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我慢
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屋敷の浴室はルリアが思っていたより遥かに広かった。汗をかいていたので風呂に入れるのは嬉しい。服を脱いで、ルリアは浴室に入った。湯気で視界が悪い。足元に気を付けながら洗い場に向かう。ラヴィアンも入ってきた。
「ルリア、背中を流してあげようか?」
「あ、お願いします」
ルリアは椅子に座りラヴィアンに背を向けた。
「ルリアは背中も綺麗なんだな」
「そう?ですか?」
硬めのボディタオルで背中を軽く擦られる。
「気持ちいい…あ、俺もラヴィアンの背中洗ってあげる」
「待て待て、泡を流すのが先だ」
ルリアは大人しくしていた。温かいたっぷりのお湯で背中を流してもらう。モーリにある自宅では、せいぜい桶にお湯を入れてタオルで体を拭くくらいしかできなかったので、気持ちよさは段違いだった。あまりの気持ちよさにルリアが寝そうになっているといつの間にかラヴィアンに抱きかかえられていた。
「ルリア、無防備過ぎだぞ」
「ん…ラヴィアン?どうしたの?」
ルリアがのほほんと聞くと、ラヴィアンが盛大なため息をついた。
「ルリア、相手が俺じゃなかったら犯されてるぞ?」
「へ?おか…?」
ルリアはラヴィアンの言葉に一気に顔が熱くなった。
「ラヴィアンは俺をそういう目で見てるの?」
「そりゃそうだろう、俺はルリアを嫁にしたいって思ってるんだぞ?普通そうするだろう?」
確かに…とルリアは考えた。
「でも今は我慢してくれたんだよね?」
「ルリアが可愛いし大事だからなぁ」
ルリアの胸がじわっと温かくなる。
「ラヴィアンって優しいよね」
「…あんまり可愛い事言うな。疲れているみたいだしもうあがりなさい」
「はーい」
ルリアは寝間着を着て自室に戻った。そういえば今朝、クローゼットを見つけていた。ルリアがクローゼットを開けてみると服が何着か畳まれて置いてある。広げてみると、伸縮性のある動きやすそうな服だった。ルリアがそれを自分の身体にあてがってみるとぴったりだった。
「あ、薬の調合して飲まなくちゃね」
ルリアは先程採取して洗っておいた薬草を取り出した。ルリアは父からアイテム袋をもらっている。薬草ごとに区別して入れられるので便利だ。道具袋もアイテム袋から取り出す。ルリアは薬草をナイフで細かく刻み始めた。
刻んだ薬草を沸かしたお湯に溶かす。
「よし、出来た。うぅ、不味そうだねえ」
ルリアは意を決して薬湯を飲み干した。ふと、右目の視界に変化が現れる。見えるようになったわけではないが、真っ黒だった視界が少し明るく薄らいだのだ。
「上級薬ってやっぱりすごい。よし、明日はカイ先生のとこ行こ」
ルリアはせっせと上級薬を作った。
*
「ルリア、上級薬を沢山作ったんだな」
「ラヴィアンたちの分も作ったから置いてくれる?」
「わー!ありがとうございます!ルリア様!」
ローズがルリアから薬を受け取る。
「あのね、ラヴィアン。今日は行きたいところがあるの」
「カイ先生のところか?知ってるぞ。金もろくに取らずに治療してくれるんだろう?よく仕事を続けられるな、その先生は」
「カイ先生、あくまでお医者さんは副業なんだよ。空いた時間はダンジョンでモンスター倒しまくって稼いでるんだって」
「意外だな」
「カイ先生、強いから他のパーティからどんどん誘われるんだよ。それに普段と姿が違いすぎて俺と俺の家族以外、そのことを知らないんだ」
「そりゃ知らないだろうなぁ…俺も知らなかったし」
「このことは秘密だよ?ラヴィアン」
「分かった。その代わり俺も行っていいか?」
「もちろんだよ」
ルリアたちは転移装置の中にいる。
「よし、行くか」
ルリアはラヴィアンにしがみついた。ふわりと浮遊するような感覚があり、気が付けばモアレナ王都の手前にいた。
「ルリア、案内を頼む」
「分かった、こっちだよ」
ルリアはラヴィアンを先導しながら歩き始めた。
「ルリア、背中を流してあげようか?」
「あ、お願いします」
ルリアは椅子に座りラヴィアンに背を向けた。
「ルリアは背中も綺麗なんだな」
「そう?ですか?」
硬めのボディタオルで背中を軽く擦られる。
「気持ちいい…あ、俺もラヴィアンの背中洗ってあげる」
「待て待て、泡を流すのが先だ」
ルリアは大人しくしていた。温かいたっぷりのお湯で背中を流してもらう。モーリにある自宅では、せいぜい桶にお湯を入れてタオルで体を拭くくらいしかできなかったので、気持ちよさは段違いだった。あまりの気持ちよさにルリアが寝そうになっているといつの間にかラヴィアンに抱きかかえられていた。
「ルリア、無防備過ぎだぞ」
「ん…ラヴィアン?どうしたの?」
ルリアがのほほんと聞くと、ラヴィアンが盛大なため息をついた。
「ルリア、相手が俺じゃなかったら犯されてるぞ?」
「へ?おか…?」
ルリアはラヴィアンの言葉に一気に顔が熱くなった。
「ラヴィアンは俺をそういう目で見てるの?」
「そりゃそうだろう、俺はルリアを嫁にしたいって思ってるんだぞ?普通そうするだろう?」
確かに…とルリアは考えた。
「でも今は我慢してくれたんだよね?」
「ルリアが可愛いし大事だからなぁ」
ルリアの胸がじわっと温かくなる。
「ラヴィアンって優しいよね」
「…あんまり可愛い事言うな。疲れているみたいだしもうあがりなさい」
「はーい」
ルリアは寝間着を着て自室に戻った。そういえば今朝、クローゼットを見つけていた。ルリアがクローゼットを開けてみると服が何着か畳まれて置いてある。広げてみると、伸縮性のある動きやすそうな服だった。ルリアがそれを自分の身体にあてがってみるとぴったりだった。
「あ、薬の調合して飲まなくちゃね」
ルリアは先程採取して洗っておいた薬草を取り出した。ルリアは父からアイテム袋をもらっている。薬草ごとに区別して入れられるので便利だ。道具袋もアイテム袋から取り出す。ルリアは薬草をナイフで細かく刻み始めた。
刻んだ薬草を沸かしたお湯に溶かす。
「よし、出来た。うぅ、不味そうだねえ」
ルリアは意を決して薬湯を飲み干した。ふと、右目の視界に変化が現れる。見えるようになったわけではないが、真っ黒だった視界が少し明るく薄らいだのだ。
「上級薬ってやっぱりすごい。よし、明日はカイ先生のとこ行こ」
ルリアはせっせと上級薬を作った。
*
「ルリア、上級薬を沢山作ったんだな」
「ラヴィアンたちの分も作ったから置いてくれる?」
「わー!ありがとうございます!ルリア様!」
ローズがルリアから薬を受け取る。
「あのね、ラヴィアン。今日は行きたいところがあるの」
「カイ先生のところか?知ってるぞ。金もろくに取らずに治療してくれるんだろう?よく仕事を続けられるな、その先生は」
「カイ先生、あくまでお医者さんは副業なんだよ。空いた時間はダンジョンでモンスター倒しまくって稼いでるんだって」
「意外だな」
「カイ先生、強いから他のパーティからどんどん誘われるんだよ。それに普段と姿が違いすぎて俺と俺の家族以外、そのことを知らないんだ」
「そりゃ知らないだろうなぁ…俺も知らなかったし」
「このことは秘密だよ?ラヴィアン」
「分かった。その代わり俺も行っていいか?」
「もちろんだよ」
ルリアたちは転移装置の中にいる。
「よし、行くか」
ルリアはラヴィアンにしがみついた。ふわりと浮遊するような感覚があり、気が付けばモアレナ王都の手前にいた。
「ルリア、案内を頼む」
「分かった、こっちだよ」
ルリアはラヴィアンを先導しながら歩き始めた。
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