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悪夢が続く エイミーside 4
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それからお姉様は、私に色々なことをしてくれた。
面白い話だとか、今流行のドレスだとか、新しくできたカフェだとか、そんな些細な事ばかりだったけれど、私にとってはとても嬉しい事だった。
私にとってお姉様とはとても高貴な存在で、小さい頃に人から話してもらった“お姫様”だった。そんな高貴で美しい存在に近づく事が出来て、私はとても幸せだった。
お姉様は私が12の誕生日に、お姉様は素敵なサファイアのイヤリングをくださった。
それは涙型にカットされた大粒のサファイアで、その深くて澄んでいる青を一目見ただけで高価なものだとわかった。その涙型のサファイアを取り囲むようにして、小粒のダイヤモンドが輝いている。使われている金具は銀で、その金具に取り付けられたサファイアは一歩動くたびにゆらゆらと揺れた。
お姉様は私に言った。
「これはエイミーの色なのよ。ほら、よく似合ってる。凛として見えるわ。とっても素敵よ。」
この時、この瞳の色で生まれてきてよかったと心から思った。私の濁ったような青はこの澄んでいる青には敵わないと思ったけれど、お姉様がそう言ってくれることが私の喜びだった。
お父様は私の為にお屋敷で誕生日パーティーを開いてくださって、お姉様と仲がよろしいご令嬢や、お父様の知り合いの方が沢山屋敷にやってきた。
私はたくさんの人からプレゼントを貰ったけど、一番嬉しかったのはお姉様がらもらったサファイアのイヤリングだった。私が来客に挨拶をするたびにゆらゆらと揺れて、その存在を教えてくれるから、私はお姉様と一緒にいる気分になった。
儚げで美しい、お姫様みたいな…女神様みたいなお姉様が私の理想だった。
ゆらゆらと揺れるイヤリングに浮かれていたからだろうか、私がその視線に気がついたのは随分と遅い頃だったと思う。
あと少しでお開きというところで、私はねっとりとした居心地の悪い視線を感じた。
その視線の元を探すと、1人の青年と目があった。その青年はぞっとするほど感情がない目で私を見て、目があった瞬間私の方に向かってきて歩いてきて、にっこりと笑った。
私はあなたのお姉さんの婚約者なんだ、と言って。
そうして私の手を取って、私をダンスに誘った。
その手は気持ちが悪くなるくらい湿っていて温かくて、手を重ねて少しすると居心地が悪くなってきた。
その青年はオリバーと名乗ったあとお姉様のことを褒め称えて、自分は幸せ者だと言っていた。私はお姉様のことを褒め称えているオリバー様に好感を持って、居心地の悪さはすぐに居心地の良さに変わった。私はオリバー様が褒め称えるお姉様を誇らしく思って、私もお姉様の素晴らしさを語った。
くるくるくるくる、私達は話しながらダンスを踊る。回って離れてくっついて、また離れてステップを踏む。お姉様の良さをわかってくれている人が私の将来の義兄になることが嬉しかった。ふわふわとした気持ちで、イヤリングとドレスを揺らして私は踊った。この時だけは貼り付けた笑みではなくて、本当の笑みが浮かんできて、ダンスを踊りながらにこにこと笑った。
オリバー様は私の笑みも褒めてくれて、とても親切にしてくれた。
それから少し経って私達は離れて、オリバー様はお姉様と2回目のダンスを踊りはじめた。
私はふわふわした時間を過ごしたけれど、それと同時に小さな疑問も生まれた。
お姉様とオリバー様は小さな頃から婚約していたのに、どうして私には婚約者がいないんだろう、と。少しだけ考えて、私は答えに辿り着いた。私が愛人の子供だからだ。
そう思ったらお姉様と私との間の身分の差に気がついてしまって、私はどんなに着飾ったってお姉様と並ぶことはできないのだと思い知った。娼婦の子供は娼婦の子供でしかないのだ。
涙が滲みかけたけど、お姉様のイヤリングが揺れるのを感じて我慢をすることにした。
身分の差があったって、お姉様は私に親切にしてくれるし、お父様もお母様も私を本当の娘のように扱ってくれる。別に婚約者がいなくたってまだまだ時間があるんだ、と思い込ませる。
この国の結婚適齢期は16~18だ。あと2、3年で婚約者を探せばいい。
それに、今日だけでも私は主役なのだ。ふわふわのシフォンのドレスを着て、色々な人とくるくると踊って、美味しいものを食べて、豪華なプレゼントを山のようにもらう。
今日のお姫様は私なのだ。
楽しそうに笑うお姉様とオリバー様が目のはしに写って、なんだか羨ましく思えたけど、私は未来に期待することにした。
そうすること以外、感情の整理の仕方がわからなかった。
そしてオリバー様の第一印象は、とても良いものだった。
面白い話だとか、今流行のドレスだとか、新しくできたカフェだとか、そんな些細な事ばかりだったけれど、私にとってはとても嬉しい事だった。
私にとってお姉様とはとても高貴な存在で、小さい頃に人から話してもらった“お姫様”だった。そんな高貴で美しい存在に近づく事が出来て、私はとても幸せだった。
お姉様は私が12の誕生日に、お姉様は素敵なサファイアのイヤリングをくださった。
それは涙型にカットされた大粒のサファイアで、その深くて澄んでいる青を一目見ただけで高価なものだとわかった。その涙型のサファイアを取り囲むようにして、小粒のダイヤモンドが輝いている。使われている金具は銀で、その金具に取り付けられたサファイアは一歩動くたびにゆらゆらと揺れた。
お姉様は私に言った。
「これはエイミーの色なのよ。ほら、よく似合ってる。凛として見えるわ。とっても素敵よ。」
この時、この瞳の色で生まれてきてよかったと心から思った。私の濁ったような青はこの澄んでいる青には敵わないと思ったけれど、お姉様がそう言ってくれることが私の喜びだった。
お父様は私の為にお屋敷で誕生日パーティーを開いてくださって、お姉様と仲がよろしいご令嬢や、お父様の知り合いの方が沢山屋敷にやってきた。
私はたくさんの人からプレゼントを貰ったけど、一番嬉しかったのはお姉様がらもらったサファイアのイヤリングだった。私が来客に挨拶をするたびにゆらゆらと揺れて、その存在を教えてくれるから、私はお姉様と一緒にいる気分になった。
儚げで美しい、お姫様みたいな…女神様みたいなお姉様が私の理想だった。
ゆらゆらと揺れるイヤリングに浮かれていたからだろうか、私がその視線に気がついたのは随分と遅い頃だったと思う。
あと少しでお開きというところで、私はねっとりとした居心地の悪い視線を感じた。
その視線の元を探すと、1人の青年と目があった。その青年はぞっとするほど感情がない目で私を見て、目があった瞬間私の方に向かってきて歩いてきて、にっこりと笑った。
私はあなたのお姉さんの婚約者なんだ、と言って。
そうして私の手を取って、私をダンスに誘った。
その手は気持ちが悪くなるくらい湿っていて温かくて、手を重ねて少しすると居心地が悪くなってきた。
その青年はオリバーと名乗ったあとお姉様のことを褒め称えて、自分は幸せ者だと言っていた。私はお姉様のことを褒め称えているオリバー様に好感を持って、居心地の悪さはすぐに居心地の良さに変わった。私はオリバー様が褒め称えるお姉様を誇らしく思って、私もお姉様の素晴らしさを語った。
くるくるくるくる、私達は話しながらダンスを踊る。回って離れてくっついて、また離れてステップを踏む。お姉様の良さをわかってくれている人が私の将来の義兄になることが嬉しかった。ふわふわとした気持ちで、イヤリングとドレスを揺らして私は踊った。この時だけは貼り付けた笑みではなくて、本当の笑みが浮かんできて、ダンスを踊りながらにこにこと笑った。
オリバー様は私の笑みも褒めてくれて、とても親切にしてくれた。
それから少し経って私達は離れて、オリバー様はお姉様と2回目のダンスを踊りはじめた。
私はふわふわした時間を過ごしたけれど、それと同時に小さな疑問も生まれた。
お姉様とオリバー様は小さな頃から婚約していたのに、どうして私には婚約者がいないんだろう、と。少しだけ考えて、私は答えに辿り着いた。私が愛人の子供だからだ。
そう思ったらお姉様と私との間の身分の差に気がついてしまって、私はどんなに着飾ったってお姉様と並ぶことはできないのだと思い知った。娼婦の子供は娼婦の子供でしかないのだ。
涙が滲みかけたけど、お姉様のイヤリングが揺れるのを感じて我慢をすることにした。
身分の差があったって、お姉様は私に親切にしてくれるし、お父様もお母様も私を本当の娘のように扱ってくれる。別に婚約者がいなくたってまだまだ時間があるんだ、と思い込ませる。
この国の結婚適齢期は16~18だ。あと2、3年で婚約者を探せばいい。
それに、今日だけでも私は主役なのだ。ふわふわのシフォンのドレスを着て、色々な人とくるくると踊って、美味しいものを食べて、豪華なプレゼントを山のようにもらう。
今日のお姫様は私なのだ。
楽しそうに笑うお姉様とオリバー様が目のはしに写って、なんだか羨ましく思えたけど、私は未来に期待することにした。
そうすること以外、感情の整理の仕方がわからなかった。
そしてオリバー様の第一印象は、とても良いものだった。
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