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073:ダンジョンボス
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ダンジョンの最奥に到着した。そこには重々しい扉が目の前に立ちはだかっている。
「この先にはダンジョンコアを護る強力な敵がいるはずだ」
ラーダが真剣な表情で解説している。
「だが、俺たちなら倒せるはずだ。行くぞ!」
そう言って扉を開いた。そして全員で中へと入る。真っ暗だ。
そんな暗闇の中をそっと進む。ただし壁に手を付きながらだ。いきなり中央を歩くほど無謀じゃない。
そうやって進んでいくと突然、壁に光が灯った。壁掛けのトーチが見える。そこに光がポツッと灯っているのだ。脆弱な光は闇をより深くする。しかし自分たちの真上のトーチに光が灯ったのを始まりにして、次々に壁のトーチに光が灯り始めた。
光が部屋の中を照らている。そして部屋の最奥。自分たちの反対側にはそいつが居た。
「アースドラゴン!」
ラーダの悲鳴。外で出会ったのよりは小さい。アフリカゾウぐらいのデカさだ。いや十分デカいが、外に居たのに比べればマシだろう。
「おいおい。マジかよ!」
戸惑う俺たちの声に反応したかのように、眠っていたアースドラゴンが目を開けた。
「ぐぅう。何者か?」
喋った!
全員が唖然とする中でアースドラゴンが視線をこちらに向けた。
「人間に……エルフか。ふむ。ようやくここに到達するものが現れたか」
体がゆっくりと持ち上がっていく。
「ではな。人間にエルフよ。富と名声が欲しくば我を倒してみよ」
そう言った瞬間。アースドラゴンが息を吸い込み始めた。何かを吐き出そうとしている。
俺は叫ぶ。
「散れ! 逃げろ!」
全員が散り散りになって逃げ始める。その瞬間。
ごぉおおおおお!
と竜巻が吹き荒れた。逃げた先の俺にも感じるのは熱波だ。どうやら高温のブレスを吐き出しているようだ。
あまりの熱で肌がチリチリする。洒落になってねぇぞ!
そこにズシンズシンと足跡。今度は何だ!
俺が視線を音の方に向けると、目の前にはアースドラゴンが。それが口をぱっくりと開けて突進してきた。
食われる!
そう思った時。
ガキンと硬い金属音が鳴った。突進が止まりアースドラゴンが振り返る。俺もアースドラゴンの視線先を見た。そこにはラーダが。
「くっそ。硬ぇ!」
そんなラーダにアースドラゴンが「ふん。無駄だ」と呟いた。直後にお尻を持ち上げて、しっぽを振った。とっさにラーダは剣で身を守りバックステップ。
「人間ごときに傷がつけられる我ではないわ」
よく喋るアースドラゴンだな。
俺はその間に、銃を取り出して発砲した。
すると銃弾がアースドラゴンの表皮を削った。
「なっ! 人間が我を傷つけるか!」
外に居た、でかいのにも傷はつけれたんだ。こいつに傷が付かない通りはない。しかし、どうやらそれが彼のプライドを傷つけたようだ。怒りの表情で俺に突進。そして噛みつきをしてきた。俺は無様にも走って逃げ出した。
逃げる俺。追いかけてくるドラゴン。そんな追いかけっこをしている間に、エリスのマジックアローが放たれた。ハルも発砲。ジャックも剣で斬りかかる。
それが鬱陶しかったのだろう。
アースドラゴンが切れて「ぐぅおおおおおおお!」と吼えたのだ。その隙きに俺はステータスをイジる。多分これをしたらもう銃としては致命的なことになるだろう。
以前にも少し話したが、銃は威力があれば良いわけじゃない。適切な威力があってはじめて最大の効果が発揮されるのだ。小さな鳥を撃つのに、大きくて高威力な弾は必要ないように。つまり、この化け物を倒すために俺は銃の威力を現状できる最大威力にすることにしたのだ。アースドラゴンの堅固な鱗を貫くために。
準備の整った俺とアースドラゴンの目が合った。アースドラゴンが息を吸い込み始めた。しかし俺のほうが早い。
「終わりだ。喰らえ化け物!」
ポイントを上げて音を消したはずの銃から発砲音。同時に銃身が弾け飛んだのだった。
「この先にはダンジョンコアを護る強力な敵がいるはずだ」
ラーダが真剣な表情で解説している。
「だが、俺たちなら倒せるはずだ。行くぞ!」
そう言って扉を開いた。そして全員で中へと入る。真っ暗だ。
そんな暗闇の中をそっと進む。ただし壁に手を付きながらだ。いきなり中央を歩くほど無謀じゃない。
そうやって進んでいくと突然、壁に光が灯った。壁掛けのトーチが見える。そこに光がポツッと灯っているのだ。脆弱な光は闇をより深くする。しかし自分たちの真上のトーチに光が灯ったのを始まりにして、次々に壁のトーチに光が灯り始めた。
光が部屋の中を照らている。そして部屋の最奥。自分たちの反対側にはそいつが居た。
「アースドラゴン!」
ラーダの悲鳴。外で出会ったのよりは小さい。アフリカゾウぐらいのデカさだ。いや十分デカいが、外に居たのに比べればマシだろう。
「おいおい。マジかよ!」
戸惑う俺たちの声に反応したかのように、眠っていたアースドラゴンが目を開けた。
「ぐぅう。何者か?」
喋った!
全員が唖然とする中でアースドラゴンが視線をこちらに向けた。
「人間に……エルフか。ふむ。ようやくここに到達するものが現れたか」
体がゆっくりと持ち上がっていく。
「ではな。人間にエルフよ。富と名声が欲しくば我を倒してみよ」
そう言った瞬間。アースドラゴンが息を吸い込み始めた。何かを吐き出そうとしている。
俺は叫ぶ。
「散れ! 逃げろ!」
全員が散り散りになって逃げ始める。その瞬間。
ごぉおおおおお!
と竜巻が吹き荒れた。逃げた先の俺にも感じるのは熱波だ。どうやら高温のブレスを吐き出しているようだ。
あまりの熱で肌がチリチリする。洒落になってねぇぞ!
そこにズシンズシンと足跡。今度は何だ!
俺が視線を音の方に向けると、目の前にはアースドラゴンが。それが口をぱっくりと開けて突進してきた。
食われる!
そう思った時。
ガキンと硬い金属音が鳴った。突進が止まりアースドラゴンが振り返る。俺もアースドラゴンの視線先を見た。そこにはラーダが。
「くっそ。硬ぇ!」
そんなラーダにアースドラゴンが「ふん。無駄だ」と呟いた。直後にお尻を持ち上げて、しっぽを振った。とっさにラーダは剣で身を守りバックステップ。
「人間ごときに傷がつけられる我ではないわ」
よく喋るアースドラゴンだな。
俺はその間に、銃を取り出して発砲した。
すると銃弾がアースドラゴンの表皮を削った。
「なっ! 人間が我を傷つけるか!」
外に居た、でかいのにも傷はつけれたんだ。こいつに傷が付かない通りはない。しかし、どうやらそれが彼のプライドを傷つけたようだ。怒りの表情で俺に突進。そして噛みつきをしてきた。俺は無様にも走って逃げ出した。
逃げる俺。追いかけてくるドラゴン。そんな追いかけっこをしている間に、エリスのマジックアローが放たれた。ハルも発砲。ジャックも剣で斬りかかる。
それが鬱陶しかったのだろう。
アースドラゴンが切れて「ぐぅおおおおおおお!」と吼えたのだ。その隙きに俺はステータスをイジる。多分これをしたらもう銃としては致命的なことになるだろう。
以前にも少し話したが、銃は威力があれば良いわけじゃない。適切な威力があってはじめて最大の効果が発揮されるのだ。小さな鳥を撃つのに、大きくて高威力な弾は必要ないように。つまり、この化け物を倒すために俺は銃の威力を現状できる最大威力にすることにしたのだ。アースドラゴンの堅固な鱗を貫くために。
準備の整った俺とアースドラゴンの目が合った。アースドラゴンが息を吸い込み始めた。しかし俺のほうが早い。
「終わりだ。喰らえ化け物!」
ポイントを上げて音を消したはずの銃から発砲音。同時に銃身が弾け飛んだのだった。
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