65 / 96
選挙、始めました2
しおりを挟む
「谷先輩って、人気あるんですね」
「えっ?」
「一年の間では、親しみやすいって好評ですよ? 他の候補者もいないみたいですから、このまま当選じゃないですか?」
「……さあ、どうでしょうね」
好かれてないとは言わないが、局地的な気がする。まあ、他の面子だと(赤嶺も含めて)恐れ多いってことだよな、と思うながら俺はアイスティーを飲んだ。
もっとも、まだ立候補期間はあるから最後まで解らない。だから、と曖昧な返事をした俺に赤嶺は笑顔を崩さないままで言った。
「お互い、当選したら良いですね」
「……赤嶺様は、生徒会役員になりたいんですか?」
「はい?」
「当選しても、仕事は『お友達』にやって貰うんですか?」
……そう尋ねた俺に、返されたのが冒頭の台詞で。
腹黒よりある意味、性質が悪いと思いつつ俺は口を開いた。
「面倒じゃないですか?」
「……えっ?」
「赤嶺様が、周りに色々とやって貰う理由は解りました。だけどそれだったら、仕事をしてくれる赤嶺様の『お友達』が生徒会役員になれば良いんじゃないですか?」
うん、それだといちいち赤嶺経由に仕事頼まなくて良いからな。
思ったままに言うと、初めて赤嶺から笑顔が消えた――まあ、唖然とした表情でも可愛いは可愛いけど。
「とは言え……『お友達』の皆様が動くのは、赤嶺様の為ですからね。赤嶺様がいないのに、働いてはくれませんよね?」
そんな赤嶺に、俺はフォローを入れた。本心としては、一番が赤嶺だとしても生徒会メンバーが声をかけたら動くかな、と思うけど。
(随分と、ショック受けてるな……『お友達』の方が、生徒会役員ってステータスを手に入れるから? だけど、嫉妬とかそう言う感じとも違うような)
「……か?」
「えっ?」
「僕自身が仕事をすれば、周りの皆さんも……生徒会の皆さんも、僕を認めてくれますか?」
そう尋ねてきた赤嶺は、真剣だった。そんな相手の反応を見つつ、俺は赤嶺の質問に答えた。
「勿論ですよ。それこそ、俺が良い例じゃないですか? 平凡庶民ですけど、働いた分だけ評価されてます」
「そんな……」
「お気づかいなく、本当のことですから」
「……谷先輩が、羨ましいです。実力で、自分の居場所を手に入れてますよね」
しみじみと言われ、俺は何となくだが理解した。
(こいつにとっては、周りの好意を受けることが居場所を手に入れることなんだ)
腹黒じゃないけど期待に応えようとする辺り、ちょっと紫苑さんに近いかな? だけど、好かれてる理由が見た目だと思ってて、だからこそ俺が気になると。
「実力って言い方だと、ちょっと違うかもしれませんけど……その顔もあっての、赤嶺様ですよ?」
「っ!?」
「仕事をすれば、もっと好かれるでしょうけどね」
そうつけ加えたのは俺の負担が減るのは勿論だけど、可愛くて仕事も出来れば普通に周りから認められると思ったからだ。
(逆に顔だけだと万が一、ゴツくなったら苦労するだろうし……それにしても、美形も大変だな)
だからこそ俺は赤嶺みたいに「羨ましい」とは言わず、代わりに話も終わったんで「失礼します」と一礼し、食堂を後にした。
「今のって……顔、誉めて貰えたのかな?」
……俺を見送りながら、赤嶺がポツリと呟いたことには気づかずに。
「えっ?」
「一年の間では、親しみやすいって好評ですよ? 他の候補者もいないみたいですから、このまま当選じゃないですか?」
「……さあ、どうでしょうね」
好かれてないとは言わないが、局地的な気がする。まあ、他の面子だと(赤嶺も含めて)恐れ多いってことだよな、と思うながら俺はアイスティーを飲んだ。
もっとも、まだ立候補期間はあるから最後まで解らない。だから、と曖昧な返事をした俺に赤嶺は笑顔を崩さないままで言った。
「お互い、当選したら良いですね」
「……赤嶺様は、生徒会役員になりたいんですか?」
「はい?」
「当選しても、仕事は『お友達』にやって貰うんですか?」
……そう尋ねた俺に、返されたのが冒頭の台詞で。
腹黒よりある意味、性質が悪いと思いつつ俺は口を開いた。
「面倒じゃないですか?」
「……えっ?」
「赤嶺様が、周りに色々とやって貰う理由は解りました。だけどそれだったら、仕事をしてくれる赤嶺様の『お友達』が生徒会役員になれば良いんじゃないですか?」
うん、それだといちいち赤嶺経由に仕事頼まなくて良いからな。
思ったままに言うと、初めて赤嶺から笑顔が消えた――まあ、唖然とした表情でも可愛いは可愛いけど。
「とは言え……『お友達』の皆様が動くのは、赤嶺様の為ですからね。赤嶺様がいないのに、働いてはくれませんよね?」
そんな赤嶺に、俺はフォローを入れた。本心としては、一番が赤嶺だとしても生徒会メンバーが声をかけたら動くかな、と思うけど。
(随分と、ショック受けてるな……『お友達』の方が、生徒会役員ってステータスを手に入れるから? だけど、嫉妬とかそう言う感じとも違うような)
「……か?」
「えっ?」
「僕自身が仕事をすれば、周りの皆さんも……生徒会の皆さんも、僕を認めてくれますか?」
そう尋ねてきた赤嶺は、真剣だった。そんな相手の反応を見つつ、俺は赤嶺の質問に答えた。
「勿論ですよ。それこそ、俺が良い例じゃないですか? 平凡庶民ですけど、働いた分だけ評価されてます」
「そんな……」
「お気づかいなく、本当のことですから」
「……谷先輩が、羨ましいです。実力で、自分の居場所を手に入れてますよね」
しみじみと言われ、俺は何となくだが理解した。
(こいつにとっては、周りの好意を受けることが居場所を手に入れることなんだ)
腹黒じゃないけど期待に応えようとする辺り、ちょっと紫苑さんに近いかな? だけど、好かれてる理由が見た目だと思ってて、だからこそ俺が気になると。
「実力って言い方だと、ちょっと違うかもしれませんけど……その顔もあっての、赤嶺様ですよ?」
「っ!?」
「仕事をすれば、もっと好かれるでしょうけどね」
そうつけ加えたのは俺の負担が減るのは勿論だけど、可愛くて仕事も出来れば普通に周りから認められると思ったからだ。
(逆に顔だけだと万が一、ゴツくなったら苦労するだろうし……それにしても、美形も大変だな)
だからこそ俺は赤嶺みたいに「羨ましい」とは言わず、代わりに話も終わったんで「失礼します」と一礼し、食堂を後にした。
「今のって……顔、誉めて貰えたのかな?」
……俺を見送りながら、赤嶺がポツリと呟いたことには気づかずに。
20
あなたにおすすめの小説
悪の策士のうまくいかなかった計画
迷路を跳ぶ狐
BL
いつか必ず返り咲く。それだけを目標に、俺はこの学園に戻ってきた。過去に、破壊と使役の魔法を研究したとして、退学になったこの学園に。
今こそ、復活の時だ。俺を切り捨てた者たちに目に物見せ、研究所を再興する。
そのために、王子と伯爵の息子を利用することを考えた俺は、長く温めた策を決行し、学園に潜り込んだ。
これから俺を陥れた連中を、騙して嵌めて蹂躙するっ! ……はず、だった……のに??
王子は跪き、俺に向かって言った。
「あなたの破壊の魔法をどうか教えてください。教えるまでこの部屋から出しません」と。
そして、伯爵の息子は俺の手をとって言った。
「ずっと好きだった」と。
…………どうなってるんだ?
君が僕を好きなことを知ってる
大天使ミコエル
BL
【完結】
ある日、亮太が友人から聞かされたのは、話したこともないクラスメイトの礼央が亮太を嫌っているという話だった。
けど、話してみると違和感がある。
これは、嫌っているっていうより……。
どうやら、れおくんは、俺のことが好きらしい。
ほのぼの青春BLです。
◇◇◇◇◇
全100話+あとがき
◇◇◇◇◇
天の求婚
紅林
BL
太平天帝国では5年ほど前から第一天子と第二天子によって帝位継承争いが勃発していた。
主人公、新田大貴子爵は第二天子派として広く活動していた亡き父の跡を継いで一年前に子爵家を継いだ。しかし、フィラデルフィア合衆国との講和条約を取り付けた第一天子の功績が認められ次期帝位継承者は第一天子となり、派閥争いに負けた第二天子派は継承順位を下げられ、それに付き従った者の中には爵位剥奪のうえ、帝都江流波から追放された華族もいた
そして大貴もその例に漏れず、邸宅にて謹慎を申し付けられ現在は華族用の豪華な護送車で大天族の居城へと向かっていた
即位したての政権が安定していない君主と没落寸前の血筋だけは立派な純血華族の複雑な結婚事情を描いた物語
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
僕の部下がかわいくて仕方ない
まつも☆きらら
BL
ある日悠太は上司のPCに自分の画像が大量に保存されているのを見つける。上司の田代は悪びれることなく悠太のことが好きだと告白。突然のことに戸惑う悠太だったが、田代以外にも悠太に想いを寄せる男たちが現れ始め、さらに悠太を戸惑わせることに。悠太が選ぶのは果たして誰なのか?
【完結】恋愛初学者の僕、完璧すぎる幼馴染に「恋」を学ぶ
鳥羽ミワ
BL
志村春希は高校二年生で、同い年の幼馴染・須藤涼太のことが大好き。その仲良しぶりといったら、お互い「リョウちゃん」「ハルくん」と呼び合うほどだ。
勉強が好きな春希には、どうしてもひとつだけ、全く理解できないことがあった。それは、恋心。学年一位の天才でもある涼太にそのもどかしさを愚痴ったら、「恋」を教えようかと提案される。
仮初の恋人になる二人だけど、春希が恋を知ったら、幼馴染の友達同士のままではいられない。慌てる春希に「パラダイムシフトを起こそうよ」と提案する涼太。手を重ねて、耳元で囁く涼太。水族館デートに誘う涼太。あまあまに迫られて、恋愛初学者の春希が陥落しないはずもなく……。
恋を知ったら友達でいられない。でもこの思いは止められない。
葛藤する春希の隣で涼太だけが、この関係は両片思いだと知っていた。
幼馴染の溺愛恋愛ケーススタディ、開幕! 最後はもちろんハッピーエンド!
※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうへ投稿しています
【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話
須宮りんこ
BL
【あらすじ】
高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。
二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。
そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。
青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。
けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――?
※本編完結済み。後日談連載中。
誰かの望んだ世界
日燈
BL
【完結】魔界の学園で二年目の学園生活を送るイオは、人知れず鶯色の本をめくる。そうすれば、必要な情報を得ることができた。
学園には、世界を構成するエネルギーが結晶化したといわれる四つの結晶石≪クォーツ≫を浄める、重要な家系の生徒が集っている。――遥か昔、世界を破滅に導いたとされる家系も。
彼らと過ごす学園生活は賑やかで、当たり前のようにあったのに、じわじわと雲行が怪しくなっていく。
過去との邂逅。胸に秘めた想い――。
二度目の今日はひっそりと始まり、やがて三度目の今日が訪れる。
五千年ほど前、世界が滅びそうになった、その時に。彼らの魂に刻まれた遺志。――たった一つの願い。
終末を迎えた、この時に。あなたの望みは叶うだろうか…?
――――
登場人物が多い、ストーリー重視の物語。学校行事から魔物狩り、わちゃわちゃした日常から終末まで。笑いあり涙あり。世界は終末に向かうけど、安定の主人公です。
2024/11/29完結。お読みいただき、ありがとうございました!執筆中に浮かんだ小話を番外編として収めました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる