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千尋×加那太

その子の名前は?(お迎えサボテン続き)

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「わ…なんか急に知らない子が増えてる」

加那太はふと棚の上に置いてあるものに気が付いた。それは小さな可愛らしいサボテンである。

「加那、洗濯物もうないのか?洗濯機回しちまうぞ」

「洗濯機は回していいけど、この子誰?」

「ああ、そいつはサボ子だ」

「僕以外の子に手を出すなんて」

加那太はヨヨヨと泣いて見せる。千尋はそれに大きくため息を吐いてみせた。

「お前…人聞きの悪いことを言うな」

「だってさ、可愛い子なのに挨拶も何もないんだもん」

「う…それは悪かったよ。そいつは一昨日、あきからもらったんだ」

「あ!例のママさん会でね」

「ママさん会言うな」

千尋は千晶と定期的にお茶会を開いている。それを加那太はママさん会と称しているのだった。

「ねね、僕もサボ子のお世話したい!どうやるの?」

「いや、特に世話は必要ないらしい。今の時期は時々霧吹きで水をやるって」

「僕、やる!」

「さっきやったぞ」

「千尋ずるいー!!!」

「悪かった!今度から頼むよ」

「うん!」

千尋の言葉に加那太は嬉しそうに頷いた。

「なぁ」

二人の元に愛猫のタマがやってくる。加那太はタマを抱き上げてサボテンを見せた。

「見て、タマ。僕たちの新しい家族だよ。初めまして、タマさん。私はサボ子です!」

加那太が声を変えて言う。

「にぃ?」

タマはこてん、と首を傾げた。

「はは、タマはまだ誰だか分かってないみたいだな」

「タマもまだ小さいし仕方ないかぁ」

タマが鳴きながら加那太に体を擦り寄せてくる。

「タマ、今日は甘えん坊さんだね」

「今日もだろ。とりあえず朝飯食おう」

「僕、お腹ペコペコー」

いつもの日曜が始まる。

おわり
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