侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕

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 親友、それは私の耳には 恋人 なんかよりずっと魅力的に響く。
 
 私と同年代の子供の親は、同じく親同士も同年代なわけだ。
 
 つまり書類上どう取り繕ったところで私が不貞の産物だということは皆が知っている。

 特に母親達の中には私の実母の所業をオンタイムで目撃したり、実際に被害にあったりした人もいるわけで。

 『女性特有の連帯』も手伝ってサンドラは許せない、サンドラはろくでもない悪女といった空気は広く浸透していったと思われる。

 当然の結果として自分の子供達に私と仲良くしないように言い聞かせるわけだ。

 実際に

「あなたと関わると悪い影響があるから遊んじゃダメだって」

 というようなことを言われたことも何度もある。

 よって私には幼少期から今に至るまで友達と呼べる存在は皆無だ。

  親の因果が子に報い の言葉通り、本人亡き今 制裁の矛先が娘である私に向くのも仕方ないと甘んじて受け止めるしかなかった。

 だから私は皆が楽しそうに輪になってお弁当を広げたり、中庭で合唱の練習をしていたりするのを遠目に見ながら孤独な青春時代を過ごした。

 何か行事があるたびに居場所のない私はトイレの個室や校舎の裏が定位置だった。
 
 するとそんなつもりではないのだが結果的に盗み聞きしてしまうことも何度もあった。

「あの子、最近調子に乗ってない?」

いつもつるんで仲良しグループを形成している人達がその場にいない人物の悪口を言うのは何回も聞いた。
 
『もし、誰かが友達になってくれたら、絶対に裏切らないのになあ』

なんて思ったものだが、それは私に友達がいなかったからだけかも知れない。
 
 たまにお小遣いを貰って町に行くと、可愛いメモ帳やペン、封筒や便箋やなんかを2つずつ買った。

 いつか友達が出来たらお揃いで使うために。

 皆がやっている交換日記というのもやってみたかった。

 お茶を飲むために可愛いカップも2個買った。
 
友達ができたら私の部屋でお茶を飲みながら面白い物語のことや好きな男の子の話をするために。

 白いローテーブルを買ってもらって、そこに広げるレースのドイリーも編んだ。
 うんとステキなお茶会にしなくちゃね。

 だけどそのカップが使われることはなかったし、文房具たちも抽斗ひきだしの中で色褪せた流行遅れになっていった。
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