異世界でゆるゆる生活を満喫す

葉月ゆな

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【リーンハルト:9歳】

第191話 買取価格の相場は

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いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は本日午後の予定です。

よろしくお願いいたします。

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「この生地を見てください」とフェルト生地とフェルト生地で作ったルアンのぬいぐるみをテーブルの上に置く。

日数がなかったので、ぬいぐるみを作成依頼した侍女に従魔たちの中で一番作りやすいもので作成して見せてほしいとお願いしたらルアンだった。

確かに体型はペンギンで全身黄色だから作りやすいといえば作りやすいかな。

目や口は刺繍糸で縫っていて足までフェルト生地で作っている。

手のひらサイズの直径10cmのぬいぐるみは、ルアンの頭から輪っかの紐がついていてバックのチャームにもなるようになっている。

「これは見たことない生地ですね。この生地で作ったプルチーのぬいぐるみですか」
プルチーの特徴をとらえた可愛いぬいぐるみだ。

「この生地はグーシュの毛を特殊加工したものです」
「グーシュって、硬くて使い物にならないあのグーシュの毛ですか」

「そうです。これは新しい街のお土産として売りに出したいのですが、年間どれぐらいの量が確保できるのか、また適正価格を相談したくて来たのです」


マックベリーギルド長、ギャビン副ギルド長、メビウスさんはフェルト生地やぬいぐるみを順番に手に取り確認していた。

「これは、生地としては丈夫ではないようですね」
「メビウスさん、そうです。グーシュの毛を紡ごうとしてもお湯に入れると硬くなるので紡ぐことはできません」

「おいおい、いいのか、機密事項だろう」とマックベリーさんが慌てて私の言葉を遮ってきた。
「特殊加工の内容をお話ししていないので大丈夫です」

「お湯に入れると硬くなるのなら、ぬいぐるみをお湯で洗うと硬くなるのでしょうか」
「この生地にした後ならお湯につけても硬くならないです。ここで試してもらってもいいですよ」
メビウスさんがお湯を持ってきますといって、部屋を出て行った。


「生地として丈夫でないなら買取価格は高くならないな。しかし今まで破棄していたものだ。お金になるなら持ち込みも増えるだろう」

「グーシュの持ち込みは少ないのですか」
「そうだな。グーシュの肉は自分たちで食べて、角は冒険者自身で加工して矢じりに使うことが多い。弓矢を使わない冒険者が持ち込む程度だからギルドの取り扱いは少ないな」

そうなると、ヘリオス村とルクス村に直接買取交渉になるか。


メビウスさんが戻ってきて、お湯に入れた桶にフェルト生地とぬいぐるみを入れて取り出し、空桶にフェルト生地とぬいぐるみを移し、手で触っている。

「本当ですね。生地もぬいぐるみも硬くなっていません」
「グーシュ1体で毛はいくら取れたかな」

「ギルド長、解体担当のジミーに聞かないとわからないです。聞いてきましょうか」
「そうだな。メビウス悪いが聞いて来てくれ」


メビウスさんが聞いてきたところでは、7kg~10kgではないかとのこと。

「最初は1kg、3銅貨ぐらいか。ギャビンどう思う」
「そうですね。今まで価値ゼロだったものの買取になりますし、今後の需要が伸びれば値上げでいいのではないでしょうか」

1kg、3銅貨、前世で3,000円。1体10kgなら3銀貨、前世で3万円か。

私は基本お金を持つことがないから、貨幣価値をあまり考えたことがなかったけれど、先日の市場に行く前に勉強した。

この国には、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨があり、1鉄貨は前世で100円、1銅貨は1,000円、1銀貨は1万円、1金貨は10万円、1白金貨は100万円の価値になるみたいだ。

1円、10円はなく1個の価格が1鉄貨未満なら、2個、3個売りで帳尻を合わせているようだ。

領都やエミニーラの男性の平均年収、3.5白金貨、前世だと350万前後で家族4、5人なら十分暮らせる。
ただ村だと平均年収、2.5白金貨の生活で精いっぱいの暮らしみたいだ。

話はそれたが、あとグーシュの皮も今までは価値ゼロだったみたいだ。

グーシュの毛が硬くて毛を取り除こうとしても皮が破れていたためだとか。

今後、毛と皮が奇麗に分離できるなら皮としての使い道も出てくるので、結果を教えてほしいと言われたので、奇麗に分離できたら皮を持ち込むことを約束する。


「話は変わるが、ホワイトドラゴンは従魔登録するのか?」
「なぜですか?」

「ネームプレートをつけているということはルチアやレビンみたいに仮登録扱いをするのかと思ったのだが違うのか」

そうだった。
ルーカスの転生前の鱗の競売が終わって、各国の王族や高位貴族が帰国したら王家に報告することにしたから、父上は冒険者ギルドに連絡していないようだ。

ルーカスのネームプレートは、アトレと同じ仕様にしていて表面が我が家の紋章、裏面にルーカスの名前と私の名前、僕の目の色タンザナイトとルーカスの目の色は金色だけど、金だと味気ないので宝石で探したら、金色に近いパール、イエローパールがあった。宝石にはできない小さい変形パールがあるときいたのでイエローパールにした。

もちろんアトレと同じ予算額だ。
鱗の色で白パールでもよかったけれど、アトレと同じにしたほうがいいような気がしてイエローパールにしたのだ。

「登録の件は父上が戻ってから改めて連絡しますので、今日のところは見なかったことにしてください」
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