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第18話 革命
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あっという間に夏休みが終わり、平凡な学校生活が再開した。僕が第2多目的室に行くと、ヒマリが用紙を見ながら頭を抱えていた。
「どうしたの、ヒマリ?」
「私、文化祭の実行委員をしているんだけど、どうしても体育館ステージの催し物が一枠埋まらなくて。募集はかけてるんだけど……」
「体育館ステージの催し物って言うと、漫才とかダンスとかバンド演奏とか、そういうやつ?」
アカネが尋ねるとヒマリは頷いた。
「だったらヒマリが出ればいいじゃないか」
僕がそう言うとヒマリは目を丸くした。
「えっ、私!?」
アカネは大きく頷いた。
「その通りだわ。ヒマリが歌ちゃえばいいのよ。別に実行委員が出ちゃいけないわけじゃないんでしょ?」
ヒマリは狼狽えて、
「そうだけど、その一人で出るのはちょっと心細いというか……」
僕は少し考えて、
「文化祭は確か土曜日だったよね?」
ヒマリは頷く。
「それと、その催し物には外部者は出ていいのかな?」
「演者の中に一人でも本校の生徒がいれば大丈夫だよ」
僕はニッコリと微笑んだ。
「なら僕に任せてよ。強力な助っ人を呼んでおくからさ」
ヒマリは怪訝そうな顔をした。
文化祭当日、僕らは第2多目的室にいた。賑やかな声が遠くから聞こえてくる。ヒマリはギターを抱えながら不安そうにしている。
「あの、あと30分でステージが始まるけど、その助っ人っていうのはいつ来るの?」
僕は時計を見た。14時ちょうど。
「もうすぐだよ」
すると扉が開き、3人の助っ人が僕らの前に現れた。
僕とアカネは体育館のステージ前に腰をおろした。観客は思ったより多い。100人はいるだろか?
「すごい人ね。出店に飽きた人たちが集まってきてるのかしら」
アカネがそう言うと、ステージの幕が上がった。ステージ上の4人にスポットライトが当てられる。ギタリストの前にスタンドマイクが置かれている。
「どうも、ギタリストの苅谷緑です。ベースは前田若菜。ドラムは田村萌恵。私たち3人は昔同じバンドにいたんだけど、今日はボーカルにヒマリちゃんを迎え、一日限りのバンド『Green Sisters & Miss Sun Flower』としてライブさせてもらいます。それじゃあヒマリちゃん、曲紹介よろしく」
苅谷さんがヒマリの前にスタンドマイクを置く。ヒマリはまっすぐ前を見て、はっきりとした声で話し始めた。
「私の姉、マシロは今年の5月7日に、自らの手でこの世を去りました。お姉ちゃんは、『明日はあるんだ』と祈っていた。だけど、お姉ちゃんは、明日を信じることが出来なかった。でも、お姉ちゃんが遺した想いは、私たちの心に、風を吹かせました。もう、お姉ちゃんは戻ってこない。だけど、お姉ちゃんの分まで精一杯生きようと思う。ちっぽけな事だけど、それが私たちにとっての『革命』です。ーー聞いてください。『革命』」
革命を起こすんだ 夢を見るんだと誰もが今夜祈るわけは
革命を起こすんだ 風を待つんだと誰もが胸踊らせるわけは
リンリンリンと電話が鳴って 呼んでるんだ 熱が騒ぐんだ
100回 1000回 10000回叫んだって
伝わらない 届かない想いは
100日 1000日 10000日たった後で
きっと誰かの心に風を吹かせるんだ
革命を起こすんだ 明日はあるんだと誰もが今夜祈るわけは
パパパパパパパとファンファーレ 呼んでるんだ 熱が騒ぐんだ
100回 1000回 10000回くり返して
伝わらない 届かない想いは
100日 1000日 10000日たった後で
夜明けを待つ心に風を吹かせるんだ
体育館は拍手に包まれた。横を見ると、アカネが柔らかい笑みを浮かべながらステージ上のヒマリを見ていた。彼女の後ろに様々な風景が見えた。真っ赤な夕陽が照らす広大な砂漠、終点の見えぬ青い大海原、透明な風が吹き抜ける緑の草原、夜を知らぬ大都会を照らす黄金の満月、無機質な照明に照らされる真っ白な恋人の肌。そこには色鮮やかな夢があった。荒んだ心を癒やす柔らかな風があった。希望に満ち溢れた明日があった。僕はアカネが愛おしく思えてきた。アカネの顎を持ち、彼女の顔をこちらに向けると、彼女の唇にキスをした。
「ねえ、アカネ。明日日曜日だろう? 一緒にどこか行かないか?」
アカネは優しく微笑んだ。
「貴方と一緒ならどこへでも行くわ」
「どうしたの、ヒマリ?」
「私、文化祭の実行委員をしているんだけど、どうしても体育館ステージの催し物が一枠埋まらなくて。募集はかけてるんだけど……」
「体育館ステージの催し物って言うと、漫才とかダンスとかバンド演奏とか、そういうやつ?」
アカネが尋ねるとヒマリは頷いた。
「だったらヒマリが出ればいいじゃないか」
僕がそう言うとヒマリは目を丸くした。
「えっ、私!?」
アカネは大きく頷いた。
「その通りだわ。ヒマリが歌ちゃえばいいのよ。別に実行委員が出ちゃいけないわけじゃないんでしょ?」
ヒマリは狼狽えて、
「そうだけど、その一人で出るのはちょっと心細いというか……」
僕は少し考えて、
「文化祭は確か土曜日だったよね?」
ヒマリは頷く。
「それと、その催し物には外部者は出ていいのかな?」
「演者の中に一人でも本校の生徒がいれば大丈夫だよ」
僕はニッコリと微笑んだ。
「なら僕に任せてよ。強力な助っ人を呼んでおくからさ」
ヒマリは怪訝そうな顔をした。
文化祭当日、僕らは第2多目的室にいた。賑やかな声が遠くから聞こえてくる。ヒマリはギターを抱えながら不安そうにしている。
「あの、あと30分でステージが始まるけど、その助っ人っていうのはいつ来るの?」
僕は時計を見た。14時ちょうど。
「もうすぐだよ」
すると扉が開き、3人の助っ人が僕らの前に現れた。
僕とアカネは体育館のステージ前に腰をおろした。観客は思ったより多い。100人はいるだろか?
「すごい人ね。出店に飽きた人たちが集まってきてるのかしら」
アカネがそう言うと、ステージの幕が上がった。ステージ上の4人にスポットライトが当てられる。ギタリストの前にスタンドマイクが置かれている。
「どうも、ギタリストの苅谷緑です。ベースは前田若菜。ドラムは田村萌恵。私たち3人は昔同じバンドにいたんだけど、今日はボーカルにヒマリちゃんを迎え、一日限りのバンド『Green Sisters & Miss Sun Flower』としてライブさせてもらいます。それじゃあヒマリちゃん、曲紹介よろしく」
苅谷さんがヒマリの前にスタンドマイクを置く。ヒマリはまっすぐ前を見て、はっきりとした声で話し始めた。
「私の姉、マシロは今年の5月7日に、自らの手でこの世を去りました。お姉ちゃんは、『明日はあるんだ』と祈っていた。だけど、お姉ちゃんは、明日を信じることが出来なかった。でも、お姉ちゃんが遺した想いは、私たちの心に、風を吹かせました。もう、お姉ちゃんは戻ってこない。だけど、お姉ちゃんの分まで精一杯生きようと思う。ちっぽけな事だけど、それが私たちにとっての『革命』です。ーー聞いてください。『革命』」
革命を起こすんだ 夢を見るんだと誰もが今夜祈るわけは
革命を起こすんだ 風を待つんだと誰もが胸踊らせるわけは
リンリンリンと電話が鳴って 呼んでるんだ 熱が騒ぐんだ
100回 1000回 10000回叫んだって
伝わらない 届かない想いは
100日 1000日 10000日たった後で
きっと誰かの心に風を吹かせるんだ
革命を起こすんだ 明日はあるんだと誰もが今夜祈るわけは
パパパパパパパとファンファーレ 呼んでるんだ 熱が騒ぐんだ
100回 1000回 10000回くり返して
伝わらない 届かない想いは
100日 1000日 10000日たった後で
夜明けを待つ心に風を吹かせるんだ
体育館は拍手に包まれた。横を見ると、アカネが柔らかい笑みを浮かべながらステージ上のヒマリを見ていた。彼女の後ろに様々な風景が見えた。真っ赤な夕陽が照らす広大な砂漠、終点の見えぬ青い大海原、透明な風が吹き抜ける緑の草原、夜を知らぬ大都会を照らす黄金の満月、無機質な照明に照らされる真っ白な恋人の肌。そこには色鮮やかな夢があった。荒んだ心を癒やす柔らかな風があった。希望に満ち溢れた明日があった。僕はアカネが愛おしく思えてきた。アカネの顎を持ち、彼女の顔をこちらに向けると、彼女の唇にキスをした。
「ねえ、アカネ。明日日曜日だろう? 一緒にどこか行かないか?」
アカネは優しく微笑んだ。
「貴方と一緒ならどこへでも行くわ」
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