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4話
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期末試験の日の朝の教室はいつも以上に騒がしい。皆、勉強してこなかったとかヤマを張ってきたとか一夜漬けをしてきたから寝不足とかいろいろ言っている。この牽制は学生あるあるなんだろうか?
「おはよう、奏」
「海咲くん、おはよう」
「この間の勉強会でお前に教えてもらったから今回かなり自信あるんだ」
「よかった」
僕も入念に勉強してきている。次も学年首席がとれたら嬉しいけれど、首席というのはあくまでおまけで、そこまで執着するものではない。チャイムが鳴って皆が自分の席に戻った。
ホームルームでテストの注意事項を伝えられる。
そしていよいよ試験が始まった。今日は三時限で帰れる。テスト期間はそれが嬉しい。テストはそこまで難しくなかった。しっかり復習した成果が出たらしい。ホッとしながら最後に見直しを済ませて、鉛筆を置いたらちょうどチャイムが鳴った。
こうして今日の試験日程は全て終わった。
「ああ、疲れたな」
海咲がため息をついている。
「海咲くんも疲れることがあるんだね」
「俺だって人間だぞ。でも随分答えられたな。ありがとうな、奏」
「よかった」
今日は早めに帰って明日の試験の準備をしなくてはと僕は思っていた。でもその前に猛烈にお腹が空いている。
「海咲くんはお弁当持ってきた?」
「いや、なんかコンビニで適当に買って食おうかなって。奏は?」
「僕、ハンバーガー食べようかなって」
駅前にチェーン店のハンバーガーショップがあるのだ。学校から駅まで少し歩くけど、美味しいポテトフライとバーガーのためなら多少暑くても僕は頑張れる。
「お、いいな。俺も行く」
他の子も行くと言ってくれたので僕たちは連れ立ってハンバーガーショップを目指した。
電車通学している子もそこでお昼を食べるらしい。
同じ制服を着た学生たちがちらほらいた。注文したものを持ってテーブルに着く。
「奏はチーズバーガーか」
「うん、僕チーズバーガーしか食べないの」
「そりゃまた限定的だな」
海咲はてりやきバーガーとハンバーガー、ポテトのラージサイズを頼んでいた。細いのによくこんなに入るなあと食べるのを感心して見ていたら海咲がちょっと頬を赤らめていた。
僕はチーズバーガーに噛り付いている。美味しい。ポテトも塩気が美味しかった。
ドリンクはちょっとカロリーに抵抗してお茶にしていたけれどジュースにすればよかったなあと物凄く後悔した。
「僕も皆みたいにコークにすればよかったなあ」
思わず声に出てしまっていた。海咲が面白そうな顔をする。
「ドリンク、お茶にしたのか?」
「うん、せめてアイスティーにすればよかったよ。甘いものが欲しい」
「ならパイがあるじゃないか」
パイ?と僕が首を傾げると海咲がメニューを指さす。
「限定のカスタードパイだって。これだけじゃ足りないから食おうかなって」
美味しそうだなと僕も思って、買って食べてみることにした。注文してから揚げてくれるのか、パイはホカホカしている。一口食べるととろっとしたカスタードクリームが出てくる。
「美味しい。これならお茶もぴったりかも」
「良かったな。俺も食ってみよ」
海咲も食べ始めた。サクサクいっている。
「なぁ奏。夏休み、なんかあるか?」
「習字教室のお手伝いくらいかな?」
「なら一緒に出掛けねえ?」
え、それって…と僕は思った。
「どこにいくの?」
「遊園地とか」
「いくー!」
僕たちの話に他の子たちも混ざってきて、結果男女6人で行くことになった。
「海咲くん、僕を誘ってくれてありがとう」
僕がそう言ったら頭をぽんぽん撫でられた。
これから皆で詳しい日程を決めることになった。今から夏休みが楽しみだ。
「おはよう、奏」
「海咲くん、おはよう」
「この間の勉強会でお前に教えてもらったから今回かなり自信あるんだ」
「よかった」
僕も入念に勉強してきている。次も学年首席がとれたら嬉しいけれど、首席というのはあくまでおまけで、そこまで執着するものではない。チャイムが鳴って皆が自分の席に戻った。
ホームルームでテストの注意事項を伝えられる。
そしていよいよ試験が始まった。今日は三時限で帰れる。テスト期間はそれが嬉しい。テストはそこまで難しくなかった。しっかり復習した成果が出たらしい。ホッとしながら最後に見直しを済ませて、鉛筆を置いたらちょうどチャイムが鳴った。
こうして今日の試験日程は全て終わった。
「ああ、疲れたな」
海咲がため息をついている。
「海咲くんも疲れることがあるんだね」
「俺だって人間だぞ。でも随分答えられたな。ありがとうな、奏」
「よかった」
今日は早めに帰って明日の試験の準備をしなくてはと僕は思っていた。でもその前に猛烈にお腹が空いている。
「海咲くんはお弁当持ってきた?」
「いや、なんかコンビニで適当に買って食おうかなって。奏は?」
「僕、ハンバーガー食べようかなって」
駅前にチェーン店のハンバーガーショップがあるのだ。学校から駅まで少し歩くけど、美味しいポテトフライとバーガーのためなら多少暑くても僕は頑張れる。
「お、いいな。俺も行く」
他の子も行くと言ってくれたので僕たちは連れ立ってハンバーガーショップを目指した。
電車通学している子もそこでお昼を食べるらしい。
同じ制服を着た学生たちがちらほらいた。注文したものを持ってテーブルに着く。
「奏はチーズバーガーか」
「うん、僕チーズバーガーしか食べないの」
「そりゃまた限定的だな」
海咲はてりやきバーガーとハンバーガー、ポテトのラージサイズを頼んでいた。細いのによくこんなに入るなあと食べるのを感心して見ていたら海咲がちょっと頬を赤らめていた。
僕はチーズバーガーに噛り付いている。美味しい。ポテトも塩気が美味しかった。
ドリンクはちょっとカロリーに抵抗してお茶にしていたけれどジュースにすればよかったなあと物凄く後悔した。
「僕も皆みたいにコークにすればよかったなあ」
思わず声に出てしまっていた。海咲が面白そうな顔をする。
「ドリンク、お茶にしたのか?」
「うん、せめてアイスティーにすればよかったよ。甘いものが欲しい」
「ならパイがあるじゃないか」
パイ?と僕が首を傾げると海咲がメニューを指さす。
「限定のカスタードパイだって。これだけじゃ足りないから食おうかなって」
美味しそうだなと僕も思って、買って食べてみることにした。注文してから揚げてくれるのか、パイはホカホカしている。一口食べるととろっとしたカスタードクリームが出てくる。
「美味しい。これならお茶もぴったりかも」
「良かったな。俺も食ってみよ」
海咲も食べ始めた。サクサクいっている。
「なぁ奏。夏休み、なんかあるか?」
「習字教室のお手伝いくらいかな?」
「なら一緒に出掛けねえ?」
え、それって…と僕は思った。
「どこにいくの?」
「遊園地とか」
「いくー!」
僕たちの話に他の子たちも混ざってきて、結果男女6人で行くことになった。
「海咲くん、僕を誘ってくれてありがとう」
僕がそう言ったら頭をぽんぽん撫でられた。
これから皆で詳しい日程を決めることになった。今から夏休みが楽しみだ。
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