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第8話 マシロの初恋
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ヒマリは両拳をギュッと握りながら、苦々しい表情を浮かべていた。窓の外から甲高い音が微かに聞こえた。吹奏楽部が演奏するトライアングルの音だろうか。
「このままでは納得がいきません。徹底的にやりましょう」
「徹底的にって?」
私はヒマリの顔を見て尋ねた。彼女は目を鋭くさせ、決意に満ちた表情をしていた。
「野球部のキャプテンにも話を聞きにいくんです。小説では、野球部のキャプテンも重要人物ですから、きっと何か姉と関係があるはずです」
私は地球儀をグルグル回しながら、
「そこはフィクションじゃないの?野球部のキャプテンに片思いなんて、恋愛小説じゃあ鉄板中の鉄板じゃない。っていうか、もうキャプテンさん帰ってんじゃないの?」
ヒマリは勢いよく立ち上がった。
「じゃあ急いで行きましょう! 野球部のキャプテンの山口先輩は3年2組だったはずです」
そう言ってヒマリは教室をすご速さで飛び出していった。「また行くのかよ」と愚痴をいいながら、私もついて行く。
3年2組の教室に着くと、そこにはまだ数名の生徒が残っていた。ヒマリは入口から身を乗り出し、教室中を見回した。ヒマリは大きな声で叫んだ。
「あの、山口先輩はいらっしゃいませんか?」
すると、廊下ですれ違った女子生徒がヒマリに声をかけた。
「山口ならさっき帰ってくのを見かけたよ。山口に何か用? 私でよければ明日伝えるけど。私、野球部のマネージャーなんだ」
私たちは、立ち話もなんだからと言って、マネージャーを第2多目的室に案内した。全員が席につくと、ヒマリはあの小説と落書きのことを手短に説明した。ヒマリの話を聞くと、マネージャーは妙な顔をした。
「屋上に牧の名前があってのは本当なの?」
「本当です。中村先輩のおかげで見つけられたんです」
マネージャーは私の顔を見た。私は小さくお辞儀した。マネージャーは不思議そうな顔をした。
「変ねえ。島﨑さんが好きなのは山口のはずだったんだけど」
「へ?」
私とヒマリは不意をつかれたような声を出した。
「山口ってね、めちゃくちゃモテるのよ。イケメンで野球部のエースピッチャー。そのうえ頭も良くて、人当たりもいいんだから、そりゃモテないわけがないわよね。で、島﨑さんも例に漏れず、彼に惚れてたのよ」
ヒマリは不思議そうな顔をして、
「でも、どうして姉が山口先輩のことが好きだったことを知ってるんですか?」
マネージャーは少し考えるような仕草をした。
「そうねぇ。何から話そうかしら」
ヒマリはマネージャーの方に体を向け、真剣な顔で彼女の顔を見た。太陽はすっかり沈み、教室は暗い影に包まれた。窓の外でカラスが羽ばたく音がした。マネージャーは、手を机の上に乗せ、記憶を辿るように、ゆっくりと語り始めた。
「このままでは納得がいきません。徹底的にやりましょう」
「徹底的にって?」
私はヒマリの顔を見て尋ねた。彼女は目を鋭くさせ、決意に満ちた表情をしていた。
「野球部のキャプテンにも話を聞きにいくんです。小説では、野球部のキャプテンも重要人物ですから、きっと何か姉と関係があるはずです」
私は地球儀をグルグル回しながら、
「そこはフィクションじゃないの?野球部のキャプテンに片思いなんて、恋愛小説じゃあ鉄板中の鉄板じゃない。っていうか、もうキャプテンさん帰ってんじゃないの?」
ヒマリは勢いよく立ち上がった。
「じゃあ急いで行きましょう! 野球部のキャプテンの山口先輩は3年2組だったはずです」
そう言ってヒマリは教室をすご速さで飛び出していった。「また行くのかよ」と愚痴をいいながら、私もついて行く。
3年2組の教室に着くと、そこにはまだ数名の生徒が残っていた。ヒマリは入口から身を乗り出し、教室中を見回した。ヒマリは大きな声で叫んだ。
「あの、山口先輩はいらっしゃいませんか?」
すると、廊下ですれ違った女子生徒がヒマリに声をかけた。
「山口ならさっき帰ってくのを見かけたよ。山口に何か用? 私でよければ明日伝えるけど。私、野球部のマネージャーなんだ」
私たちは、立ち話もなんだからと言って、マネージャーを第2多目的室に案内した。全員が席につくと、ヒマリはあの小説と落書きのことを手短に説明した。ヒマリの話を聞くと、マネージャーは妙な顔をした。
「屋上に牧の名前があってのは本当なの?」
「本当です。中村先輩のおかげで見つけられたんです」
マネージャーは私の顔を見た。私は小さくお辞儀した。マネージャーは不思議そうな顔をした。
「変ねえ。島﨑さんが好きなのは山口のはずだったんだけど」
「へ?」
私とヒマリは不意をつかれたような声を出した。
「山口ってね、めちゃくちゃモテるのよ。イケメンで野球部のエースピッチャー。そのうえ頭も良くて、人当たりもいいんだから、そりゃモテないわけがないわよね。で、島﨑さんも例に漏れず、彼に惚れてたのよ」
ヒマリは不思議そうな顔をして、
「でも、どうして姉が山口先輩のことが好きだったことを知ってるんですか?」
マネージャーは少し考えるような仕草をした。
「そうねぇ。何から話そうかしら」
ヒマリはマネージャーの方に体を向け、真剣な顔で彼女の顔を見た。太陽はすっかり沈み、教室は暗い影に包まれた。窓の外でカラスが羽ばたく音がした。マネージャーは、手を机の上に乗せ、記憶を辿るように、ゆっくりと語り始めた。
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