺のレシピ、ものすごく普通なんですけど!
料理チート(多分)も発動してみると恐ろしいな。
後で台所に行ってみるか…。と思っていたら、古代魔法チームの後ろから急に神官長が出てきて言った。
「帰ってきたかルース!話は聞いたな!行くぞ!」
「ええっ、今着いたばかり…」
「殿下、冷たいお飲み物とスコーンをご用意しておりますので、ささこちらへ」
「うむ、行くぞルース」
いやーん!!
お菓子に釣られるとか何歳児なの殿下!?
***
「少し高くても欲しいと思わせる焼き菓子…か」
「何か無いか?少々材料費が掛かっても良いのだが…卵も使ってもらって構わん」
「…フィナンシェ…金型があれば、ですけど…金塊の形をしてるんで、そういうのか…」
「ココアの入ったマフィンはどうだ」
出た、殿下のココア好き。
「ココア自体が希少ですしね…あっ」
「おぉ、何かいいものが?」
「パウンドケーキ…これなら大人の味が出せるから…
神殿ってお酒は扱えるんですか?」
「うむ、葡萄酒ならあるが」
「あ~葡萄酒か…葡萄酒を蒸留したやつは…無い?」
「蒸留?」
あー!そこからか~!!
俺は望み薄とは思いつつ、一応蒸留酒について説明した後、聞いてみる。
「ブランデーとか、出来ればラム酒…」
この世界は前世と食品の名前がほぼ同じだから、アルコール類も同じ名前であると信じるしかない。
「ブランデー?就寝前の祈りの灯火に使うあれか?」
「なんですと!?」
「待っていろ!ちょっと持ってくる!!」
「あっ、いや、さすがに…」
俺は神官長を止めようとした。
だって違うと思ったんだ。
絶対違うものだと思ったんだ。
結果。
「……ブランデーだ」
「だからブランデーだと言っているだろう」
おい神殿。
何で寝る前にフランベなんや?
「これなら沢山あるぞ!
神殿周辺の飲食店で余った葡萄酒を集めて煮て、その蒸気を集めて作っているんだ。こうすると火を抱く液体になると、かつて偉大なる神官様が発見されたそうでな…大きめの神殿では大体どこもやっているはずだし、これはお前の言う蒸留と同じだろう?それに樽に詰めて保管しているしな、この地下で。古い物ならもう10年以上前からあるんじゃないか?」
「うーん…同じですね…」
まさかフードロス厳禁の教えがこんなところで生きるとは…!何という奇跡…!!
しかし殿下から至極ごもっともなツッコミが。
「お前、これを菓子に使う気か……?」
そりゃアルコールランプのアルコール飲む奴はヤベー奴って相場が決まっとるもんな。
「いや、さすがに…飲用でないものはちょっと…」
すると神官長が急に殿下の手を取って言った。
「いえ殿下、これは昔体を温める為に飲んでいたこともあるそうなので問題ありません!ただ飲みすぎて次の日頭痛が起きる者、記憶を無くす者まで出るようになり、一時期禁止されてしまってからは飲むものが少なくなり貯まる一方…これが少しでも減らせてしかも寄付を募れるなら…一石二鳥です!ご心配でしたら私が飲んで試してお見せしますとも!!」
「あっ!神官長…!!」
止める間もなく一気にコップ1杯をあおる神官長。
未成年の飲酒は駄目だって、あっでもこの人20歳以上だ…いやそれでもあかんて!あ~~!!
タン!!
コップを机に叩きつけるように置く神官長。
「…ほら、大丈夫でしょう?」
「うむ…確かに」
暫く待ってみたけど苦しむ様子はないし、これなら…と思った矢先、神官長はにへら…と笑い、さらに目をうるうるさせて殿下に言った。
「ああ…朝から酒をあおるなんて…私はなんて悪い子なんだろう…!殿下、私にお仕置きを…!」
「待て、待て神官長」
「待てません…殿下、どうか私を罵って…鞭で打って下さい、お願いですからぁ…」
「おい、どうにかしろルース…!!」
「無理、無理です!!」
神官長、まさかのドM!?しかも正統派のやつ!!
「殿下…、いや、御主人様ぁ…お願いですぅ…」
「だまれ痴れ者!!この変態が!!」
「ああっ、もっと、もっと罵って…!」
殿下が怒れば怒るほどウットリ顔の神官長…
駄目だ収拾がつかん。
「殿下、俺はおしりペンペンくらいなら別に気にしませんから…やって差し上げたら…?」
「馬鹿を抜かせ!こういう要求は一度飲んだらエスカレートするに決まって…」
「おしりペンペン…はぁっ…殿下ぁ…♡
おねがいしますぅ…♡」
おしりを突き出してアピールする神官長。
台所はカオスと化し、殿下は仕方なく無の表情で神官長の尻をバシンバシンと何度も叩き…
その度に
「はんっ♡あぁん♡」
とあえぐ神官長を見て…俺は、
ああこりゃエグい弱みを握ってしまったなぁ…
と、思った。
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